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最終更新日: 2022.10.06

【最新版】コスメ・化粧品ECサイトの市場規模・トレンド・事例

【最新版】コスメ・化粧品ECサイトの市場規模・トレンド・事例

近年、多くの化粧品が、ECサイトでも扱われるようになり、コスメ・化粧品ECサイトの運用も複雑化してきています。

経済産業省が2021年7月に発表したEC市場調査によれば、2020年のBtoC-ECの市場規模は19兆2,779億円と前年から微減となりました。ただ、物販系分野のBtoC-EC市場規模は、前年の10兆515億円から2020年は12兆2,333億円と増加。今後は、さらに成長していくと予想されます。

コスメ・化粧品業界においては、従来は店舗での販売が主流であり、EC化率は決して高くありませんでした。しかし、昨今の新型コロナウイルスの影響もあり、対面で接客できない、コスメを手にとって試せないなど、店舗販売のメリットが減りつつあり、今後EC化率は増加していく見込みです。

さらに、店頭で見て、試して購入できないというハンディキャップを埋めるため、さまざまな最新テクノロジーの活用や最新の取り組みがされている分野でもあります。今後はSNSの活用やオンライン接客といった新しいスタイルが確立され、ECサイトもますます活発化していくでしょう。

この記事では、コスメ・化粧品業界でECサイトを運用している方に、業界全体の市場規模やトレンド、ECサイトに必要な機能について解説します。ECサイトを運営していくうえで、具体的な課題と対策事例もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

三木 五月

監修者

Twitter:@satsuki_miki
神奈川県の湘南でデジタルマーケティングの会社を経営しています。湘南をシリコンバレーのようにしたく、社員一丸で突っ走っています! 座右の銘は「好きこそものの上手なれ」。成熟した文化、自然豊かな湘南で一緒に働いてくれる仲間を絶賛募集中です。フルリモートOKです。詳しくは採用ページをご覧ください。

QUERYY(クエリー)編集部

執筆者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

コスメ・化粧品ECサイトの市場規模・市場動向

美容・コスメECサイトの市場規模・市場動向

2021年7月に経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、化粧品、医療品のEC売上はBtoC-EC全体の約4%で、物販系BtoC-EC全体の約6%を占めています。そして、EC化率では6.72%を記録し、平均値である8.08%よりも下回る結果となっています。その理由としては、以下の点が挙げられます。

  • ドラッグストアや専門店で買える低価格化粧品の需要が強い
  • ブランドコスメのような価格の高い化粧品を購入する時、ユーザーは店頭で実際に試し、スタッフのアドバイスを受けながら安心して化粧品を選びたいというニーズが強い

それでは、コスメ・化粧品業界の全体の市場、ECに絞った市場の動向について、詳しく見ていきましょう。

コスメ・化粧品全体の市場について

コスメ・化粧品全体の市場について

引用:矢野研究所「化粧品市場に関する調査を実施(2021年)」https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2847(参照:2022年8月11日)

矢野経済研究所の化粧品市場の調査によると、2020年度の国内化粧品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比84.4%の2兆2,350億円と減少しています。これは、新型コロナウイルスの影響により、インバウンド需要や国内需要が減ったことによるものです。

化粧品の品目状況別に見ると、スキンケア市場が構成比47.9%(1兆700億円)と最も高く、メイクアップ市場が同17.9%(3,990億円)、ヘアケア市場同19.5%(4,350億円)、男性用化粧品市場同5.4%(1,210億円)、フレグランス化粧品市場同1.2%(260億円)となっています。

新型コロナウイルスの影響で、2020年度の市場規模が10%近い減少となりましたが、2021年度は微減すると予測されており、消費者の購買行動は今後大きく変わると考えられます。そこで、化粧品業界各社はアフターコロナ、ウィズコロナ時代への対応を迫られています。

具体的には、化粧品メーカーは、店舗販売からECやライブコマースへ、さらにオンラインカウンセリング、SNSマーケティング、オンラインセミナーを活用していきます。またパーソナライズ化した、マスク着用を前提とした商品にも力を入れていくことになります。

今後の展望ですが、継続してインバウンドや国内需要が低迷することで、2021年度の化粧品市場の規模は前年度比101.5%で3兆5,000億円と前年度を上回ります。そして、2022年度以降は、新型コロナウイルス感染症が沈静化することで、国内消費やインバウンド需要も徐々に増えていくというシナリオです。

コスメ・化粧品業界のEC市場について

化粧品メーカーやドラッグストアでも、近年EC化は進んでおり、多くの化粧品がECサイトでも購入可能です。国内全体のEC市場は拡大しており、コスメ・化粧品業界のECサイトも比例して拡大しています。

2021年の7月に経済産業省による電子商取引に関する市場調査によると、化粧品、医薬品のBtoCのEC化率はまだ6.72%にとどまっています。これは他の業種と比べても、まだEC化が進んでおらず十分に伸びる業界であるといえます。続いて、産業別のEC化率について詳しく見てみます。

コスメ・化粧品業界のEC市場について

引用:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果(2021年)」
https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html(参照:2022年8月11日)

まず、コスメECが分類されるBtoC-EC市場の規模は、前年度比99.5%で、19兆2,779億円です。BtoC-ECでは、コスメECは物販系に該当します。

物販系のBtoC-ECの市場規模は、前年度比121.7%で、12兆2,333億円です。そして、コスメ系ECサイトで扱う化粧品や医薬品の市場規模は、前年度比117.7%で、7,787億円に達しています。これは、BtoC-EC全体の約3%であり、物販系BtoC-EC全体の約6.3%を占めていることになります。

2020年は新型コロナウイルスにより、店舗が閉店したり、営業時間を短縮したりといった、実店舗での運営が厳しくなる状況が続きました。また、店頭で実際にコスメを試すということも難しくなっているため、EC化率はさらに伸びることが予想されます。

そして、コスメECサイトを利用するユーザーは、商品レビューや口コミを購入時の大きな決め手としていることが多いです。そのため、SNSや口コミサイトとの連携が重要で、これがコスメECの売上を大きく左右することになります。

なお、コスメECサイトでは、他の業種には見られない特徴があります。それは、オンライン接客やデジタルカウンセリングといったサービスが活用されていることです。今後はECサイトでありながら、実店舗をより再現したサービスを充実させていく必要があります。

コスメ・化粧品ECサイトの売上高ランキング

コスメ・化粧品ECサイトの売上高ランキング

2020年度化粧品通販売上高ランキングTOP20

順位 社名 URL
1位 ファンケル https://www.fancl.co.jp/index.html
2位 新日本製薬 https://www.shinnihonseiyaku.co.jp/
3位 オルビス https://www.orbis.co.jp/
4位 再春館製薬所 https://www.saishunkan.co.jp/domo/
5位 ディーエイチシー https://www.dhc.co.jp/main/main.jsp
6位 富士フイルムヘルスケアラボラトリー https://h-jp.fujifilm.com/homepage
7位 アイム https://im-co.co.jp/
8位 プレミアアンチエイジング https://www.p-antiaging.com/
9位 オージオ https://ozio.jp/
10位 ザ・プロアクティブカンパニー https://proactiv.co.jp/
資生堂(ワタシプラス) https://www.shiseido.co.jp/wp/index.html
12位 ドクターシーラボ https://www.ci-labo.com/
13位 ビタブリッドジャパン https://vitabrid.co.jp/
14位 キューサイ https://www.kyusai.co.jp/
15位 ランクアップ(マナラ) https://manara.jp/
16位 協和(フラコラ) https://www.fracora.com/
17位 悠香 https://www.yuuka.co.jp/
18位 メビウス製薬 https://www.mebiusseiyaku.co.jp/
19位 北の達人コーポレーション https://www.kaitekikobo.jp/
20位 ファーマーズ https://www.pharmafoods.co.jp/

引用:化粧品通販売上高ランキング調査(2020年度)

それでは、どのようなECサイトを作れば売上が伸ばせるのでしょうか。ここからは、どのコスメ・化粧品ECサイトの売上が高いのか、サイトの特徴、商品、ターゲットについて具体的に見ていきましょう。通販新聞社の2020年度化粧品通販売上高ランキングの調査結果から、ランキング上位メーカーについて解説します。

1位. ファンケル

3ファンケル

ファンケルオンライン
https://www.fancl.co.jp/beauty/index.html

ファンケルは1980年に創業した化粧品・健康食品のメーカーです。ファンケルの特徴としては、顧客の健康を第一に考え、肌の負担がかかるものは一切使わないということです。防腐剤、殺菌剤、香料などを使わない、無添加商品を売りにしています。化粧品や健康食品が有名ですが、それ以外にも、発芽米、青汁、肌着など幅広く事業を展開しています。

主力の商品は、「マイルドクレンジングオイル」「ディープクリア」といったスキンケア、基礎化粧品で、価格は2,000〜3,000円です。ターゲットは中高年からシニア層であり、化粧品だけではなく、サプリメントや青汁といった健康意識の高い人からも幅広く支持されています。

販路が直販、コンビニ、ドラッグストア、オンラインショップと多く、売上を順調に伸ばしています。直販にこだわることなく、ドラッグストアやコンビニとも連携を強くしているのが特徴です。コンビニと共同開発したプライベートブランド化粧品なども発売しています。

オンライン販売においても、スマートフォンの注文が増えていることから、専用のアプリを作るなど、スマホ利用者を意識した対応で、顧客を取り込むことに成功しています。さらにLINEを活用したマーケティングにも積極的で、オンラインから店舗へ、店舗からオンラインへと、新たな販路獲得に向けてさまざまな施策に取り組んでいます。

2位. 新日本製薬

新日本製薬

新日本製薬公式オンラインショップ
https://www.shinnihonseiyaku.co.jp/

肌のお手入れに時間をかけずに、手軽に賢くスキンケアができるオールインワンタイプの商品である、「パーフェクトワン」を主軸に、4,000〜5,000円の価格帯で展開しています。

その中でも売上の主力は、化粧水・乳液・クリーム・美容液・パック・化粧下地の6役を1品で果たす「パーフェクトワン オールインワン美容液ジェル」です。化粧品以外にヘルスケア商品(健康食品や医薬品)も販売しています。2016年より4年連続でオールインワンスキンケア市場シェアNo.1を獲得しております。

ターゲットは40歳以上の女性を中心としており、シンプルスキンケアであるため、リピーターも多いです。今後は若年層にも力を入れていく戦略です。製造工場を持たないファブレスメーカーで、生産はすべて外部委託です。そのため、商品の企画開発やマーケティングに力を入れることができ、商品展開は機動的です。

顧客の声から、今必要とされているスキンケアを素早く察知して、ニーズや季節特有の悩みに合った商品を投入することで、リピーターを増やしています。販売チャネルは、テレビCMや新聞、ECやコールセンターを活用した通信販売が大半を占めています。通販以外にも、全国の百貨店等に直営店を展開しています。

さらに、アフターコロナの新時代に向けて、自分自身で病気を予防するセルフディフェンスをテーマにしたヘルスケア事業を立ち上げ、さらなる成長を目指しています。

3位. オルビス

オルビス

オルビス公式オンラインショップ
https://www.orbis.co.jp/

オルビスは1985年に設立され、業界トップシェアを誇る化粧品メーカーです。市場やニーズをいち早くとらえ、研究開発やダイレクトマーケティングに強く、時代の変化にも柔軟に対応してきました。

研究から販売まで一貫した独自のバリューチェーンを構築しており、ダイレクトマーケティングを活かした顧客とのつながりを持つことで、リアルタイムの販売データや顧客の声などの情報収集が商品開発に生かされています。

ポーラ、オルビスなど幅広い商品をマルチブランド展開することで、幅広い年齢層に支持されています。肌だけでなくライフスタイルにも寄与することを目指して、事業活動も行っています。他の大手通販化粧品メーカーとの大きな違いとしては、メディアの広告宣伝を減らし、実店舗での接客販売と口コミによる営業で顧客を拡大しています。

化粧品のほかにも、ダイエットや栄養補助食品、ボディウェアなども販売しています。販売チャネルを店舗、カタログ、Web、モバイルと複数組み合わせ、再来店する手間を省くことで、顧客の利便性を追求しています。主力商品はアクアフォース、クリアシリーズという、基礎化粧品で、価格帯は1,000〜2,000円です。

2018年にECサイトをリニューアルし、リブランディングしました。これにより、コーポレートカラーも一新し、ユーザーの利便性を高め、オルビスブランドを再構築しています。

4位. 再春館製薬所

再春館製薬所

公式ドモホルンリンクル
https://www.saishunkan.co.jp/domo

再春館製薬所は1932年に創業した化粧品メーカーです。一般的な化粧品とは異なり、店舗販売はしておらず、基本的にはテレビでの販売に特化しています。主力の商品は「ドモホルンリンクル」で、売上の9割以上を占めます。ターゲットは中高年からシニア層です。まず無料で試供品を送り、顧客が納得するまでは売らないという販売手法が特徴的です。

用途に合わせたスキンケア商品をまとめてセットで販売し、価格帯は10,000〜30,000円となっています。ドモホルンリンクルは、表面的や一時的に肌を治すのではなく、悩みの根本に目を向けて肌本来の力を取り戻すことを目的に作られています。漢方の理念をもとに、原料を厳選して開発された基礎化粧品です。

顧客満足度が売上に直結すると信じており、顧客の声を大切にすることで口コミを広げ、売上の9割以上がリピート客により構成されています。

5位. ディーエイチシー

ディーエイチシー

DHCオンラインショップ
https://www.dhc.co.jp/main/main.jsp

1972年、もともとは大学の研究室から洋書の翻訳を請け負っていた大学翻訳センター(D:大学 H:翻訳 C:センター)として創業しています。その後、天然成分の基礎化粧品の製造を始めたのが1980年のこと。現在では化粧品のほか、健康食品製造・販売、アパレル、ホテル・リゾート事業、介護事業などを手がける企業へと成長しました。

主力の商品は「DHC薬用Qローション」「DHCサンカットQ10パーフェクトミルク」「DHC薬用メラノレジストローション」などです。ターゲットは、高校生や大学生など10代と20代が中心で、割合は50%程度です。主力商品の価格帯は1,000円前後〜4,000円前後くらいです。

薬局やコンビニなどに商品が置かれていること、通販での販売が強いこともあり、老若男女の幅広い層から認知されているのが同社の強みです。

コスメ・化粧品ECサイトに必要な機能

コスメ・化粧品ECサイトに必要な機能

従来は化粧品といえば、直販店、コンビニ、ドラッグストアといった実店舗での販売が基本でした。しかし、コスメ・化粧品ECサイトの動向で記載したように、それらのECサイトでは、店頭さながらのサービスを、オンラインでも提供できる、さまざまな取り組みが行われています。

他の業界とは違い、コスメ・化粧品では店頭で見て、試して購入したいというニーズが非常に高いです。そのニーズを満たすために、コスメ_化粧品のECサイトにおいては店頭で行えることを擬似的に体験できるようなUXが求められます。ここからは、コスメ・化粧品のECサイトに求められる具体的な機能について紹介します。

定期購入

化粧品・コスメは消耗品です。毎日使用していると、定期的に購入する必要性があります。それをECのサービスとして提供するのが定期購入の機能です。

定期購入はユーザーに対してメリットは当然ありますが、企業側にとっても安定した収益の見通しが立つというメリットがあります。またリピーターとして、優良な顧客を確保できるので、コスメ・化粧品のECサイトでは必須の機能といえます。

定期購入は単に同じ商品を定期的に届けるというだけではなく、優良顧客にさらにリピートしてもらうために、新たな販売施策をすることが多いです。

それは例えば、他の商品との同時購入による値引き、定期顧客だけの特別クーポンの提供などです。新規顧客を獲得するコストは、既存顧客の数倍かかるといわれています。そこでリピーターを増やすことができれば、結果的にコストを抑えて安定的に売上向上に繋げられるのです。

新日本製薬の定期購入サービスは、特典が多く、継続的に購入されやすい仕組みになっています。まずは気軽に始められる3回継続というサービスがあり、定期購入する前に準備期間を設けています。そして、累計購入金額に応じて、毎回10〜20%オフになります。さらに、届け日や数量の変更も簡単にできるので、リピーターの多くがこの定期購入サービスを利用しています。

定期購入の例:新日本製薬のパーフェクトワンhttps://www.shinnihonseiyaku.co.jp/guide/service/teiki_vi.html

ユーザーレビュー

ユーザーからの口コミはもはや定番です。コスメ・化粧品のECサイトに限らず、すべてのECサイトで必須の機能です。レビューの内容は、実際に使った感想、ECサイトの評価、ブランドの評価などさまざまです。商品のフィードバックにも使えるので、開発側にもメリットがあります。

レビューの内容は良いものであれ、悪いものであれ、販売を促進させます。それは使用した感想を確認することで、自分が購入して使った場合を想像できますし、商品に対するミスマッチを防ぐことができるからです。

そのため、コスメ・化粧品のECサイトにおいては、実際に利用したユーザーのレビューがとても重要なコンテンツになります。レビュー数が多いとより信憑性も増します。資生堂のwatashi+では、商品のレビューだけではない、コスメECならではの切り口があります。購入者のプロフィールが商品のレビューとともに表示されるのです。

そのプロフィールには、購入した方の、肌の状態、肌の悩み、生活環境、メイク頻度といった情報が表示されます。そのため、より最適な商品を選ぶことができ、初めてでも安心して購入できます。

ユーザーレビューの例:watashi+
https://www.shiseido.co.jp/review/products/guide.html

SNSの活用・連携

SNS、ライブコマース、動画の活用も、コスメ・化粧品ECでは重要なツールとなってきています。実際に消費者が発信したコンテンツを、取り入れる企業は増えています。それは、企業側では気づかなかった点をより顧客目線でレビューしてもらい、商品のアピールもできるからです。

ユーザーの投稿をSNSで取り上げるメリットとしては、実際の商品をリアルに見せることで、使ってもらっている姿を想像してもらえることです。これにより購買意欲が掻き立てられます。またサイトで全ての商品を紹介するには限界がありますが、SNSを活用することで、類似商品、カラーバリエーションや質感の違いといった、ユーザーが気になる細かい部分まで紹介できます。

そしてメーカー以外の第三者が、利用方法や使用感などを拡散して伝えることで、ユーザーレビューと同じ効果も得られます。

SNSの例:BOTANIST
https://botanistofficial.com/shop/default.aspx

オンライン接客

化粧品・コスメの店頭販売であれば、実際に自分でメイクの体験ができます。そして、化粧品のプロの美容部員のカウンセリング、商品の説明といったサービスも受けられます。

ところが、オンラインであれば、自分で商品を探して、説明を見て、選ぶことになるので、店頭では再現できない部分がありました。この点を補う新たなサービスが導入されました。それがオンライン接客なのです。

ランコムは2020年4月、ECサイト上でオンライン美容相談というサービスを開始しました。ランコムのサービスはチャットボット活用とビューティーアドバイザーのハイブリット形態をとることで、店頭同様のカウンセリングをオンラインで提供することに成功しました。

東急百貨店では2020年5月、ビューティーアドバイザーがユーザーに最適な化粧品を選んで紹介するオンラインスタイリングとリモートショッピングをZoomを活用して、開始しました。ここでは、ビューティーアドバイザーが実際の化粧品を紹介し、レクチャーしカウンセリングと商品の購入までを実現しました。

オルビスでは2020年5月、ビューティーアドバイザーによる、オンラインZoomカウンセリングを開始しました。オルビス公式オンラインショップ内の、予約フォームから前日までの予約が可能で、肌のカウンセリング、メイクアドバイス、スキンケア商品の正しい使い方、オルビスの各商品についての相談ができます。

オルビスでは文字チャットによるサポートも提供しており、店舗での接客を再現しています。

オンライン接客の例:オルビス
https://www.orbis.co.jp/contents/feature/online_counseling/

コスメ・化粧品ECサイトにおける3つの課題

コスメ・化粧品ECサイトにおける3つの課題

ここまでECサイトのさまざまな機能についてご紹介しました。各社ECサイトに力を入れているものの、実際はユーザーが直接商品を試すことができる実店舗販売が主流のままです。

企業側もECサイトを今以上に伸ばしたいのですが、コスメ・化粧品業界におけるEC化率はそこまで高いものではなく、また伸び率もまだ低いのが現状です。その要因として、ユーザーのニーズと販売チャネルが影響しています。それでは、コスメ・化粧品ECサイトの3つの課題について見てみましょう。

オフラインの販売チャネルニーズが強い

コスメ・化粧品は、デパート、百貨店、コンビニ、ドラッグストアといった店頭販売をはじめとして、訪問販売、カタログ通販、テレビ通販など、多数の販売チャネルが存在します。

そして、化粧品は高価なものが多く、実際に店頭で試してから購入したいという需要がとても強い商品です。ネット通販では、実際に化粧品を試してもらうために、初回を無料にしたり、安くしたり、しばらくしてから定期購入に切り替えたりという問題もあります。

また、若者層からの支持が高いプチプラコスメは、ドラッグストアでの販売を主軸としており、立地のよさと実物を手に取ることができる点から、その利便性は高く、これをECで扱うことは大きな壁となっています。このような背景から、ネット通販による化粧品市場は一定の需要はあるものの、なかなか利用率が高まらないのです。

Webマーケティングの難易度が高い

コスメ業界には競合が多く、人気の高いブランドはすでにECサイトを構築しています。そのため、新規で参入し、アクセス数を増やして、購入につなげていくのは難しいです。

そのための広告費用やサイト運営のコストもかかります。また、Googleのアップデートにより、医療や健康に関するテーマで検索結果の上位をとるためには、高い専門性や良質なコンテンツが必要となり、この点においても集客が難しくなっています。

一方で口コミやレビューなど、SNSを活用したマーケティングは非常に相性がよいです。今後は、自社ECサイトだけではなく、SNSとECを連携していくことで、ブランド力・売上の向上につながります。
Webマーケティングとは?新人Web担当者向けに基礎から実践内容を徹底解説 Webマーケティングとは?新人Web担当者向けに基礎から実践内容を徹底解説 Webマーケティング業務を担当することになったものの、Webマーケティングには詳しくない…そんな方に向けてWebマーケティングの基本をゼロからご紹介します。なんのために、どんな施策を打つべきかを考える参考にしてください。

即時性を実現するドラッグストアなどの利便性が高い

ドラッグストアは、地方や都心に限らず、全国に店舗があります。そのドラッグストアの利便性は、ECサイトよりも高く大変便利な存在です。

ドラッグストアでは、若年層を中心にプチプラコスメと呼ばれる、低価格帯の化粧品のニーズが非常に強く、数百円から化粧品を購入できます。プチプラコスメで人気のある「キャンメイク」は直販のECサイトが存在せず、ドラッグストアや専門店の店頭販売が中心です。

ドラッグストア側としてもコスメが主力商品となっているため、なかなか安いコスメをECサイトで扱うことにはなりません。

コスメ・化粧品ECサイトの市場規模まとめ

コスメ・化粧品ECサイトの市場規模まとめ

コスメ・化粧品のEC業界は今後ますます成長していくことが予想されます。それはEC全体が年々成長していることに加えて、新型コロナウイルスの影響で、実店舗での販売が難しい状況が続いているからです。

従来は商品を実店舗で試してから購入するというのがスタンダードであり、オンライン販売は難しいとされていました。しかしながら、今後はデジタルシフトが起こり、ECサイト販売の課題も乗り越え、オンラインでの販売は加速していくことでしょう。

売上が上位のコスメ企業は、「実店舗とオンラインでの販売をうまく使い分けている」「販路が多数ある」「長期的にオンライン販売に注力している」そして、「実店舗での販売体験をオンライン上でも再現できる」といった特徴があります。

しかし、ECサイト担当者は幅広い業務を担当しており、さまざまな課題に向き合えないことがあります。そういった場合は、コスメ・化粧品ECサイトの構築支援、運用支援を行っている、ニュートラルワークスにぜひご相談ください。無料相談も随時行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

監修者紹介

三木 五月

三木 五月

代表取締役社長

Twitter:@satsuki_miki
神奈川県の湘南でデジタルマーケティングの会社を経営しています。湘南をシリコンバレーのようにしたく、社員一丸で突っ走っています! 座右の銘は「好きこそものの上手なれ」。成熟した文化、自然豊かな湘南で一緒に働いてくれる仲間を絶賛募集中です。フルリモートOKです。詳しくは採用ページをご覧ください。