検索エンジンを利用するユーザーを自社サイトへ呼び込むために、SEO対策が重要なことは広く知られています。それに加えて、最近では「MEO対策」も注目を集めています。
MEO対策とは、「キーワード+地名」での検索結果や、Googleマップ上での検索結果において上位表示させるための対策を指します。地域性の高さから「ローカル検索」や「ローカルSEO」とも呼ばれます。実店舗を持つビジネスや、商圏とする地域が限られているビジネスでは、特に重要なマーケティング施策です。
なぜなら、MEO対策で上位表示されると、今すぐ来店できる距離にいる、来店したいと考えている優良な顧客候補に、自分の店舗をアピールできるためです。文字通り近いユーザーにリーチできるため、大きな成果を期待できます。
またMEO対策は、オンライン広告やSEO対策などの他のマーケティング施策に比べて、低コストで着手できることも魅力です。それは、まだ多くの企業はMEO対策を始めていなかったり、効果的なMEO対策ができていないためでもあります。
つまり、競合よりも早く的確なMEO対策をすれば、さらに大きな費用対効果が期待できるのです。この記事では、MEO対策で検索結果に上位表示するために必要な要素や、その具体的な方法をご説明します。
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目次
MEOとは
MEOとは、Map Engine Optimizationの頭文字を取ったものです。
SEOに対して、地図上での表示を重視するため「Map」という単語が使われています。または、ある地域に特化したSEOであることから「ローカルSEO」と呼ばれる場合もあります。地域との結びつきが強いビジネス、特に実店舗があるビジネスにとっては、非常に重要なWEBマーケティング施策です。
スマートフォンが広く普及したことで、ユーザーが実際にいる場所周辺の情報を検索することが急増しました。その変化にgoogleの検索アルゴリズムも対応して、検索結果に位置情報や地域性が強く反映されるようになったのです。
例えば「鎌倉 スイーツ」と検索した場合の検索結果を見てみましょう。このように「地名+キーワード」で検索されると、その地域の地図上にキーワードの検索結果が表示されます。また、地図上に示された中の上位のものが写真付きで表示される形になっており、非常に目立っていることがわかります。
さらに、距離的に近いユーザーや、実際にその地域にいく予定のあるユーザーが検索していることがほとんどです。そのため、「知りたい」「行きたい」「食べたい」「買いたい」などの欲求と直結した検索だと言えます。
MEO対策とは
MEO対策とは、「地域+サービス」「地域+業種」などのキーワードで検索した際に、検索結果上位に表示されるための施策です。先程の「鎌倉 スイーツ」の例では、一番上にGoogleマップ上の検索結果が表示されています。
次に、地域内の代表例が表示されます。この部分は「ローカルパック」と呼ばれます。そして、通常の検索結果は、さらに下に表示されます。
このように、Googleマップとローカルパックは、従来の自然検索結果よりも優先されます。MEO対策をすることで、以前のSEO対策で表示できた最上位よりもさらに上に、自社店舗やサービスを表示させることができるのです。
特に画面の小さなスマートフォンでは、ほとんどのユーザーはまず地図とローカルパックの結果を確認します。認知度を大幅に高くすることが可能で、集客も期待できます。
MEO対策とは?MEO対策の方法やメリット、費用感を解説
Googleマイビジネスの登録は必須
MEO対策をするには、Googleマイビジネスへの登録が必要です。Googleマイビジネスとは、Googleが提供しているサービスで、インターネット上での実店舗の情報管理ができるものです。店舗の情報を発信したり、口コミ管理などができます。
Googleマイビジネスでは、原則として店舗のオーナーが情報を管理します。登録方法は、ビジネスのジャンルによって多少変化しますが、概ね以下の手順で行います。
①Googleアカウントを作成(すでに使っているものがあれば利用できます)。
②ビジネス名の入力
③ビジネスのカテゴリを選択
④店舗の住所を入力
⑤ビジネスの所在地をGoogleマップ上で選択
⑥電話番号、WEBサイトの登録
⑦オーナー確認の方法を選択
オンラインでの情報入力ができたら、最後にオーナー確認を行います。登録する店舗が実在するかを確かめるため、その住所に郵送で「確認コード」が送られてくるのが基本です。ビジネスによっては電話やメールが使える場合もありますので、登録時の表示にしたがって選択します。
確認コードが送られてきたら、Googleマイビジネスに入力して、オーナー確認は完了します。これで、店舗のMEO対策の準備ができました。
MEOとSEOの違い
MEOとSEOはどちらも検索結果で目立つための施策です。そのため混乱する部分もあるかもしれません。主な違いを確認しましょう。
MEO | SEO | |
---|---|---|
目的 | Googleマイビジネスに登録されている自分の店舗を、Googleマップ上やローカルパックで上位表示させること。 それにより来店や問い合わせ電話を増やす。 |
自分のWEBサイトを、Googleの自然検索結果で上位表示させること。 それによりWEBサイトへのアクセスを増やす。 |
表示位置 | Googleマップ上やローカルパック。 通常の検索結果よりも上部。 |
自然検索結果。 |
競合の数 | 少ない。 競合が地域内の実店舗に限られるため。 |
多い。 あらゆるWEBサイトが競合となるため。 |
難易度 | 低い。 競合が少ないため。 |
高い。 ポータルサイトや大規模チェーン店などが競合となるため。 |
費用 | 低い。 月間数万円から開始可能。 |
高い。 月間10万円以上が相場。 |
成果がでるまでの期間 | 短い。 1週間程度で効果が出始める。 |
長い。 半年程度は必要。 |
対策のために必要なもの | 少ない。 主に店舗に関する情報や口コミが必要。 |
多い。 店舗情報の他、対象キーワードに関する情報が必要。 |
対策範囲 | 狭い。 自店舗の地域や業種に絞ることができるため。 |
広い。 一般的な情報も必要となるため。 |
MEOとSEOの違いの詳細は、下記の記事をご覧ください。
MEO対策・リスティング広告・SEO対策の違いを比較
参考:MEOとは?SEOとの違いや施策ステップ等をわかりやすく解説
MEO対策のメリット
ここまでMEOの概要、SEOとの違いを説明してきました。では、MEO対策をすることで、どのようなメリットが得られるのか、具体的に説明します。また、SEO対策で得られるメリットとはどのように異なるのかも合わせて見ていきます。
ユーザーの目に留まりやすい
検索エンジンで「地域+サービス」のキーワードで検索すると、Googleマップとローカルパックが表示されます。ローカルパックには、検索した地域内の店舗情報が上位3店舗だけ表示されます。
このGoogleマップとローカルパックは通常の検索結果よりも上位に表示されるため、ユーザーが最初に見る情報となります。スマートフォンであれば、検索結果の画面でスクロールさせずに見える部分です。圧倒的にユーザーの目に入りやすいと言えます。
アメリカのデジタルマーケティング企業であるsistrix社の調査によると、Googleの検索結果1位のクリック率は28.5%とされています。MEO対策で上位3位に入れば、検索結果1位よりも上位に表示されるため、同等かそれ以上のクリック率が期待できます。
来店見込みの高いユーザーに直接訴求できる
「地域+サービス」といった検索をするユーザーは、実際に行動する確率が非常に高いと考えられます。例えば「鎌倉 スイーツ」と検索した人は、次のどれかの可能性が高いと想定できます。
- 現在鎌倉にいて、近くのお店を探している
- 鎌倉に行く予定があり、その時に入るお店を探している
- スイーツ食べ歩きが趣味で、鎌倉に行くことを検討している
1は、現在まさにサービスを必要としているユーザーです。2も、非常に有望な見込み客になるユーザーでしょう。3は、比較的コンバージョンまでは遠いものの、魅力的なサービスが見つかれば鎌倉まで足を伸ばす可能性は低くありません。
MEO対策を行いGoogleマップの検索結果で上位表示されれば、このような来店確率の高い見込み客にリーチできます。これらのユーザーに店舗情報を見てもらえる、知ってもらえるのは大きなメリットです。
競合が少なく成果が出やすい
サービス名や商品ジャンルなどで検索した場合には、飲食店や小売店舗のWEBサイトが上位表示されることは非常に少なくなりました。ポータルサイトや大規模ECモール、まとめサイトなどが上位を占めていることがほとんどです。また、最近のGoogleアルゴリズムによって、大企業のWEBサイトが上位表示される傾向も強まりました。
SEO対策では、上記のような大規模サイトが競合となります。そのため、上位表示するにはかなりのコストと労力を要します。
それに対してMEOでは、検索したユーザーの現在位置や検索した地域名から、その地域にある店舗のみが検索対象となります。そのため、そもそも競合が非常に少ないと言えます。
また、現在のところまだMEO対策に取り組んでいる店舗は多くありません。MEOは地域性の高いビジネスで効果的なものの、そのような地域密着型ビジネスにとっては世界中に配信されるインターネットでの販促活動は相性が悪かったのです。そのため、競合より先にMEO対策をすることで、検索上位を狙いやすい状況です。
口コミで信頼を獲得しやすい
MEO対策の基本となるGoogleマイビジネスには、ユーザーからのクチコミ投稿やレビューを集めて表示できる機能があります。お客様の満足度の高いサービスを提供することで、好意的な内容のクチコミや評価の高い点数を得ることができ、店舗の信頼が向上します。
点数やクチコミは検索結果にも直接表示されるため、検索順位とともにクリック率を高める重要な要素にもなっています。また、クチコミ情報を含む店舗ポータルサイトの評価点数に疑問が保たれていることも見逃せません。
店舗ポータルサイトでは、店舗が利用料を支払わなければ使えない機能があるだけでなく、評価点数にも影響することが疑われています。そのため、店舗もユーザーも無料で使用できるGoogleマイビジネスの評価やクチコミの信頼が増しているのです。
店舗までの地図が表示され、来店確率が高まる
Googleマップやローカルパックに表示される店舗情報には、店舗の住所だけでなく、現在位置からの経路も表示されます。距離や所要時間もわかるので、ユーザーにとって非常に使いやすくなっています。
さらにスマホを使っているユーザーであれば、地図アプリに誘導することで道案内も可能です。検索したユーザーに対して、スムーズに来店を促すことができるのです。
また、Googleマイビジネスでは地図だけでなく営業時間や電話番号も掲載されます。直接来店するだけでなく、予約や問い合わせといった、来店につながるアクションも取ってもらいやすくなっています。情報発信を目的としたSEO対策に比べて、MEO対策は集客に直結するとも言えます。
MEO対策のデメリット
メリットの多いMEO対策ですが、一方でデメリットもあります。MEO対策をすることで副次的に発生してしまうデメリットと、MEO対策自体の性質によるデメリットがあります。デメリットも把握しておくことで、どのようにMEO対策を進めるかを考える手がかりとなります。詳しく見ておきましょう。
ネガティブな口コミをもらうこともある
Googleマイビジネスに店舗を登録することで、GoogleやGoogleマップを利用するユーザーにクチコミを投稿してもらうことができます。しかし、そのクチコミの内容は店舗側には操作もできませんし、表示するかどうかを選ぶこともできません。つまり、ネガティブな評価やクチコミをもらってしまうこともありえるのです。
MEO対策においては「クチコミをもらうこと」は重要な施策ですので、積極的に集めなければいけません。同時に、ネガティブなクチコミもらった場合の対応も考えておく必要があります。Googleマイビジネスには、クチコミを管理する機能もあります。内容は変えられませんが、返信して対応することは可能です。
店舗やスタッフに手落ちがあった場合には、誠実に対応することが求められます。ネガティブなクチコミを投稿した人への対応に留まらず、クチコミを見ている他のユーザーへのアピールにもなります。店舗の接客態度を整えて、オンラインでも一貫した対応をとりましょう。
店舗型ビジネスでないと効果を得にくい
MEO対策の主な対象であるGoogleマイビジネスやGoolgeマップは、基本的に実店舗を持つビジネス向けのサービスです。Googleでの検索を通して店舗を知ったユーザーが来店することで好影響があるビジネスが、MEO対策に適していると言えます。
そのため、インターネット上だけでビジネスを行うECサイトや、地域内だけでなく日本全国を商圏とするビジネスにとっては、MEO対策はあまり大きな効果は期待できません。MEO対策で表示されるビジネスの拠点への集客をする必要性が低いためです。その場合、SEO対策を優先すべきこともあり得ます。
とは言え、Googleマイビジネスには会社情報を掲載して自社WEBサイトへ誘導したり、クチコミを集めたりする機能もあります。良い評価やクチコミを収集できれば、Googleマイビジネスを通して問い合わせや集客につながることもありますので、基本的なMEO対策はしておくことをおすすめします。
MEO対策で上位表示させる重要性
ここまでMEO対策の効果やメリットについて説明してきました。それらだけでも、MEO対策の必要性はご理解いただけると思います。しかし、MEO対策で自社情報を上位表示させることには、さらに高い効果を生む面があります。その重要性について見てみましょう。
スマホの利用率が高い
Googleは2015年に「マイクロモーメント」という考え方を提唱しました。「マイクロモーメント」とは、ユーザーが何かを知りたい、見つけたい、欲しいと思ったときに、すぐにスマートフォンで検索する瞬間のことを指します。
欲求が高まった瞬間なので、コンバージョンにつながりやすい傾向があります。Googleは、この瞬間にユーザーにより効率的に情報を提示することを目指しています。
この「マイクロモーメント」の考え方は、スマートフォンの普及とともに浸透していきました。Googleが提唱した2015年の日本のスマートフォン普及率は、総務省「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、60%を超えたところでした。
それが現在では、総務省「令和2年 情報通信機器の保有状況」によると80%を超えています。インターネットの利用が身近になった現在では、いまこれから行動することも、検索対象になったのです。
Googleの調査によると、Googleマップを利用して店舗を検索したモバイルユーザーの50%以上が、検索当日に店舗を訪れています。MEO対策は、このマイクロモーメントにアプローチする手段です。
ポータルサイトへの依存からの脱却
SEO対策の世界では、大規模なWEBサイトや有名な会社のWEBサイトが非常に有利になっています。そのため、店舗を経営している会社や個人が運営するWEBサイトの多くは、SEO対策では上位表示が難しいのが現状です。
その結果として、SEOに強く集客力のあるポータルサイトに店舗情報を掲載して、集客の柱としているケースが多くなっています。しかし、ポータルサイトに掲載するにはコストがかかります。また、ポータルサイトからの集客が定着すると、掲載費用や予約機能利用料など、恒常的に費用を支払わなければなりません。
また、ポータルサイトでは多くの競合と同列に並ぶことになります。競合がポータルサイトでの集客に費用を多くかけるようになると、相対的に自社が目立たなくなるでしょう。一気に集客が難しくなってしまうこともあり得ます。
ポータルサイトへの依存を減らし、その他の手段でも集客できるようにするのが望ましいと言えます。集客チャネルの一つとして、Googleマイビジネス、Googleマップは有効です。その手段がMEO対策なのです。
ユーザーが店舗を見つけやすくなる
MEO対策をすると、SEO以外でもGoogleのサービスで店舗情報が多く表示されるようになります。
まず、Googleマップに大きな影響があります。地図上に店舗が表示されるだけではありません。Googleマップで上位表示されると、店名、写真、クチコミなども大きく表示されるようになります。
また、Googleマップで3位以内に入ると、通常の検索でも効果があります。通常の検索結果よりも上部に、ローカルパックとして表示されるのです。MEO対策には、SEO対策の効果もあると言えます。
しかも、Googleマップ、ローカルパックともに、写真も表示されます。店舗やサービス、飲食店なら料理のビジュアルでも、ユーザーに訴えることができ、クリック率も高い傾向があります。
MEO対策で上位表示させる要素
MEO対策の具体的な方法を見てみましょう。まず、MEO対策で上位表示させるための要素は次の3つであると、Googleマイビジネスヘルプで明記されています。
- 関連度
- 距離
- 知名度
これら3つの要素について確認します。
キーワードとの関連性
まず「関連度」とは、ユーザーによって検索されたキーワードと、Googleマイビジネス内の情報の関連性の高さです。Googleマイビジネスヘルプでは、このように説明されています。
関連性とは、検索語句とローカル リスティングが合致する度合いを指します。充実したビジネス情報を掲載すると、ビジネスについてのより的確な情報が提供されるため、リスティングと検索語句との関連性を高めることができます。
関連性が高いほどユーザーが知りたい情報だと推測できるため、検索結果では上位に表示されます。見られている情報は、Googleマイビジネスのメニュー「情報」に登録された内容です。登録内容や店舗についての掲載情報を、MEO対策したいキーワードを想定して関連させて入力することが大切です。
検索地点からのお店の距離
Googleマイビジネスヘルプでは、このように説明されています。
距離とは、検索語句で指定された場所から検索結果のビジネス所在地までの距離を指します。検索語句で場所が指定されていない場合は、検索しているユーザーの現在地情報に基づいて距離が計算されます。
この説明から、距離は検索結果に2種類の影響を与えていることがわかります。まず基本的には、ユーザーの位置情報を基準に、そこから近いお店が優先されて上位表示されることです。
もう一つは「場所の名前+サービス名」と検索されたような場合です。この場合、指定された場所(例えば渋谷駅)からの距離を見て、近いお店が優先されて上位表示されます。
検索したユーザーとの距離が近いほど有利にはなりますが、もちろん他の要素も関係してきます。単純に近い順に検索結果が並べられるわけではありません。
知名度
Googleマイビジネスヘルプでは、知名度について以下のように説明されています。
知名度とは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、検索結果にはこうした情報が加味されます。たとえば、多くの人に知られている著名な美術館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。
ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も知名度に影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果の掲載順位に影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、掲載順位が高くなります。ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、SEO の手法もローカル検索結果の最適化に適用できます。
多くの人が知っている場所、店舗、ランドマークなどは、当然ながら知名度が高いと判断されます。例えば、有名ガイドブックに掲載されている店舗は有利になります。ただし小規模な店舗でも、クチコミ数や評価数が多い場合ほど知名度が高いと判断されます。こつこつ積み重ねることで知名度を上げられます。
MEO対策で上位表示させるために実施すべきこと
MEO対策の基本的な順位決定要素は先に見た通り、「関連性」「距離」「知名度」の3つです。
原則は、店舗の情報を漏れなく正確にGoogleマイビジネスに登録して関連性を高めることと、多くのユーザーに店舗情報を広めて知名度を向上させていくことです。距離については店舗側で操作できるものではありませんので、MEO対策はできません。
では実際に行うべき施策を確認していきましょう。
Googleマイビジネスの登録を充実させる
MEO対策の基本はGoogleマイビジネスに登録する情報を最適化することです。まずは会社名、店舗名などを正確に漏れなく入力します。Googleマイビジネスの「情報」ページには、下記のような項目があります。
- 会社の正式名称
- カテゴリ
- 住所
- 営業時間
- 特別営業時間
- 電話番号
- ウェブサイトURL
- 属性
また、来店見込みが高いユーザーが検索するであろうキーワードを想定して、Googleマイビジネス内の情報の関連性を高めるのも効果的です。
キーワードとは、ユーザーが検索する語句のことです。例えば、渋谷でクラフトビールが飲めるお店を探す場合には、「渋谷 クラフトビール」と検索する人が多いでしょう。この場合、「渋谷」と「クラフトビール」がキーワードです。ビジネス情報の詳細やメニューの項目に「クラフトビール」と入力しておくことで、店舗情報とキーワードとの関連性が高まります。
NAP情報を統一する
情報を入力する際には、NAP情報が統一されているか気をつけなければなりません。NAP情報とは「Name」「Address」「Phone」の頭文字を取ったものです。
- Name:会社名、店舗名
- Address:住所
- Phone:電話番号
3つの要素が、インターネット上で統一されていなければなりません。例えば、Googleマイビジネスの店舗名と、公式WEBサイトの店舗名が異なる表記になっていると、別々の店舗として扱われてしまうことがあります。
この情報が影響するのは「知名度」です。MEO対策では知名度が高いほど評価されますが、Googleは知名度を測る基準として、ネット上にNAP情報がどれだけがあげられているかを手がかりにしています。NAP情報を統一して1つの店舗として集中させなければ、知名度が分散されて評価が上がらなくなってしまうのです。
適切なカテゴリーを設定する
Googleマイビジネスに登録する店舗が、どのような業種・業態なのかを示すのがカテゴリです。カテゴリはキーワードと並んで検索結果に大きく影響しますので、店舗の事業に適したものを選択しましょう。
カテゴリは「メインカテゴリ」を1つ、「サブカテゴリ」を9つまで設定できます。事業内容に合わせて漏れなく登録することが重要です。実際に選択できるカテゴリの一覧が、Googleマイビジネスの公式ヘルプページに掲載されています。
スプレッドシート内の、シート名「ja」が日本語のカテゴリ一覧です。この中から適したカテゴリを選びます。ただし、実際に行っていない事業内容を登録してはいけません。関係のないカテゴリを追加するとMEO対策にはならないだけでなく、評価を下げることにつながります。
魅力が伝わる写真を掲載する
Googleマイビジネスに限らず、インターネット上では、運営している店舗や、そのサービス内容がわかる写真掲載は非常に重要です。効果的にビジネスをアピールし、ユーザーが実際に来店することを促す効果が期待できます。
Googleマイビジネスヘルプでは、以下の8種類の写真を各3枚以上登録することを推奨しています。
- 外観の写真
- 店内の写真
- 商品の写真
- サービスの写真
- 食べ物や飲み物の写真
- 共有エリアの写真
- 客室の写真
- チームの写真
店舗の形態や業種によっては合わないものもありますが、できるだけ網羅しましょう。自分たちのビジネスを魅力的に伝えて、競合との差別化も図れます。ただし、Googleマイビジネスヘルプでは次のようにも推奨されています。
ピントが合っていて十分な明るさがあるだけでなく、Photoshop などの画像編集ソフトウェアで加工されておらず、フィルタが過度に使用されていない写真を使用します。現場の雰囲気をありのままに伝える画像をお選びください。
必要以上に加工して綺麗に見せるのではなく、店舗の様子や雰囲気が直接伝わる写真を選びましょう。
良い口コミを増やす
良いクチコミを増やすことは、MEO対策で上位表示させること、店舗情報を見たユーザーに来店してもらうこと、両方に効果があります。
まず、クチコミが増えると、店舗の知名度が高いと評価されるようになります。そのため、MEO対策で上位表示されるのです。次に、良い内容のクチコミが増えると、情報を見たユーザーの来店確率が上がります。ユーザーは店舗の発信する情報よりも、第三者のクチコミ情報を信頼する傾向があるので、良いクチコミが多い店舗ならば満足度が高いだろうと判断するのです。
クチコミを増やすことで、これら2つの点が相互に影響しあい、新規顧客の集客につながります。しかし、進んでクチコミの投稿をしてくれるお客様は多くありません。そこで、以下のような手段でクチコミ投稿を促すのがおすすめです。
- 会計の際にクチコミの投稿を直接お願いする
- レジやテーブルに口コミの投稿をお願いするポップを設置する
- クチコミを投稿する画面に直接アクセスできるURLを用意する
ただし、クチコミを投稿してくれた人に見返りとして特典を提供することは禁止されています。Googleによるペナルティを受けてしまうので、やってはいけません。
口コミの管理、返信をする
クチコミを投稿してもらえたら、どのような内容であっても放置せず、丁寧に返信することが大切です。来店や利用のお礼を述べ、新たな提案やおすすめでリピートを促します。
また、MEO対策を継続していくうちに、好意的な内容のクチコミだけでなく、期待しなかった内容の口コミも投稿されることになります。ネガティブな評価やクレーム、いつの間にか発生していたトラブルなどについてのクチコミが投稿されるのです。
この場合にも放置や言い訳などをせず、誠実な対応をしてください。謝罪や改善策などを示し、同様の問題が起こらないよう努力する姿勢を見せましょう。
クチコミはすべてのユーザーが見られるものです。ネガティブなクチコミも見られますが、それに対する店舗の対応も同時に見てもらうことができます。その態度を見た新規ユーザーに好感を持ってもらえるよう、お客様とのコミュニケーションの場にするのが理想です。
常に最新の状態を保つ
Googleマイビジネスの情報は、常に最新の内容を保ちましょう。MEO対策を開始する際に登録した状態のままにしていると、Googleの評価が下がってしまい、検索順位も落ちてしまいます。古い情報なので、現在も正確な内容なのか疑われてしまうためです。
店舗情報を見たユーザーの持つ感想も同様です。古い情報しかない店舗では信頼されませんし、もう営業していないかもしれないと感じられてしまいます。
最低限、店舗情報に変化があったらすぐに更新しましょう。営業時間の変更、メニューやサービスの更新は確実に最新にしておきます。店舗情報に大きな変化がなくても、写真を増やしたり、クチコミに返信することで、ページ更新日を直近にすることができます。
定期的に情報を発信する
GoogleマイビジネスにはSNSのように、店舗からの投稿をユーザーへ配信する機能もあります。この機能を使って、店舗のキャンペーンやイベント、小売店であれば新入荷した商品、飲食店であれば新しいメニューなどの情報を投稿しましょう。
新しい投稿や店舗の最新情報を掲載するとMEO対策にも有効ですので、できれば2〜3営業日ごとに投稿しましょう。継続することで、Googleに常に最新情報を更新するコンテンツと認識してもらうことができ、上位表示されやすくなります。
また、お客様からも、活発な店舗だと感じてもらうことができます。たくさんの商品やサービス、メニューなどを知ってもらうことで、来店可能性が高まります。頻繁な投稿によって、スタッフに対する親近感も生まれます。
定期的に投稿するのは大変ですが、それだけに実行できている店舗は少ないとも言えます。ぜひ頑張って投稿を続けてください。
公式サイトのSEO対策を行う
MEO対策とSEO対策は、評価をするアルゴリズムが異なる、互いに独立したものです。ただし、Googleマップでの表示順位には、公式サイトのSEO評価も影響しています。MEO対策とSEO対策は相互に作用するので、両方を行うことで効果を高められます。
つまり、公式サイトのSEO対策をすることでMEO対策にもなり、Googleマップ上でも上位表示されやすくなるのです。それは、Googleマイビジネスの評価基準の一つである知名度が向上するためです。公式サイトのSEO表示順位が上がれば、それだけ認知度の高い会社や店舗だと判断されます。それによって、MEO対策の順位も上がるのです。
公式サイトの情報とGoogleマイビジネスの情報が、きちんと関連づけられているか意識してください。前述のNAP情報の統一はもちろん、公式サイトにもローカルな情報を含むコンテンツを掲載して、Googleマイビジネスとの関連がわかるようにしておきます。
公式サイトとGoogleマップの紐づけを行う
Googleマイビジネス上の店舗情報と、公式サイトの店舗情報は、NAP情報などを手がかりにGoogleが自動的に行なっています。しかし、より確実に関連性を示すため、Googleマイビジネスと公式サイトを互いに直接紐づけておきましょう。
まず、Googleマイビジネスには、公式サイトのURLを登録する項目があります。そのため、Googleマイビジネスから公式サイトへの誘導は簡単に設定できます。
ただし逆の、公式サイトからGoogleマイビジネスへの誘導は用意されていません。Googleマイビジネスの情報を公式サイトに埋め込んでいく作業が必要となります。
公式サイトの会社情報ページや店舗情報ページには、Googleマップの共有リンクを記載しましょう。公式サイトにGoogleマップを埋め込むことで、店舗の情報が、クチコミや評価も含めて掲載できます。
多言語に対応しておく(海外のお客様向け)
もし店舗のターゲットユーザーの中に外国人旅行者が含まれている場合には、そのターゲットユーザーの使用する言語にも対応するのが理想的です。Googleマイビジネスの情報を、ユーザーの環境に合わせた言語表示ができるようにしておく工夫が必要です。
外国人旅行者が検索に使うスマートフォンなどのデバイス、アプリやブラウザの言語環境は日本語ではありません。その人の母語になっているでしょう。その場合、Googleマイビジネスは、ユーザーの環境にしたがって自動翻訳して表示します。
しかし、Google翻訳と同様に、文章になっていなかったり、意味が変わってしまっている場合もあります。時には翻訳されず、日本語のまま表示されることもあります。
Googleマップの店舗情報から「情報の修正を提案」というページに進むと、複数の言語で店舗名などを設定することができます。最低限、基本情報は他言語化に対応しておくべきでしょう。
また、中国やタイなど、特定の国からの旅行者が多く来店する場合には、手間や語学力は必要となりますが、投稿をその国の言語で行うのも効果的です。
SNSでサイテーションを集める
サイテーションとは、他のWEBサイトで自社や店舗の情報が言及・引用されたものを指します。
SEO対策での被リンクとは異なり、自社や店舗についてオンライン上でどれくらい語られているか、というような指標です。多くのサイテーションを得ている店舗とは、インターネット上の色々なページに情報が載せられている店舗、と言うこともできます。
Googleマイビジネスでは、サイテーションの多い店舗は知名度が高いと判断され、MEO対策の順位が上がります。従って、多くのサイテーションを得ることが大切になるわけです。
インターネット上の多くの場所に自店舗の情報を言及・引用してもらうために、まずはSNSを活用しましょう。
Twitter、facebook、Instagramなどは無料で使えますので、店舗や商品、メニューなどの情報を配信します。関心を持たれて拡散されるだけ、サイテーションが高まります。
ただし、ここでもNAP情報の統一には気をつけましょう。GoogleマイビジネスとTwitterの投稿で社名や店名が異なっていた場合、別の店舗だと判断されて効果を得られないこともあります。
インサイト機能で分析する
Googleマイビジネスには、ページへのアクセスや、ユーザーのアクションなどを計測・分析できるインサイト機能が用意されています。無料で利用でき、MEO対策に役立てることができます。Googleマイビジネスヘルプでは次のように説明されています。
インサイトでは、お客様のビジネス リスティングがウェブ上でどのように検索されたかを確認できます。ビジネス情報の検索には Google 検索や Google マップが使われることが多いため、インサイトではユーザーがそうした Google サービスでお客様のビジネス リスティングをどのように検索し、その後にどのような行動をとったのかに焦点を当てています。リスティングのインサイトに個別にアクセスすることも、まとめてアクセスすることもできます。
インサイトでは、ユーザーがGoogleのサービスの中でどのように検索して、どのように行動して、店舗のページを閲覧したかなどを知ることができます。具体的に計測されている情報は以下のものです。
- ユーザーがお客様のビジネス情報を検索した方法
- 検索クエリ
- ユーザーがお客様のビジネス情報の検索に使った Google サービス
- ユーザーの行動
- ルート リクエスト
- 電話
- 写真
- ビジネスが認知されている要因
MEO対策の目的はGoogleマップやローカルパックでの検索順位の向上です。しかし、順位変動はMEO対策の最終的な効果として出てくるものです。そのため、順位変動に至る各指標の向上をインサイトで計測することで、効率的にMEO対策を進めることができます。
MEO対策の分析ツールの詳細を確認したい方は、下記の記事をご覧ください。
MEO順位チェックツール10選!無料のローカルSEO対策ツールも紹介パソコンでインサイト機能を利用する方法
インサイト機能を利用する手順は以下の通りです。
①Googleマイビジネスにログインする
②インサイトを確認したいビジネスを選択する
③ホーム画面のメニューから「インサイト」をクリックする
まずGoogleマイビジネスにログインします。複数の店舗を登録している場合には、インサイトで確認したいビジネスを選択します。その後、メニューの「インサイト」をクリックすれば、インサイト画面に移行できます。インサイトを使うことができるのは、ビジネスオーナー確認ができている店舗のみです。
スマホでインサイト機能を利用する方法
スマートフォンでインサイトを使う手順は、パソコンとは少し異なります。以下の手順でインサイトへ進めます。
①モバイルアプリを立ち上げる
②Googleマイビジネスにログインする
③インサイトを確認したいビジネスを選択する
④ホーム画面の「閲覧数」などの下部にある矢印記号をタップする
⑤レポートを表示をタップする
操作方法に若干の違いはありますが、機能や項目は同じなのでスムーズに使えるでしょう。
MEOで上位表示するための方法のまとめ
MEO対策は、基本的にGoogleが定め、公開しているルールに沿って行います。大切なのは「キーワードとの関連性」と「店舗の知名度」です。
キーワードとの関連性では、店舗の情報を漏れなく正確に登録することが大切です。そして、多くの人が検索するであろうキーワードを盛り込み、検索される可能性を高めていきます。
店舗の知名度は、オフラインとオンラインの両方で、多くのユーザーに接することで高めていきます。実際に店舗に来てくれたお客様にはクチコミを投稿してもらい、オンラインではSNSなどで拡散してもらえるよう意識しましょう。
MEO対策で上位表示されれば、自然検索よりも上位に表示されます。地域内の競合店舗に対して圧倒的なアドバンテージを得られます。MEO対策は、これまでオンラインでの集客に苦戦していた地域密着型の事業者でも活用できる、スマートフォンが普及した現状に合った集客方法です。
まだMEO対策を行なっている会社や店舗は少ないので、早めに始めることで優位なポジションを確保できます。今後もさらに普及していくことが予想されますので、ぜひ取り組みを開始してください。
もし店舗の運営や他の業務で忙しく、MEO対策に割く時間がないのでしたら、ニュートラルワークスにお気軽にご相談ください。MEO対策をすべて運用する、MEO対策代行サービスもございます。