近年では、ECの市場規模が拡大している影響で、ECサイトを構築する企業が増加傾向にあります。こうした背景から自社でもECサイトの運営を始めようと考えている担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ECサイトを運営してみたいが、「予算申請に伴いランニングコストがいくらになるかわからない」「現在のECサイトの維持費や運営費用が、自社の規模で適切なのかわからない」などといったお悩みを抱えていませんか?
そこで本記事では、ECカートの種類や機能、無料と有料のECカート、選ぶときのポイントを、できるだけ分かりやすく解説します。売上を上げるヒントとして、ぜひ参考にしてください。
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【完全版】失敗しない!ECサイト制作
ECサイト制作で「絶対に抑えるべきポイント」をECサイトのプロが解説!
目次
ECカート・ショッピングカートとは
「ECカート」とは、ECサイトを構築するソフトウェアのこと。ネットショップ上の買い物で必要なシステムを使えるようにするソフトウェアです。ECカートは、「ショッピングカート」とも呼ばれます。自社が運営するECサイトに、ECカート機能を追加するには、ECカートシステムを提供する企業(EC業者)と契約して導入することがもっとも簡単な方法です。
この方法なら、担当者にサイト構築やプログラミングの専門知識がなくても、さまざまな機能を備えたECカートを実装できます。ちなみにECカートシステムは、ECサイトの枠組みとセットになって提供されるケースが多く、ECサイトとカートをそれぞれ個別で作るよりも効率的ですが、カスタマイズの自由度が低いといったデメリットもあります。
ECカートのメリット
ECカートを導入するメリットは、大きく以下の2つです。
- 導入すれば、最低限必要な機能が揃っている
- 初期導入費用・月額費用が安く抑えられる
ECカートの最大のメリットとして、必要な機能がはじめから備わっています。ECサイトをゼロから構築する場合、デザイナーやコーダー、エンジニアなどに依頼する必要があり、工数も費用も高くついてしまいます。ECカートは簡単に導入できるソフトウェアなので、専門的な知識がない方におすすめです。
ほかにも、ECカートは初期費用をおさえた運用が可能です。メールフォームや電話受注、FAX受注までフルセットで用意しようとすると、初期費用が高くなってしまいます。手軽にECサイトを立ち上げたい方にとって、ECカートの導入は魅力的です。
ECカートのデメリット
ECカートのメリットは手軽に始められる点にありますが、デメリットとしては次のような内容があげられます。
- 自由にカスタマイズができない
- サポートがない、またはサポート費用が別途発生する場合がある
- 売り上げが伸びるほど、手数料がかかる
内容はECカートのサービスによって異なりますが、一般的なデメリットについて紹介します。まず、ECカートは必要な機能が備わっている分、カスタマイズの幅は狭まります。ECサイトのUXやUIにこだわりたい方は、自由度の低いECカートはおすすめできません。
ただし、EC業者が提供するサービスによっては、有料でカスタマイズできるサービスが用意されていることもあります。自社がやりたいECサイトの構造によって、選びましょう。次に、サイト運営に関してサポートが必要なときは、別途費用がかかるケースがあるので注意しましょう。サポートの内容や必要な追加費用もぬかりなく、しっかり確認します。
最後に、ECカートを利用すると売り上げの伸び率にしたがって手数料が発生するケースがあります。このケースは特に、初期費用・月額費用に加えて支払うシステムに多く見られます。ECカート導入にあたっては、売り上げ率に伴う手数料にも考慮が必要です。
ECカートの基本的な機能・対応範囲
ECカートは基本的に次のような機能が備わっています。
- 商品情報と画像を表示し、商品ページ作成する
- ネットショップ上で選ばれた商品をカートに入れる
- カートに入った商品の購入手続きをする
- 配送先や配送方法、決済手段を指定する
- 購入履歴を管理する
- 購入者への連絡・コミュニケーションをおこなう
近年では多様化し、これらの機能に加えて、サービスを向上するさまざまな機能があります。
- 購入した商品に応じてクーポンを発行する
- 商品や決済手段に応じてポイントを付与し、管理する
このように、基本的な機能にプラスアルファの機能が備わっているソフトウェアは、「ECプラットフォーム(EC基盤)」とも呼びます。
ECカートの特徴と種類
ECカートの基本的な機能を確認できたところで、ECカートの種類や特徴について、細かく解説します。ECカートは細かく分けると5種類存在します。上から順番に「導入しやすい」順で並べてみました。
- フルスクラッチ
- パッケージ
- オープンソースの利用
- ASPカート
- ECモールへの出店
1.フルスクラッチ
フルスクラッチとは、既存のソフトウェアやサービスを一切利用せず、自社でECサイト・ECカートをゼロから開発するという意味です。そのため、ECカートのデザインや機能、ECサイトの構成を完全オリジナルで設計できます。しかしその分、専門性が高い技術やスキルが求められるうえに、膨大なコストやリソースが必要なので、扱いが難しいです。
2.パッケージ
ECカートのパッケージとは、ECカートに必要な機能がセットになっているパッケージソフトを指します。ソフトを購入すれば、自社で作成した独自のECサイトにECカートを導入できます。ECカートの基礎が準備されているので、必要に応じてデザインや機能をカスタマイズが可能なソフトもあります。
パッケージは、基本的な機能を備えながら、ある程度自由にカスタマイズできるメリットがあります。しかしカスタマイズをおこなう場合、ある程度のプログラミング技術や専門知識が必要です。
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3.オープンソースの利用
オープンソースとは、誰でも無料で利用できるソースを意味します。オープンソースを利用してECカートを導入すると、フルスクラッチやパッケージによる導入と比べて、初期費用を抑えられます。しかしその反面、オープンソースは誰でも利用できるため、セキュリティ面が懸念されます。そのため、脆弱性管理と対策が必須です。
4.ASPカート
ASPカートとは、クラウド上のプラットフォームで利用できるECカートです。ECサイトの構築や運用に必要な機能が備わっており、プラットフォーム自体もレンタルできます。フルスクラッチやパッケージ、オープンソースによるECカートと比較すると自由度は低くなりますが、自社独自で開発する必要がありません。さらに、コストとリソースを削減できる点もあります。
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5.ECモールへの出店
ECサイトにECカートを導入するのではなく、ECモールへ出店するのも手段のひとつです。ECモールとは、ひとつのドメインによる大きなショッピングサイトに、各店舗が商品を出品する、いわば「インターネットの中にあるショッピングモール」です。
具体的に言うと、Amazonや楽天市場がECサイトにあたります。専門的な知識や技術がなくても、手軽に始められるメリットがあります。また、サイト自体の知名度が高いため、集客性が高いのも魅力的です。ただし、サイト内の店舗数が多いため類似商品間での競争率が高くなるのと、売り上げごとに手数料が発生するデメリットを持っています。
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自社に合ったECカートの選び方のポイント
ECカートサービスを取り扱うEC業者は数多くあり、どのサービスがマッチしているか迷うかもしれません。迷わないポイントは、目指す年商や商品アイテム数、用意できるリソースによって注目することです。ここからは、ECカートを選択する際に、押さえておきたいポイントを紹介します。自社の戦略に応じたECカートを選びましょう。
1.事業規模・業態で考える
まず、自社の事業規模や事業形態を軸に考えてみましょう。例えば、年商50億円ほどの大規模なECサイトに成長させたいのであれば、「パッケージ」によるECカートの導入がおすすめです。固定費を確保する予算があれば、サイトをブランディングし、ユーザーにより認知してもらいやすくするためのカスタマイズが可能だからです。
一方で、事業を小規模で抑えたいなら「ASPカート」が適しています。コストを低く抑えつつ、ECカートに必要な機能を備えられます。ECモールのように同業他社との価格競争にもなりにくいです。
また、「自社がどのような業態であるか」「社内でECサイト運営のノウハウをどれほど持っているのか」あらかじめ確認する必要があります。これらがECカートの選び方の軸となります。十分なノウハウがないまま運用してしまうと、集客に伸び悩んでしまいます。
ECモールを利用すれば、モール自体に集客力が備わっているのである程度流入が期待できます。モール側からのアクセス解析やデータの提供、場合によってはサポートサービスまでしてくれるので、心強いです。
ECモール内での価格競争を避けたい場合でも、サポートが充実しているECカートを選べば、固定費やオプション料金が発生する場合がありますが、最短距離で課題解決できるメリットがあります。
2.商材・ブランディングの方向性と競合チェックをする
ECサイトで扱う商材や、ブランディングの方向性も、ECカート選びの基準には必要です。例えば、アパレルのように特定のターゲットに刺さるブランドの世界観をそのままECサイトに反映したい場合もありますよね。
このような場合は、ECカートのデザインやUI・UXにもブランディングを反映させる必要があります。そこで、ASPカートよりもアレンジの幅が広いパッケージが適しています。その一方でターゲット層が広い場合は、ECカートのデザインにこだわる必要はありません。シンプルなデザインでいいのであれば、コストがあまりかからないASPカートで十分だと推測できます。
また、すでにブランドの知名度が高い企業は、ECモールへの出店を考えてもいいでしょう。同業他社との競合を確認し、勝算の見込みがあれば簡単に出店できるECモールがおすすめです。
3.オプション機能を確認する
カートのオプション機能については、EC業者によって定期購入やスマホ対応の可否、決済の種類などの機能が異なります。そのため、自社商品とマッチしているかどうか確認する必要があります。
例えば、シャンプーや化粧品などの消耗品や、サプリメントなどの定期的な購入が望まれる商品を販売する企業は、ページに「定期購入する」ボタンがほしいと考えます。その状況を踏まえ、カートのオプションにも定期購入があるほうが良いと考えられます。
また、ユーザーが快適にネットショップを利用するうえで、スマホ表示に対応している点も重要です。昨今では、電車や休憩時間にスマートフォンでECサイトを閲覧し、そのまま購入するといったケースが増えています。スマホ対応でなければ、購入意欲が消えてしまう場合もあります。
特に洋服や靴などひとつの商品に対して表示する画像が多いECサイトは、PC表示のままスマートフォンで表示すると、文字や画像が小さくて見えにくい時があり、不便に感じる場合もあります。アパレル関連の企業は、スマホ対応ができるかどうかも確認しましょう。
さらに、決済の種類も重要です。ECサイトの決済手段は主に「クレジットカード」「代引き引換」「コンビニ後払い」の3つがあげられるでしょう。ユーザーによっては、希望する決済手段がない場合は、購入を断念してカゴに商品を入れたまま離脱する場合があります。
これをカゴ落ちと呼びます。きちんと購入してもらうためにも、自社商品の顧客のニーズに合った決済手段を用意しておきましょう。
4.決済手段を決める
一般的にECカートで使用される決済手段には、以下の5つがあります。
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
- 代金引換決済
- 後払い決済
- 外部ID決済
それぞれの決済手段について解説していきます。
クレジットカード決済
ECサイトで最も主流の決済手段は、クレジットカード決済です。決済手段の中で最も選択される傾向があるので、優先度が高いと考えてよいでしょう。クレジットカードで購入手続きをすれば、決済完了までスムーズです。
また、ECカートによっては一度登録すれば次回以降の入力は不要にできるので、決済までの手間を省けます。こうした点からも、クレジットカードはECサイトと親和性の高い決済手段であると考えられます。なので、商品のジャンルを問わずクレジットカード決済の導入検討は必須です。
コンビニ決済
コンビニ決済とは、決済手続き後にコンビニで代金を支払う方法です。クレジットカード決済が主流とされているなかで、クレジットカードを持っていないユーザーも存在します。特に、クレジットカードを作れない高校生などの若い世代は、コンビニ決済を選択する傾向にあります。なので、高校生をターゲットにした商品を展開するECサイトは、導入すべき決済手段です。
代金引換決済
代金引換決済は、商品を受け取った後にユーザーが流通会社に代金を支払う方法です。ユーザーにとっては、コンビニ決済のように代金支払いのために出かける必要がないメリットがあります。
後払い決済
後払い決済は、ユーザーが商品とともに受け取った振込用紙から代金を支払う方法です。ユーザーにとっては商品を確実に受け取れる安心感があります。しかしユーザーが代金を支払わなかった場合、負債を抱えるリスクが生じ、代金回収業務の別途費用が発生します。その点を踏まえ、後払い決済については、導入の際は慎重に検討する必要があります。
外部ID決済
外部ID決済は、Amazonや楽天市場で登録している会員情報と連携し、決済する方法です。利用者数の多いECモールの顧客情報をそのまま反映してくれるので、ユーザーにとってはクレジットカード情報や住所の入力を省略できるメリットがあります。特に多くの新規顧客の獲得をメインとする企業は、外部ID決済がおすすめです。
5.システムが安定稼動するか確認する
システムが安定して稼働できるかどうかも確認しておきましょう。サービスの提供元の企業が安定的な事業運営ができていないと、突然サービスの提供が終了するケースもあるので、注意しましょう。
実際に、知名度の高いECカートシステムが突然サービスの提供を終了してしまった事例があります。このようなケースに遭遇してしまった場合、一度導入したシステムを別のシステムへ移行する作業が発生するのです。移行する費用や移行期間、さまざまな微調整をおこなう必要があるので、かなり時間を要するほかリソースがかかります。
そうならないように、安定稼働するかを見極めるには、提供元企業の規模や直近数年間の成長率などが参考になるので、必ずチェックしましょう。
6.費用面の確認をする
システムの導入にかかる費用も、忘れずにチェックしましょう。ECカートは、無料版と有料版の2種類があります。無料版では機能制限がありますが、有料版はカスタマイズ性、サーバー容量などの自由度が高くなります。
さらに有料版の場合、初期費用や月額費用が数千円~数万円とラインナップが豊富なので、どのプランが合っているか見極める必要があります。サイトに登録する商品数や会員数によってプランが異なったり、費用が変動するので細かく確認しましょう。プランや費用を検討するときには、商品数や会員数が将来的に増えるプランを想定しながら選びましょう。
7.自社の業態が「BtoB」か「BtoC」かで選ぶ
自社がBtoB事業か、BtoC事業かで選ぶべきECカートが変わります。業態によって必要なカート機能に差があるため、間違うと取引に支障が出るおそれがあります。BtoBのECカートには以下のような機能が必要です。
- 企業情報の管理
- 掛け売り
- 卸価格非表示
- 複数の卸価格表示
- ボリュームディスカウント
BtoBに特化したECカートを選べば、上記のような機能も簡単に備えられます。まずは自社サイトのターゲットが企業か個人かで選ぶECカートを絞りましょう。一般的によく知られているECカートは、BtoC事業を前提に作られています。自社がBtoBの取引をメインとする場合、BtoBに対応したECカートで絞り込むと選定がスムーズになります。
8.集客サポートの有無を確認する
集客サポートがあるECサイトを選ぶ方法もあります。ECサイトを立ち上げて、まず最初に力を入れたいのは集客です。自社ECサイトは、モール型ECのように大きな集客力を持たないので、自力で顧客を集める必要があります。
集客機能やサポートがECカートに備わっていれば、マーケティングにかけるリソースを大きく削減できるので、効率的です。特に総合通販型のサイトは、集客機能に優れているASP型のECカートを使うのがおすすめです。立ち上げたばかりで知名度のないECサイトでも、比較的見込み客を集めやすくなります。
一方定期購入型のECサイトの場合は、LP作りや広告運用の仕方で集客力が左右されるため、ECカートの集客機能はそれほど役に立たないかもしれません。このように、自社サイトがどのようなタイプのECサイトなのかによって、集客サポートの必要性が変わります。この点を踏まえて確認や検討をしてみてください。
9.注文時のオプションが選べるか確認する
扱う商品によっては、注文時のオプション選択が必要になる場合もあります。たとえば、靴をECサイトで購入する場合、同じデザインの商品の注文オプションから色やサイズを選択するのが一般的です。色やサイズごとに1つの商品ページが用意されていると、探すのに手間がかかるだけでなく、販売側が商品登録をするのも一苦労。
そのため、同じ商品に色やサイズのバリエーションがある商品は、注文時のオプション選択ができるECカートが必要です。自社で扱う商品に合ったオプション選択ができるかという点も、忘れずに確認しましょう。
なお、BtoBの場合、長さや重さ、個数を指定する量り売り商品を扱う企業もあります。このようなケースでは、独自の注文オプション選択ができるカートシステムが必要になるケースもあるでしょう。場合によってはECカートのカスタマイズや自社開発など、別途対応しなければなりません。
10.独自ドメインの取得可否を確認する
ECカートには、独自ドメインを取得できるサービスと、ECカートのサブドメインを利用するサービスがあります。独自ドメインは、いわゆる「インターネット上の住所」です。「https://〇〇〇.com/」の〇〇の部分が独自ドメインです。
独自ドメインを取得できないECカートの場合は、自社ECサイトのドメインは、ECカートのサブドメインになります。ECカートのサービス名が、自社のECサイトのURLの中に入ってしまうのです。
【例】https://〇〇〇.✕✕✕.jp/
※企業で決めたサブドメインの後に、ECカートのドメインが入る)
ECサイトは、将来性やブランドイメージの点から見ても、独自ドメインで運営するよう推奨されています。独自ドメインを取得できるかどうかは、最初に確認しておくようにしましょう。無料のECカートはサブドメインにもなりますが、オプションの利用や設定変更によって独自ドメインを取得できます。
2022年ECカート10社を徹底比較
カートの種類について解説しましたが、ここからは2022年最新版のECカート(ASPカート)を費用別に紹介します。自社に合う特徴を持ったサービスを選べば、売り上げアップにつながります。
無料ECカート比較表 | |||||
---|---|---|---|---|---|
カート名 | 初期費用・月額費用 | 決済手数料 | 実績 | サポート | 特徴 |
BASE | 無料 | 3.6%+40円 | 国内170万店舗以上 | メール/チャット | ・販売手数料+3% ・有料のオプションApps(拡張機能)あり |
STORES | 無料 | 5% ※スタンダードプランは3.6% |
毎月1万店舗以上が誕生 | メール | ・販売手数料無料 ・12種類の決済手段 |
easy my shop | 無料 | 5%+40円 | 国内5,000店舗 | メール | ・イージペイメント対応 ・オーダーメイドや注文時オプション選択に強い |
おちゃのこネット | 無料 (お試し期間終了後有料) |
3.50%(クレジット決済の場合) | 国内9,000店舗以上 | メール | ・ポイントやクーポン付与機能 |
Shopify | 無料 (14日間の無料体験終了後有料) |
3.4~4.15% | 世界175カ国・総流通額2,000億ドル | メール/コミュニティフォーラム | ・越境EC ・6,000種類以上のアプリ |
有料ECカート比較表 | |||||
---|---|---|---|---|---|
カート名 | 初期費用・月額費用 | 決済手数料 | 実績 | サポート | 特徴 |
futureshop | 初期費用22,000円(税込)~ 月額費用 22,000円(税込)~ |
Visa/Mastercard:3.2% JCB/AMEX/Dinners:3.5% |
・サービス開始19年目 ・継続利用店舗平均成長率153% |
メール/電話/説明会/Webミーティング | ・ブランディング強化機能 ・CRM ・Web接客 |
Makeshop | 初期費用 11,000円(税別)~ 月額費用 11,000円(税別)~ |
3.19~3.49% | 店舗実績 10,000社以上 |
メール/電話/掲示板/セミナー | ・BtoB対応 ・単品通販、サブスク、D2C対応 ・越境EC |
カラーミーショップ | 初期費用 3,300円~ 月額費用 4,950円~ |
4%~(クレジットの場合) | ・大手GMOが運営 ・40,000店舗以上 |
メール/電話/アニュアル動画 | ・本格的なECカート機能が低価格で使える |
e-shopsカートS | 初期費用 10,000円(税込)~ 月額費用 3,500円(税込)~ |
3.25%~ | ・10,000店舗以上 | メール・電話・Webマニュアル | ・多様な業態に対応 ・テイクアウトやオンラインセミナーのカート機能としても使用可能 |
ショップサーブ | 初期費用15,000円(税別)~ 月額料金 22,000円~ (税別) |
VISA/MASTER : 3.675% JCB/AMEX/Diner : 4.725% |
・22年間5万社のノウハウで運営 | ・テクニカルサポート ・ビジネスサポート(専任担当者制) |
・CRM(顧客管理システム)が強い ・大規模ECサイトもOK ・豊富なAPI |
無料カートの特徴
無料カートの特徴は、初期費用や月額費用をかけずにECサイトをオープンできます。サービスによっては固定費をかけずに運用できます。無料カートは副業で始めたい方や、実際にECサイトを運用しながら学んでみたい方におすすめです。
一方で、無料カートは有料カートに比べて使用できる機能は劣っています。上記の表のように、サービスによっては決済手段や配達指定方法などの選択ができません。また、サポート窓口がメールやチャットのみというところが多いです。この場合、連絡をしてもレスポンスが遅かったり、文面では問題をうまく伝えられないケースもあるので、注意しましょう。
有料カートの特徴
有料カートの特徴のひとつは、機能が豊富なところです。無料カートでは決済手段や配達指定方法を選択できない場合が多いですが、有料カートはカバーしています。それだけでなく、アクセス解析やプロモーション面でのサポートも手厚いので、集客・売上をアップできます。
また、無料カートでのお問い合わせ窓口はメールやチャットがメインでしたが、有料カートは電話で受け付けてくれます。その場で担当者につながり、文面ではなく言葉でコミュニケーションが取れるのは、ECサイトを運用する上で心強いでしょう。
有料カートのデメリットは、固定費がかかる点です。機能やサポートが充実している分、初期費用や月額費用を払わなければなりません。有料カートは予算を確保でき、ECサイト運営に自信がない方にはおすすめです。
無料ECカートのおすすめサービス比較5選
ここからは、無料で利用できるおすすめのECカートサービスを紹介します。初期費用が無料で始められるサービスは、初めてカートを導入する方や、個人事業主としてECサイトを運用したい方におすすめです。
1.BASE(BASE株式会社)
引用:BASE
BASEは、BASE株式会社が運用しているカートサービスです。BASEは現在、140万ショップに利用されていて、国内でも有数の導入実績があります。
BASEの特徴は、商品のカテゴリごとに対応されたショップデザインを選択できる点です。ファッションやフード、雑貨といったカテゴリに適したテーマが用意されているので、好きなテーマを選び、お好みのデザインにカスタマイズできます。
また、初期費用・月額費用が無料なので、気軽に始められます。売り上げが発生した時点で各注文ごと手数料がかかり、決済手数料は3.6%+40円、販売手数料は3%となっています。
完全無料から始められるBASEは、初めての方でも安心して利用できるECカートです。ショップデザインも簡単に選択でき、開設したその日から、すぐに販売できます。ECサイトを初めて運営するという方や、ハンドメイドのアクセサリーやオリジナルグッズを販売したい個人事業主の方におすすめです。
2.STORES(ヘイ株式会社)
引用:STORES
STORESは、ヘイ株式会社が運用しているサービスです。カートサービスのほかに、キャッシュレス決済「STORES 決済」、オンライン予約システム「STORES 予約」などのデジタルサービスも展開しています。
STORESは、パソコンとスマートフォンのどちらからでも、デザインをカスタマイズできます。テンプレートが48種類も用意され、すべて無料で使用できるのも魅力的です。そこからさらにカスタマイズが可能で、HTMLやCSSの知識がなくても簡単に操作できます。ブランドの世界観を反映させたい方にとって役立つ機能です。
さらにSTORESでは、Instagramとの連携が可能な点にも注目を。Instagramアカウントと連携すれば、Instagramにアップしている写真をそのまま商品画像として使用でき、運用の手間を省けます。
費用は初期費用・月額費用が無料で、固定費がかかりません。また、販売手数料も無料です。決済手数料は5%と、他のASPカートに比べて高めの設定ですが、スタンダードプランに変更すると3.6%になります。
STORESは特に、Instagramからの流入が多い方やデザインが重視される商品を販売したい方におすすめです。ファッションやコスメ、アクセサリーのような商品は、Instagramでチェックする方が比較的多いので、見込み客が取り込みやすくなります。
3.easy my shop(株式会社システムリサーチ)
引用:easy my shop
easy my shopは、株式会社システムリサーチが運用しているカートサービスです。愛知県名古屋市に本社を構える独立系SIベンダーで、その歴史は35年以上を誇っています。
ここのサービスの特徴は、セット販売ができる点です。セット販売とは、単品商品をセットで購入すると、任意のパーセンテージで値引きができる販売方法です。セット販売でお得感を演出し、ユーザーの購買意欲を刺激できます。
また、easy my shopのカートはオーダーメイド商品に強いのも特徴のひとつです。注文した商品にネーム入れたり、条件付カスタマイズできます。複数の商品を注文してもそれぞれのアイテムに対応が可能です。
easy my shopは、4種類の料金体系があり、無料版では初期費用・月額費用が無料で始められます。販売手数料が無料である分、決済手数料は5%+40円とやや高めとなっています。
easy my shopは、セット注文がしやすい飲食系の商品を販売している方におすすめです。カフェメニューであれば、ドリンクとケーキを単品でもセットでも出品できます。また、ネーム入れができるギフト系の商品にも合っています。
4.おちゃのこネット(おちゃのこネット株式会社)
引用:おちゃのこネット
おちゃのこネットは、おちゃのこネット株式会社が運用しているサービスです。ホームページ作成サービス「おちゃのこさいさい」や、メールマーケティングの「オートステップメール」などのサービスも展開しています。
おちゃのこネットは、ポイントやクーポン機能の設定が可能です。金額によって付随するポイントの設定や割引クーポンを発行できるので、ポイントやクーポンを設定すれば、ユーザーのリピートを見込めます。
「Startup Plan」「Basic Plan」「Advanced Plan」と3種類の料金プランがあり、Startup Planでは初期費用と販売手数料が無料です。商品販売数が100個を超える場合は、Basic Plan以上のプランを検討するといいでしょう。
おちゃのこネットは、ポイント・クーポン機能を利用したい方におすすめです。特にコスメやサプリメントのような繰り返し使う消耗品であれば、ポイント制の活用によりリピートの見込みが高くなります。
5.Shopify(Shopify Japan 株式会社)
引用:Shopify
Shopifyは、Shopify Japan 株式会社が運用するサービスで、世界シェアNo.1を誇っています。2004年にカナダでShopifyが創業し、2017年に日本法人ができました。
Shopifyの最大の特徴は、越境ECに挑戦できる点です。Shopifyは世界175ヶ国以上で利用されているサービスで、世界各国の言語に対応しています。決済方法や各国の税率もカバーしているため、経験や知識がなくても導入できます。
また、操作性がシンプルで使いやすく、テンプレートを選んで画像やテキストを差し替えるだけなので、EC初心者の方におすすめです。Shopifyにはサーバーも用意されており、サーバーの契約や管理が不要なので、簡単に始められます。サーバーが落ちにくいという評判があり、アクセスが集中したときも安心です。
Shopifyは14日間の無料トライアルが可能となっており、トライアル後は月額$29から始められます。月額料金がかかるカートの中では比較的コストは低いです。越境ECに対応しているため、Shopifyは海外への出品を考えている方にぴったりです。世界シェアNo.1を誇っているサービスなので、安心して始められます。
Shopifyのサイトで詳細確認
Shopify(ショッピファイ)とは?機能やコスト、メリットを解説
世界中のECサイトで爆発的に導入が増えているShopify(ショッピファイ)をご存知でしょうか?「アマゾン・楽天キラー」と呼ばれるのはなぜか、Shopify導入のメリットや機能、使い方を解説します。
有料ECカートのおすすめサービス比較6選
ここからは有料で利用できる、おすすめECカートを6つ紹介していきます。初期費用が有料のカートは、機能が充実しているサービスが多いです。商材やブランディングの方向性と合うサービスを選びましょう。
1.futureshop(株式会社フューチャーショップ)
引用:futureshop
futureshopは、株式会社フューチャーショップが運営しているカートサービスです。株式会社フューチャーショップは「LogiMoPro」と連携を開始し、クラウド物流アウトソーシングも可能となっています。
futureshopは実店舗とECサイトの連携を強化するシステムが充実しています。例えば、Futureshopのカートでは「実店舗在庫表示機能」の追加が可能です。実店舗での在庫をECサイトでも確認できるので、「ECサイトでの購入」「実店舗へ足を運んでもらって購入」といった選択肢が広がり、宣伝力が上がります。
プランは5つあり、出品数によってグレードが上がってきます。出品数上限が50商品と最も低いプラン「50」では、初期費用22,000円(税抜)、月額費用22,000円(税抜)からスタートできます。こちらは月契約時の金額で、年間契約にすると月額費用が20,750円と安くなります。
固定費はかかりますが、オプション機能として扱われがちなドメイン取得や更新が無料で使えるなど、お得なサービスもついています。
Futureshopは、実店舗を持っている方におすすめです。在庫機能表示によってユーザーが頻繁に利用する店舗の在庫を表示したり、在庫がある店舗を表示したりできます。これにより、ECサイトを利用するだけで完結せずに「実店舗へ足を運んできてもらう」といったケースも実現できます。
2.MakeShop(GMOメイクショップ株式会社)
引用:MakeShop
MakeShopはGMOメイクショップ株式会社によるカートサービスで、年間総流通額が9年連続で、業界No.1を誇る実績を持っています。
特徴の一つとして、集客ツール「アイテムポスト」が利用できます。アイテムポストとは、多くのユーザーが利用する大手サイトに自社商品を掲載し、独自のECサイトへ集客できるサービスです。さらに、SEO設定が簡単にできるので、専門的な知識がなくても安心して運用できます。
MakeShopは、初期費用11,000円(税込)、月額費用11,000円(税込)から始められます。最安値のプランでも「掲載可能商品数10,000点」という、他のECカート企業と比べて比較的多く掲載できます。またオプションなしでメルマガ機能が付いていたり、独自ドメイン設定が可能であったりするなど、サービスが充実しています。
さらにMakeShopにはBtoBオプションがあり、法人取引に特化したBtoBカートも存在します。BtoB販売に必要な機能がパッケージとなっているので、お得です。MakeShopは集客に力を入れたい方におすすめのサービスです。大手サイトから経由してECサイトに集客可能な「アイテムポスト」や、自動的にできるSEO設定によって知識がなくても集客ができます。
3.カラーミーショップ(GMOペパボ株式会社)
引用:カラーミーショップ
カラーミーショップは、GMOペパボ株式会社が運営しているECカートです。「インターネットで可能性をつなげる、ひろげる」をモットーに、イベントやWebクリエイター育成支援に取り組んでいます。
カラーミーショップの特徴は、簡単にショップが作れる点にあります。例えば「どこでもカラーミー」機能では、管理画面で発行したJSコードを貼るだけですでに持っているブログをショップにできます。固定費は、初期費用3,300円・月額費用4,950円です。また販売手数料が無料なので、他の有料カートに比べてコストを抑えた運用ができます。
カラーミーショップは、無料カートでは満足できなかった方や、本格的なECサイトを低価格で制作・運営したい方におすすめです。有料カートの月額費用が10,000円からスタートするサービスが多いなか、3,300円と安く設定されています。無料カートにはない独自ドメイン設定やアクセス解析機能が付いているなど、充実しています。
4.ecforce(株式会社SUPER STUDIO)
引用:ecforce
ecforceは株式会社SUPER STUDIOが運営する法人向けECプラットフォームです。ECの立ち上げから運用、売上を最大化するすべての機能を提供しています。
ecforceは売上・利益を最大化させるための機能が豊富に実装されており、フォーム一体型のLP(ランディングページ)やCVR(コンバージョンレート)を向上させるEFO(エントリーフォーム最適化)が標準搭載されています。
セット販売機能やアクションオファー機能など、アップセル・クロスセルを図る機能もあり、顧客単位で売上を最大化できるのが特徴です。
またサポート体制も充実しており、平均2名の専任スタッフがEC運営のサポートを行います。
料金体系は通常導入プランの2種類、移行プランの1種類があり、詳細はブランドサイトのお問い合わせから確認できます。
5.e-shopsカートS(株式会社ハンズ)
引用:e-shopsカートS
e-shopsカートSは、株式会社ハンズが運用するサービスです。導入実績数は1万店舗以上を誇っています。サービスの特徴は、さまざまな販売形態に対応している点です。例えば、カタログでの販売、ダウンロード形式の販売、予約による販売などがあります。さらに、実店舗に嬉しいテイクアウトやオンラインセミナーなど、幅広く活用しやすいEC構築システムです。
e-shopsカートSには3つのプランがあります。最も安い「スタンダード」プランの場合、初期費用は10,000円(税込)、月額費用は3,500円(税込)です。販売手数料は無料で、電話サポートが付いていたり、スマホに対応したカートが使えたりするなど、スタンダードプランでも十分活用できます。
e-shopsカートSは、店舗や通常のネットショップのような販売方法だけでなく、販売形態を広げたい方におすすめのカートです。30日間の無料お試し期間があるので、まずはお試しでやってみるのもありです。
6.ショップサーブ(株式会社Eストアー)
引用:ショップサーブ
ショップサーブは、株式会社Eストアーが運用しているECカートです。ショップサーブは、他社に負けないほどの手厚いサポートがあります。月に一度報告してもらえる運営レポートでは、売り上げやアクセスの変化をレポートにまとめて報告してくれます。独自の解析ができなくても月々の変化や改善方法を提案してくれるのは、ECサイトを運用するうえで大変役立つサービスです。
月額費用はオプションなどにより異なりますが、開通料(初期費用)15,000円(税抜)、利用料22,000円〜(税抜)となっています。
ショップサーブは本格的にECサイトを運用したいけど、ノウハウがないという方におすすめです。専門知識がないままサイトを運用してしまうと、改善点はどこか迷ってしまいます。他社のサービスに比べて料金体系はやや高めの設定ですが、売り上げアップをするための専門的なアドバイスを受けられる点は、事業を運用するうえで欠かせない要素です。
ECサイトのカートの種類についてのまとめ
ECカートをうまく活用しながらECサイトを運用できれば、売上アップが期待できると同時に、宣伝力を高める絶好の機会になります。この効果をよりアップさせるには、適切なショッピングカート機能選びが非常に重要です。カートには、気軽に導入ができる固定費無料のサービスと、機能が充実している有料サービスのどちらもあります。
どちらにもそれぞれメリットとデメリットがあり、適切なカートは企業や個人によって異なるでしょう。
事業規模・業態や商品・ブランディングの方向性、取り扱っている商品に合わせて、適切なカートを選べるといいですね。また、カートのオプション機能や決済手段の確認も大切です。特に決済手段は利用ユーザーが望む方法を用意しておけば、決済までのプロセスをノンストレスで進められます。
ECカートについて不明点やさらに深く知りたいなどのご要望がありましたら、ニュートラルワークスにご相談ください。各業界のECサイトはもちろん、企業のさまざまなウェブサイト構築支援、運用支援を多数おこなっており、無料相談を受け付けています。
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