Google広告には、ユーザーに対してより多くの情報を伝える広告表示オプションが用意されています。その一つである「画像表示オプション」は、2021年5月にリリースされました。画像表示オプションをうまく使うと、CTRやCVRの向上につながります。
そこでこの記事では、画像表示オプションの概要とメリット、入稿規定や設定方法を詳しく解説します。「検索広告を目立たせたい」「画像表示オプションについて詳しく知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
監修者
Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。
■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO
■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告
■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格
執筆者
株式会社ニュートラルワークス
QUERYY(クエリー)編集部
QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。
目次
画像表示オプションとは、Googleの検索結果に、テキスト広告と共に画像を表示できる機能のことです。リスティング広告で従来から表示されていたテキストの右側に、正方形や長方形の画像が加わります。Googleによると、画像表示オプションの導入によって、クリック率が10%以上改善したとされています。
リスティング広告とは?特徴や費用、運用方法を解説
リスティング広告の基本的な知識から効率のいい運用方法、成果を出すためのポイントをご紹介します。
画像表示オプションを使用するメリットは、従来の広告テキストに加えて、画像が表示されることから生じます。主なメリットは、以下の3つです。
リスティング広告は以前まで、テキスト情報のみで構成されており、検索結果表示に埋もれやすい状態でした。そのため、広告もビジュアルでユーザーの視覚に訴える必要がでてきましたが、画像表示オプションを用いれば、画像を表示されることで視認性が上がり、ユーザーの目を引きつけられます。
通常のリスティング広告や検索結果のリストはテキストのため、表示されるタイトルや文から情報を読み取ります。それに対し、画像表示オプションは、広告に関連性の高い画像を通してユーザーにイメージを伝えやすいです。
画像でユーザーに働きかけることで、文字を読むより理解が早まります。画面内で最初に目にとまることに加えて、広告文を補強してより詳しく伝えることもできます。
画像表示オプションによって、検索結果の画面内で競合との差別化が図れます。ユーザーはGoogleで検索をした後、自分の目的に合ったコンテンツを探し、そのページに移動します。
つまり、Googleに広告を出稿する際は、画面に並んだ検索結果と広告の中から、ユーザーに選んでもらう必要があるのです。その点、テキストだけの広告よりも、画像が表示されている広告のほうが目を引きやすく、視覚的にも内容を理解しやすくなります。
画像表示オプションを使用するには、Googleが指定した要件を満たす必要があります。要件は以下のとおりです。
アスペクト比 | スクエア(1×1):必須 横向き(1.91×1):任意(推奨) |
画像解像度 | スクエア(1×1):300×300ピクセル・1,200×1,200ピクセル 横向き(1.91×1):600×314ピクセル・1,200×628ピクセル |
ファイル形式 | PNG、JPG、静止GIF |
ファイルサイズ上限 | 5,120 KB |
推奨される画像のセーフエリア | 重要なコンテンツを画像の中央寄り 80% 以内に配置する。 |
画像表示オプションでは、広告のキーワードと関連性が高い画像を20枚までアップロードできます。画像のサイズや仕様には厳格な規定があり、それを満たさなければ承認されません。画像制作時は以下の仕様を守ってください。
PNG、JPG、静止GIF
スクエア:1×1
横向き:1.91×1(推奨)
スクエア:最小300ピクセルx300ピクセル、推奨1,200ピクセルx1,200ピクセル
横向き:最小600ピクセル×314ピクセル、推奨1,200ピクセル×628ピクセル
5,120 KB
重要なコンテンツを画像の中央寄り 80% 以内に配置する。
出典:Google広告ヘルプ「画像表示オプションについて」(参照:2023年3月27日)
画像表示オプションで使用できる画像は、広告のキーワードとの関連性が高いもののみと定められています。そのため、広告で扱う商品やサービスが明確でなかったり、イメージが異なる画像は承認されません。Googleは具体例として以下をあげています。
テキスト、またはグラフィックのオーバーレイを含む画像は使えません。例えば、商品画像にテキストで説明文を重ねるような画像です。また、ブランドのロゴを含む画像や、ブランドのロゴをそのまま画像にしたものも使えません。
空白部分が過度に多い画像や、商品やサービスの内容を示せない画像も使用できません。
複数の商品を並べて表示するような、撮影後の編集でコラージュ化または結合された画像は使えません。ただし、絵葉書や印刷カタログのように、商品やサービス自体が元々コラージュになっているなど、自然なものは使用可能です。
焦点があっておらず内容を識別できない画像、隠されているように見える画像は承認されません。
画像処理や編集フィルターによって、画像に変形や歪みがあり、何を示しているのか分かりにくくなってはいけません。
画像の一部だけが切り抜かれていたり、拡大されていたり、全体が見えないために何を示しているのか分かりにくいものも使用できません。
出典:Google広告ヘルプ「画像表示オプションのフォーマットの要件」
ヌード描写のある画像、性的な示唆を含む画像は承認されません。
例えば、リゾート地の広告であっても、肌の露出が多い水着の画像を使うことはできません。芸術的な意図の画像であっても同様です。ただし、衣類をモデルが着用しているものでも、肌が過度に露出されていなければ認められます。
また、水着や下着であっても、その商品だけが撮影されている画像や、マネキンを使用した画像ならば使えます。
画像表示オプションの設定方法は、以下のとおりです。
もっと詳しく手順を知りたい方は、YouTubeの動画を見てみてください。
英語で解説されていますが、設定で字幕を日本語に翻訳すれば内容も分かりやすいです。
出典:YouTube「Google Ads Tutorials: How to set up Image Extensions」
画像表示オプションでは、表示される画像によってユーザーの反応が異なります。
画像を通して、ユーザーにその商品やサービスの魅力を伝えることが大切です。そのためには、ユーザーが実際にその商品やサービスを使っている場面をイメージしやすい画像が有効です。
ジムであればトレーニングしている画像や、ヨガやスタジオレッスンなどの楽しさが伝わる画像が良いでしょう。結婚式場やウェディングサービスであれば、式中の幸せな様子の画像が効果的です。また、洋服などの商品であれば、実際に着ているモデルを撮影することで、使用イメージが伝わります。
「電動ドリルを買う人は、道具が欲しいのではなく穴が欲しいのだ」という有名な例があります。ユーザーにとっては商品やサービスそれ自体ではなく、その商品を利用した後に得られるものが大切なのです。そのため、画像表示オプションも、商品やサービスを利用した後で得られる効果がイメージできる画像が有効になります。
例えば、ジムの広告であれば、綺麗に引き締まったボディラインの人や、たくましく筋肉がついた人の画像があげられます。商品やサービスにお金を使うことには不安が伴うものなので、効果をイメージしてもらうことでユーザーに安心感を与えることができるのです。
画像表示オプションと似た機能に、動的画像表示オプションがあります。広告に画像が加わる点では同じですが、動的画像表示オプションでは、広告のランディングページから自動的に関連性の高い画像がピックアップされ、広告に表示されます。
テキストだけでは伝えにくいビジュアル情報を追加することで、広告の効果を高められることは、画像表示オプションと同様です。
また、ランディングページをプレビュー的に見せることにもなるので、ユーザーが商品やサービスを理解しやすい点もメリットといえます。なお、設定するだけで自動的にランディングページから関連性の高い画像が抽出されるため、人的リソースが少なくても運用できることが特徴です。
ただし、画像表示オプションが設定されている場合は、画像表示オプションが優先されます。画像を作り込んで設定できることや、各画像ごとに効果測定ができるため、画像表示オプションのほうがきめ細かい運用が可能です。
動的画像表示オプションを使用するためには、2つの設定方法があります。
画像表示オプションと動的画像表示オプションを両方とも有効化している場合、画像表示オプションが優先されます。
ただし、動的画像表示オプションがまったく表示されないわけではありません。運用結果に従って、効果の高かったほうが次第に優先される仕組みです。そのため、Googleは画像表示オプションと動的画像表示オプションの併用を推奨しています。
画像表示オプションは、設定方法も簡単で広告のクリック率も向上させられる、非常に便利な機能です。検索結果画面でユーザーの目を引くことができ、商品やサービスの魅力を視覚的に伝えられます。リスティング広告でありながら、画像を追加することでディスプレイ広告的な効果を追加できるともいえるでしょう。
ただし、画像を作り込んだり、効果測定を行ってブラッシュアップするには、時間とノウハウが必要です。自社内で人的リソースを確保してデータを蓄積できれば良いのですが、手が回りきらないことも多いでしょう。
そのような場合は、ぜひニュートラルワークスにご相談ください。広告運用、デザインや画像制作、その先のLP改善まで、幅広い専門家がお手伝いいたします。