マーケティング

最終更新日: 2023.12.19

企業のSNS運用とは?メリット・デメリット、成功事例を解説

企業のSNS運用とは?メリット・デメリット、成功事例を解説

現代のビジネスにおいて、SNSは欠かせない存在となりつつあり、SNSを活用したマーケティングやコミュニケーションの手段を模索する企業は少なくありません。

しかし、SNSを初めて運用する企業にとっては、具体的な運用方法が分からず、運用に苦戦するケースが多い傾向にあります。

そこでこの記事では、企業におけるSNS運用のメリット・デメリット、運用のコツを解説します。あわせて、SNS運用の成功事例やSNS運用代行会社の選び方についても触れていますので、ぜひ最後までお読みください。

石田 哲也

監修者

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格

QUERYY(クエリー)編集部

執筆者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

企業におけるSNS運用とは

企業におけるSNS運用とは

企業におけるSNS運用とは、企業がSNSを通じて顧客とコミュニケーションを取り、商品やサービスの認知拡大、ブランディングを図るマーケティング手法のことです。

SNS運用には、日々の投稿だけでなく、コメントやDMへの返信、データ分析、コンテンツの準備といった業務が必要となります。

「SNSマーケティング」「SNS広告運用」との違い

SNSマーケティングは、SNSを活用したマーケティング手法全体を指し、SNSアカウント運用はその中の一つの手法です。

また、SNS運用は、顧客と双方向のコミュニケーションを取るのに対し、広告運用は自社のターゲットに広告を配信し、認知獲得やサイトへの流入を図る手法です。

企業の中は、SNSの運用だけを行う場合もありますが、広告運用と組み合わせることで、認知拡大に力を入れることもできます。

企業におけるSNS運用のメリット

企業におけるSNS運用のメリット

企業がSNSを運用するメリットとして、以下の3つがあげられます。

  • 認知拡大ができる
  • 低コストで始められる
  • 購買行動に影響する

認知拡大ができる

認知拡大とは、企業の商品やサービスなどについて、理解度を高めるための施策のことです。

例えば、Twitterを運用する場合、フォロワー数を増やすことで自社に興味を持つ人が増え、理解度が深まった結果、購入や利用につながる可能性があります。

また、「リツイート」や「シェア」などの拡散機能により、自社の投稿が広まると多くの人に見てもらえるようになり、新たな潜在顧客を獲得できる可能性もあるでしょう。

低コストで始められる

自社の商品やサービスを宣伝するためには、広告の打ち出しや展示会、あるいはイベントを開催する必要がありますが、これには高額な費用がかかる場合があります。また、期待したほどの費用対効果を得られない可能性もあります。

一方、SNSのアカウントは基本的に無料で開設できるため、低コストで自社の商品やサービスをアピールできます。

一部の施策には追加料金が必要な場合もありますが、SNSを運用することで爆発的な拡散、つまり「バズる」状態になれば、宣伝効果は非常に高くなります。

そのため、SNSを使ったプロモーションは、他の宣伝方法や媒体に比べて非常にコストパフォーマンスの高い手法といえるでしょう。

購買行動に影響する

企業のSNS運用は、売上増加にも効果的です。

SNSを継続的に運用することで、企業の商品やサービスの認知度が向上し、興味や関心を持った顧客が企業に対して予約、あるいは購入ボタンをクリックするなど、さまざまなアクションを起こすことがあります。

また、SNSの投稿をきっかけにECサイトへアクセスしたり、実店舗へ出向いたりすることもあるでしょう。これにより、売り上げの増加も期待できます。

また、無形の商品やサービスであっても、SNSを通じて問い合わせや資料請求、無料トライアルの申込みができれば、売り上げの増加を見込めます。
【SNSアカウント運用意識調査】企業担当者を悩ますSNS運用の課題と対策 【SNSアカウント運用意識調査】企業担当者を悩ますSNS運用の課題と対策

企業におけるSNS運用のデメリット

企業におけるSNS運用のデメリット

メリットがある一方で、SNS運用にはデメリットも存在します。

炎上するリスクがある

SNSで、不適切な投稿や誤解を招くような発言が行われると、炎上するリスクがあり、競合他社や消費者からの批判も考えられます。

社員が個人的に行った投稿であっても、企業全体としての責任が問われる場合があるため、SNSの運用には慎重さが求められます。

また、SNS上の反応はリアルタイムで行われるため、対応が遅れると状況が悪化する可能性もあるでしょう。つまり、SNSの運用には、迅速かつ正確な対応が欠かせないということです。

作業時間や人員が必要

SNS運用には、投稿内容のアイデア出し、分析、コメントの返信など、さまざまな作業が必要です。

特に、炎上対策としては投稿内容のアイデア出しや確認作業を慎重に行う必要があります。

これらの作業は時間と手間がかかるうえ、業務を担当する人員が限られている場合は、他の業務と兼任することもあるでしょう。

そのため、場合によってはSNSの運用に十分な時間を割くことができないケースもあります。思うように運用できないままでは、効果が現れるまでの時間も長引いてしまいます。

各SNSの特徴

各SNSの特徴

SNS運用を適切に行うには、SNSごとに異なるポイントを把握しておく必要があります。

ここからは、各SNSの特徴についてみていきましょう。

Twitter

Twitterは、男女比がほぼ均等で、20代から40代のユーザーが多いSNSです。

  • 140文字の短いテキストでのコミュニケーションがメイン(画像や動画も投稿可能)
  • 共通の趣味や嗜好でつながる傾向があり
  • リアルタイム性がある

エンゲージメント率は比較的低いものの、拡散力は強いです。

Facebook

Facebookは、性別・年齢を問わず多くの人が利用するSNSです。

  • アクティブユーザーが多い
  • 実名性のため、オフラインでもつながりがある人との関係性が反映される傾向にある
  • 信頼構築に向いている

他のSNSに比較すると、エンゲージメント率も高い傾向がありますが、拡散力は低めです。

Instagram

Instagramは、写真や動画を投稿して、フォロワーと共有するSNSです。主に、20代から30代の女性が多く利用しています。

  • 視覚的な訴求がメイン
  • BtoC向けの商品やサービスと相性が良い
  • 写真や動画にした時にインパクトがある商材に向いている

エンゲージメント率は高い傾向にあり、拡散力は中くらいです。

YouTube

YouTubeは、世界最大のオンライン動画プラットフォームであり、ユーザー層は主に20代から40代が中心です。

  • 商品やサービスの魅力を伝えやすい
  • 導入事例の紹介、製品の使い方の手順などさまざまな活用法がある
  • BtoB、BtoC企業ともに向いている

エンゲージメント率、拡散力はともに中くらいです。

TikTok

TikTokは、主に18歳から24歳の若い世代をターゲットとしたSNSです。

  • 短い尺の動画が主流
  • 若年層向けの商品やサービスを展開している企業に向いている
  • 動画編集の経験がない人でも活用できる

拡散力は強いですが、エンゲージメント率は中くらいです。

企業におけるSNS運用のコツ

企業におけるSNS運用のコツ

続いてここからは、企業におけるSNS運用のコツを解説します。

ターゲットを明確にし、目的にあうSNSを選択する

SNSを運用する際、情報発信の目的やターゲットを明確にすることは非常に重要です。

情報を届けたい人は誰なのか、という点を明確にすることで、ターゲットに合わせた情報発信ができるため、SNS運用がしやすくなります。

また、商品やサービスの販売促進を目的とする場合は、Instagramなどのビジュアル要素を強調するSNSが適しているでしょう。

一方で、顧客とのコミュニケーションやサポートを目的とする場合は、TwitterやFacebook Messengerなど、リアルタイムでのコミュニケーションが可能なSNSが適しています。

適切な情報発信やコミュニケーション方法を選択することで、より効果的なSNS運用が可能になります。

購買モデルについては、こちらも参考にしてみてください
参考:マーケティングで重要な購買行動モデル/AIDMA・AISAS・SIPSの法則を学ぼう!|ラーニングス株式会社

運用体制を整える

SNS運用は、写真や動画などのコンテンツの用意をはじめ、投稿する際の文章や構成など、工数や時間がかかりがちです。

担当者を増やすことで対策することもできますが、リソースを確保できない場合は、運用を楽にする外部ツールや運用代行を検討してみても良いでしょう。

また、体制を整えたうえでSNS運用に関する行動規範を定めると、トラブルや問題を事前に防ぐことにもつながります。

分析を行いPDCAを回す

企業SNSの運用において、分析とPDCAを行うことも大切なポイントの一つです。

SNSのデータを収集・解析し、活用することが重要となり、そのうえでPlan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Act(改善)を行う必要があります。

SNS運用は、計画的かつ安定的に進めない限り、成果が得られにくく、効率も悪くなりがちです。

KPIの進捗や翌月のアクションなどについて定期的に協議できると良いでしょう。

企業におけるSNS運用の成功事例

企業におけるSNS運用の成功事例

ここでは、企業がSNSをどのように活用し、どのような成果を出したかについて紹介します。

SNSを通じて従業員同士のコミュニケーションを活性化し、情報共有や業務の効率化を実現したり、顧客とのコミュニケーションを強化して売上を増やしたりと、多様な成功事例がみられます。

【Twitter】Qoo10

Qoo10は、Twitterを運用しており、フォロワーをわくわくさせるような更新やアナウンスを投稿しています。

年に4回開催される「メガ割(セール)」では、詳細な日程を直前までシークレットにすることが多いため、メガ割を待ちわびるユーザーが、Qoo10のTwitterアカウントを注視し、今か今かと「期待感」を抱いています。

そのような中、Qoo10は突然「メガ割いつですか⁉」という短い投稿を行い、この投稿に対してフォロワーから、「もう少しですか?楽しみっ」「いや、ホントいつですか⁉」などのコメントが寄せられ盛り上がりをみせました。結果として、メガ割への期待感をさらに高めることに成功しています。

このように、意図的に情報を控えることでユーザーの興味を引きつけ、想像力をかき立てることができるのです。

【Facebook】メルセデス・ベンツ日本

メルセデス・ベンツ日本では、販売している認定中古車への問い合わせを増やすために、購入検討層へのリーチを考えていた一方、少数のターゲットに対する広告配信に課題を感じていました。

そこで、自動車業界に向けた「自動車インベントリー広告」を活用します。この広告は、カタログ情報を登録するだけで、ターゲットが関心を持つ可能性の高い製品をリアルタイムに反映しながら自動生成し、掲載することが可能となる広告です。

結果、CTR(クリック率)が25%、問い合わせ件数が16%、中古車検索結果ページ閲覧率が3倍にまで増加しました。

【Instagram】パナソニック株式会社

パナソニック株式会社では、高級トースター「ビストロ」の新モデルを発売する際の広告媒体としてInstagramを活用し、大きな成果を収めています。

ガンマシグナルという機械学習を活用して、ターゲット消費者をより引きつけるためのポイントを見つけ出すことで、Instagram広告のフォーマットに最適なクリエイティブの作成に成功しました。

この方法によりメッセージ想起が増え、新モデルの購入数も2倍になっています。

【YouTube】GoPro

GoProでは、GoProカメラによって撮影されたユーザーの作品を、GoPro公式の人間が審査し、公式チャンネルで公開しています。

YouTubeの公式アカウントを、オウンドメディアと同等のビジネス戦略にすることで、見込み顧客を獲得するだけでなく、GoProの認知度アップやブランディングにも結びついています。

【TikTok】eat愛媛朝日テレビ

eat愛媛朝日テレビは、社員やアナウンサーなどが得意とするダンスやトレンドネタの動画をTikTokで投稿しています。

投稿には、裏方のカメラマンも参加しており、高いダンス技術でユーザーから大きな反響を得ました。

コメント欄では、リクエストも多く寄せられており、そのリクエストに応じて新しい動画を投稿するなど、ユーザーとのコミュニケーションを重視した結果、自社のファンを増やすことへとつながりました。

SNS運用代行会社の選び方

SNS運用代行会社の選び方

ここからは、SNS運用の代行をお考えの方に向けて、運用代行会社の選び方を解説します。

各社のサービス内容や対応領域を調べる

SNS運用の代行会社を選ぶ際は、自社の目的やニーズに合わせて適切なサービスを選択しましょう。料金プランやクリエイティブの制作方法、対応範囲なども確認しておくことが大切です。

例えば、運用代行だけでなくコンサルティングも含めて依頼するなどのパターンもあるでしょう。

今はまだ運用をしていなくても、将来的にSNS運用を考えている場合には、コンサルティングを含めて依頼するほうが効率良く進められることもあります。

反対に、既にSNS運用をしている場合であれば、代行会社に依頼することで手間や時間を省けるというメリットがあります。

料金の目安を知っておく

SNS運用代行会社に依頼する場合、どのような施策に対してどれくらいの費用が発生するのか、追加オプションの有無も事前に確認しておきましょう。

また、複数の運用代行会社に相談することで相場感を掴むことができます。多額の費用を割いて施策をするのではなく、低予算から始めて一定の効果を出した後徐々に追加する柔軟な対応も必要です。

目指す成果を明確に伝えられるようにする

依頼する前に何を達成したいのかを明確にしましょう。

例えば、ブランドの認知度を高めたいのか、フォロワー数を増やしたいのか、販売数を増やしたいのかなどがあげられます。

それぞれの目的によって、SNS運用代行会社が取るべき施策が変わってきます。そのため、依頼する際には、具体的な数値目標(KPI)を設定することも必要です。

目標を設定しないと、PDCAサイクルが回らなくなってしまいます。目的や目標を明確にしておくことで、SNS運用代行会社との認識のズレも防げるでしょう。

企業のSNS運用とは?まとめ

企業のSNS運用とは?まとめ

SNSの普及に伴い、企業もSNS運用を通してマーケティングを行うことが一般的になりました。

しかし、適切なSNS運用を行えていない企業も多く、成功事例とは程遠い結果になってしまうこともあります。

中には、成功事例も多数ありますが、運用には炎上リスクや体制構築など注意が必要です。

もし、自社での運用が難しい場合には、SNS運用代行会社を検討してみてはいかがでしょうか。

「SNS運用を始めたいものの、どのSNSを選べば良いか分からない」「SNSに詳しいスタッフが社内にいない」といったお悩みを抱えている方は、ぜひ一度ニュートラルワークスまでご相談ください。

監修者紹介

石田 哲也

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格