良質なコンテンツとは?SEOにおける要件を解説

良質なコンテンツとは?SEOにおける要件

この記事のポイント

この記事でおさえておきたいポイントは以下です。

Googleが定義する良質なコンテンツの要素とは

クエリが持つ検索意図に合致する内容であるかという点と、ユーザーがわかりやすく課題が解決できるコンテンツを提供できているかがポイントとなります。また、公的なサイトや権威性の高いサイトから引用や言及を受けているなどコンテンツが信頼できることや、独自性の高い内容であることも非常に重要な要素です。

「良質なコンテンツ」とは、ユーザーのニーズに適合し、価値のある情報を提供するものを指します。つまり、読み手に学びや発見、感動などの優れたユーザー体験を提供できるコンテンツが「良質なコンテンツ」として評価されます
良質なコンテンツには具体的にどのような特徴があるか、ポイントをまとめたのが以下です。

  • ユーザーの興味をひく内容である
  • 内容にオリジナリティがある
  • 読みやすい/理解しやすい表現がされている
  • 正確で信頼のできる情報である
  • 最新の情報である

では、SEO対策の文脈における「良質なコンテンツ」はどのようなものを指すのでしょうか?Googleが示す定義をもとに解説します。
本記事を通してSEOで評価を得るための考え方と、その重要性を理解していただければと思います。


Googleが定義する良質なコンテンツの要素

冒頭で示した通り、「良質なコンテンツ」は検索ユーザーにとって発見や学び、課題解決に繋がるような、“人の役に立つ情報”である必要があります。
良質なコンテンツとして評価を得るために必要な要素を、Googleが発信している内容から読み取り、以下の5つに絞って解説します。

検索意図を満たし、課題が解決できる

検索意図とは、ユーザーが検索をおこなう動機や、検索によって達成したいと考えている事柄を指します。
ユーザーが検索時に入力するクエリ(検索語句)には必ず意図があります。Googleはそれらをアルゴリズムによって察知し、ユーザーが目的を達成するためのコンテンツを表示させています。
つまり、クエリが持つ検索意図に合致する内容であるかという点と、ユーザーの課題が解決できるコンテンツを提供できているかがポイントとなります。
実際にGoogleでは検索意図とコンテンツがどの程度合致しているかを、「Needs Met Rating Guideline」という項目で5段階で評価しています。

Needs Met Rating Guideline

出典:検索品質評価ガイドライン(GeneralGuidelines)-P.103

評価の内容を日本語でまとめたものが以下です。

評価 説明
1 Fully Meets (FullyM)
最高評価
特定のクエリや結果にのみ適用される特別な評価カテゴリー。すべての、あるいはほとんどすべてのユーザーのニーズを満たすため、他の検索結果を見る必要はありません。
2 Highly Meets (HM)
高評価
多くの、あるいはほとんどのユーザーにとって非常に役立つ。ユーザーによっては、さらに別の検索結果を見たいと思う場合があります。
3 Moderately Meets (MM)
平均的
多くのユーザーにとって有益、または一部のユーザーにとって非常に有益である。一部のユーザーまたは多くのユーザーは、さらに別の検索結果を見たいと思います。
4 Slightly Meets (SM)
低評価
一部のユーザーに役立つ。クエリと検索結果には関連性があるが、満足のいく内容ではありません。多くのユーザーが別の検索結果を見たいと思います。
5 Fails to Meet (FailsM)
最低評価
ほぼすべてのユーザーに役立たない検索結果です。
すべてのユーザー、またはほとんどすべてのユーザーが別の検索結果を希望します。

検索意図との合致度合いは、コンテンツの品質を考える上で大切な要素です。

しかし逆を言うと、見る人の目的や検索意図が変われば、コンテンツ自体が高品質でも全く評価されない場合もあるということです。
そのため、良質なコンテンツとして高い評価を得るためには、作成時に必ず特定のクエリ/検索意図をセットで考えておく必要があります。

信頼性の高い情報である(E-E-A-T)

情報収集や課題の解決を目的としたユーザーにとって、そのコンテンツが信頼できるかどうかは非常に重要な要素です。
信頼性については、Googleが独自に設けているE-E-A-Tという評価基準を考慮する必要があります。
E-E-A-Tとは、Experience(経験・体験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trusts(信頼)の4つの頭文字からなる造語です。
Googleの検索品質ガイドラインの一つとして定められており、「最重要項目」といわれています。
検索品質評価ガイドラインで示された以下の図からも分かるとおり、 Trusts(信頼)はE(経験・体験)、E(専門性)、A(権威性)によって成り立っています。

E-E-A-T

出典:検索品質評価ガイドライン(GeneralGuidelines)-P.26

ユーザーとGoogleから信頼を得られるコンテンツを作るための対策例は以下です。
『誰が』、『どのような根拠』をもとに発信しているのかを明らかにし、かつそれが『最新の情報』であることが信頼できるコンテンツに必要な要素です。

▼信頼を得るための対策例

  • サイト運営主の情報を明示する
  • 記事コンテンツなどの場合、執筆者を明示する
  • 引用ソースを明らかにする
  • 鮮度の高い、最新の情報に更新する

E-E-A-Tの高め方についてさらに知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
E-E-A-T(旧E-A-T)とは?SEOで重要なGoogleの評価基準を解説 E-E-A-T(旧E-A-T)とは?SEOで重要なGoogleの評価基準を解説
権威性とは?意味と使い方、SEOにおける権威性の高め方を解説 権威性とは?意味と使い方、SEOにおける権威性の高め方を解説

独自性の高い内容である

そのコンテンツでしか得られない、独自性(オリジナリティ)の高い情報を提供することは評価を得る上でとても重要な要素です。特に、昨今の生成AIの普及を受けて、SEOではオリジナルコンテンツの価値が一層高まっています。
他のコンテンツと同じようなことしか書かれていないような、独自性に欠けるコンテンツが検索結果上にいくつもあっても、ユーザーにとっては何の発見や課題解決にも繋がらず、役に立ちません。
そのためGoogleは独自性の高い一次情報を含んだコンテンツを高く評価する傾向が強く、公式からも以下のように言及しています。

オリジナリティ 他のサイトにはないような、ユニークでオリジナリティの高いコンテンツを提供しているかを考慮します。
他のWebサイトに類似したコンテンツがある場合は、どのサイトが引用元のソースであるかを考慮します。
検索品質評価ガイドライン

出典:検索品質評価ガイドライン(GeneralGuidelines)-P.21

検索結果ですでに上位表示している記事を参考にコンテンツを作成するSEO手法がありますが、そういったものは独自性の観点で評価が得にくいため今後は徐々に不利になっていくと思われます。
それではどのようなものが独自性の高い一次情報として評価されやすいのでしょうか?
弊社の見解は以下の通りです。

  • 独自の調査や研究結果
  • 自身の体験や経験談
  • 独自の見解や主張、アイデア

このような、自らが情報源となって生み出した内容は、そのコンテンツからしか得られないものとして独自性が高く評価されます。

以下は、弊社で実施したユーザー調査結果をコンテンツ内のエビデンスとして活用している例です。
このような調査はインターネット上で完結でき、ユーザー分析だけではなく調査結果の二次利用にも役立てられるため、実施を検討してみるとよいでしょう。

ニュートラルワークスの調査結果活用例


とはいえ、全てにおいて独自の情報を生み出せるかというと難しいのも事実です。そのため他者が出した情報をもとに、それらを引用して何かを述べることも多くあると思います。
そのように他者の出した一次情報を利用する場合には、必ず出典元を明らかにするようにしましょう。根拠となる情報を読者に示すことで、情報の正確性を読者自身が判断できるようになります。

また他者のコンテンツを引用する際、真偽不明な情報を極力扱わないように注意が必要です。正確性に欠ける情報ソースを引用することで、あなたのサイトの信頼性まで損なう可能性があるからです。
可能な限り、公的機関やその領域で高い権威性を持つ団体、または専門の団体などから発信されている信頼できる情報ソースを扱うように心掛けてみてください。

可読性が高く、理解しやすい

書かれている情報がいくら有益な内容だとしても、読みづらくユーザーが理解できなければそれは良質なコンテンツとは言えません。
自分が探している情報がコンテンツ内のどこに記載されているのかが分からなければ、ユーザーは探すのを諦めて離脱してしまいます。また、情報を見つけることができても、回りくどい表現や文法的な誤りがあるとそのコンテンツ全体に対して不信感を抱かせる原因になります。
Googleは公式SEOスターターガイドでは、文章の読みやすさについて以下のように言及しています。

文章が読みやすく、よく整理されている: 文章をよく練り、わかりやすく自然な言葉を使い、誤字脱字や文法的な誤りをなくします。長い文章は段落や章などに分け、全体を見通せるように見出しを付けてください。

出典:検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド|Google検索セントラル

誤字脱字や文法的な誤りは校正ツールなどを利用すれば比較的簡単に対処ができますので、利用してみるのも一つの手です。しかし、長い文章を段落や章に分けて書くパラグラフライティングは、日本ではあまり馴染みの無い方も多いかもしれません。
パラグラフライティングとは、論理展開するための文章技法の一つで、文章の先頭となる見出しさえ読めば全体の要点をつかむことができるという特長があります。これを用いることで、人間が読みやすいだけではなくGoogle のロボットにとっても理解しやすい文章を作ることができます。
長文のWebコンテンツを作成する際には、ぜひパラグラフライティングを用いて結論ファーストで分かりやすい文章を心がけてみてください。

外部サイトからの被リンクや引用がされている

公的なサイトや権威性の高いサイトから引用や言及を受けているサイトは、信頼できるコンテンツとしてGoogleから高く評価されます。
そのため、被リンクを獲得することと、良い評判を得ることはSEOでとても重要な要素です。
Googleは外部からの被リンクや引用が評価の判断に影響を与えていることを、以下のように言及しています。

「4. ウェブ上の民主主義は機能する。」
Google 検索が成果を出し続けている理由は、何百万人ものユーザーがウェブサイトに張ったリンクを参考に、どのサイトが価値のあるコンテンツを提供しているかを判断しているためです。Google では、200 以上の基準と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。特許を取得した PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最も良い情報源として投票されているかを分析します。
出典:Googlega掲げる10の事実

「コンテンツの質」
システムは、関連性のあるコンテンツを特定した後、最も役立ちそうなコンテンツを優先しようとします。そのために、どのコンテンツが専門性、権威性、信頼性を示しているか判定するために役立つシグナルを特定します。
たとえば、その判定を支援するために使用している要因の 1 つに、そのコンテンツへのリンクまたは言及が他の著名なウェブサイトに含まれているか把握するということがあります。含まれていれば、多くの場合、その情報の信頼性が高いことを示す十分なしるしとなります。
出典:検索の仕組み-Google Search

信頼性の高いサイトから被リンクを獲得することで、SEO効果が見込めるほか、ブランディングや流入増加も見込めます。
自然とリンクが集まり、引用やポジティブな言及がされるようなコンテンツは、まさしく良質なコンテンツと言えるでしょう。

まとめ

良質なコンテンツの要件は様々ですが、一貫して言えることは読み手にとって有益かどうかが重要ということです。コンテンツを制作する際には、その検索クエリにどのようなニーズがあるのか、どのような情報が提供できれば有益といえるのか?をユーザーの目線に立って考えてみてください。
また、コンテンツ制作を自社で完結するのが難しい場合には、ぜひSEOのプロにも相談してみることをおすすめします。
弊社でもコンテンツ制作支援だけではなく、全体のSEO課題発見から戦略立案、実行までサポートいたします。

SEOにおける「コンテンツ」のよくあるご質問

SEOにおける良質なコンテンツとは?

ユーザーのニーズに適合し、価値のある情報を提供するものを指します。つまり、読み手に学びや発見、感動などの優れたユーザー体験を提供できるコンテンツが「良質なコンテンツ」として評価されます。
具体的なポイントが以下です。

「ユーザーの興味をひく内容である」
「内容にオリジナリティがある」
「読みやすい/理解しやすい表現がされている」
「正確で信頼のできる情報である」
「最新の情報である」

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監修者紹介

住 太陽

SEO Adviser

Twitter:@motoharusumi
SEOコンサルタント。2002年に国内初となるSEO解説書など多数の著書を執筆。以来、多数の執筆や講演を務めるなど、SEOの国内の第一人者として知られている。

ボーディー有限会社の代表取締役であり、中小企業を対象に定額制SEOコンサルティングを提供を提供しているほか、株式会社ニュートラルワークスでSEO顧問を務めている。

■経歴
1999年 個人事業として創立
2002年 商号を「SEOソリューションズ」と改定。
2004年 法人化。法人名「SEOソリューションズ有限会社」
2005年 社名変更。新社名「ボーディー有限会社」

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