Instagram(インスタグラム)は、世界で毎月10億人以上もの人々が利用しているSNSの一つです。ビジネスの市場としても注目を集めており、日本でもインスタグラム広告を導入している企業が増えています。
そこでこの記事では、インスタグラム広告を最大限活用するために必要な広告の出し方、成果を最大化させるポイントについて詳しく解説します。出稿を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
監修者
Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。
■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO
■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告
■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格
執筆者
株式会社ニュートラルワークス
QUERYY(クエリー)編集部
QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。
目次
インスタグラム広告は、画像や動画などのコンテンツを中心に置いています。使用しているユーザーの年齢層は幅広いですが、中でも特に10代から30代の若い世代が多いため、若者への宣伝に長けた媒体です。
また、男女問わず利用されており、リアルタイムで情報が更新できるため情報発信力と拡散力の強さがあります。
Meta社(旧Facebook社)の調査によると、日本国内の月間アクティブアカウント数が、2019年には3,300万以上になったと発表されています。ちなみに男女比として、女性が57%、男性は43%のユーザーが利用していると発表しています。
インスタグラムを活用できれば、若年層を中心とした男女向けに幅広い宣伝が可能です。
参考:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破
SNS広告の種類と特徴・費用を解説
インスタグラム広告のメリットは主に、以下の5つがあげられます。
インスタグラム広告は、Facebookとの紐付けができるため、Facebook広告と同様の精度の高いターゲティングが可能です。
ターゲティングはユーザーの性別から居住地、年齢などのデモグラフィック情報や行動データ、興味関心などから設定できます。
さらに、自社が保有している顧客や実績データを組み合わせれば、カスタムオーディエンスや類似オーディエンスが使えるようになります。
ターゲティングの精度が高ければ高いほど、インスタグラムを活用した効果的な宣伝が可能です。
インスタグラム広告では、さまざまなターゲットや目的に合わせた豊富な広告フォーマットを利用できます。
例えば、ECサイトへの導線を作ることができるショッピング広告や、ユーザーとのコミュニケーション性に優れたアンケート広告などがあります。
自社の目的にあった広告を選ぶことで、より効果的な宣伝が可能です。そのため、広告を選ぶ際は、どのような用途で使えるのか、表示されるタイミングや場所など、それぞれの違いを把握しておくようにしましょう。
インスタグラム広告は、1日100円前後から出稿でき、クリエイティブにおいても柔軟性が高いです。
予算に縛りが設けられていないため、自由に予算を組んだうえで宣伝を行えます。これにより、費用対効果も期待できるでしょう。
また、予算を消化してしまえば、そのタイミングで広告を止められるのも嬉しいポイントです。期間を超過して余計な費用がかかってしまう心配もありません。
さらに、試行途中のクリエイティブや予算の変更にも対応できるので、予算などの状況に合わせた運用ができるのも強みです。
SNSでは、画像や動画を純粋に楽しんでいるユーザーが多く、「広告」と感じさせるコンテンツは好まれない傾向にあります。
その点、インスタグラム広告は、「タイムライン」に流れる画像や動画の一つとして表示されるため、広告らしさを感じにくくする効果があります。
しかしながら、いくら広告臭くないといっても、広告の内容によっては、ユーザーに避けられてしまいます。せっかくのメリットを無駄にしないためにも、できる限り違和感を感じさせない工夫が必要です。
インスタグラムは日本だけでなく、世界中のユーザーが使用しているSNSです。そのため、世界中に訴求できます。
月間アクティブユーザーは約8億人にもおよぶことから、世界から注目されれば大きな反響を得られるようになります。
インスタグラムはビジュアルが中心になるため、画像や動画などで言語を使わずとも、内容を理解してもらいやすい特徴を持っています。言語対応が必要なケースもありますが、画像や動画、エフェクトなどを用いて多くの人々へ伝える広告は、新しいビジネスチャンスを生み出す機会となるでしょう。
それでは、実際にインスタグラム広告を出稿する前に準備しておくべきことを、順番に紹介します。どれも正しく広告を出す際の必須条件となるため、注意しながら広告の作成をしましょう。
最初にやるべきことは、「Facebookページ」と「Instagramアカウント」を紐付ける作業です。
アカウント紐付けの手順を2つのステップにわけて解説しますので、初めての方でも順番を守れば簡単にできます。
Facebookページを所持していない場合は、ビジネスアカウントを取得する必要があります。すでにページを持っている方は、次のステップへ進んでください。
ビジネスアカウントの取得は、こちらのサイトで「アカウントを作成する」を選び、Facebookにログインし、アカウントを作成します。
広告アカウントを持っていない場合は、ビジネスマネージャーの画面からアカウントを作成しましょう。さらに広告アカウント作成時に、広告の支払い設定を行っておくとスムーズです。
Facebookページの作成は、Facebookにある左側のメニューバーから「ページ」で「新しいページの作成」を選ぶだけで簡単にできます。
InstagramアカウントやFacebookページの作成が終わったら、次はInstagramアカウントをプロアカウントへ変更します。
変更手順は、Instagramプロフィール画面の右上にあるメニューの「設定」からアカウントを選びましょう。次に、アカウントメニューの一番下にある「プロアカウントへ切り替える」を選んでください。
アカウントのビジネスカテゴリーを選択する項目が出るので、任意のものを選びます。そうすると「ビジネスアカウント」か「クリエイターアカウント」にするのか確認が行われるので、「ビジネスアカウント」を選択しましょう。
その後は、連絡先情報を追加し、FacebookページとInstagramアカウントをリンクさせます。最後に必要なプロフィール情報を入力し、公式の指示に従ってステップを踏んでいけば、Facebookページとの連携は完了です。
紐付けが無事終わったら、広告クリエイティブを用意する作業に入ります。広告クリエイティブにどのような種類があるのかについては、以下でまとめています。それぞれの違いを事前に把握して、自社に合ったものを選びましょう。
配信箇所 | 特徴 | メリット | 用途 |
---|---|---|---|
フィード | アプリを開いた際に表示される、フィード(写真や動画のリスト)に広告を掲載する |
などのフォーマットが豊富に使える |
ブランドや商品の認知度アップや拡散 |
ストーリーズ | 24時間限定配信で、掲載期間を自由に設定できる | フルスクリーン表示の画像や動画で、インパクトが持たせられる | ユーザーのブランド購入意欲・好感度の向上 |
発見タブ | ユーザーの利用履歴や、興味関心に合わせた投稿が表示される発見タブに、広告が掲載できる | 関連商品やジャンル、自社商品に興味を持つユーザーにピンポイントで宣伝ができる | 見込み顧客に商品・サービス認知や購買促進 |
リール | 15~30秒のショート動画の共有ができる(動画クリエイティブのみの配信) | エンターテイメント性を求めるユーザーに、自社商品をアピールできる | 潜在顧客の発掘と認知度アップ |
インスタグラム広告の配信箇所には、「フィード」「ストーリーズ」「発見タブ」「リール」の4種類があります。
表示されるタイミングや場所、ターゲット層などが異なるため、どのようなユーザーへの宣伝を目的とするのか、明確にしておくことが大切です。
広告の種類 | できること | 特徴 |
---|---|---|
写真広告 | 静止画とキャプション(テキスト)の表示 |
|
動画広告 | 動画とキャプション(テキスト)を表示できる |
|
ストーリーズ広告 | スマホ全画面を使って、ダイナミックかつ、没入感のある画像・動画による宣伝ができる | ストーリーズ上で、他ユーザーの投稿の間に再生される |
カルーセル広告 | フィードとストーリーズで複数の写真と動画を表示させられ、 フィードではキャプション付きの表示ができる | 複数の画像と動画でユーザーにスワイプさせ、商品やサービスのより詳しい情報を提供する |
コレクション広告 | ショッピング機能がそのまま利用できるため、ユーザーの商品購入へつなげられる | カタログ形式で商品を表示する広告で、動画やアイキャッチの下に登録した商品カタログを表示させる |
発見タブ広告 | 「発見タブフィード広告」と、「発見タブ動画広告」の2つで、商品やサービスの理解や認識を向上させられる | ユーザーが自ら検索し興味を持った画像をクリックすると、遷移先で掲載している広告が表示される |
アンケート 広告機能 |
双方向性のコミュニケーションを取り、コンバージョンやエンゲージメントの向上につなげられる | ユーザーに二択の質問ボタンを表示させ、コミュニケーションの取れる広告を運用する |
ショッピング 広告機能 |
ユーザーを広告からECサイトへ誘導し 、商品購入がしやすい環境を作れる | 通常のショッピングタグの付いたショッピング投稿を、フィードのみで広告として表示する |
ブランドコンテンツ 広告機能 |
企業側はインフルエンサーの知名度を利用でき、インフルエンサーは投稿を企業の広告として、より広く宣伝してもらえる | インフルエンサーのオーガニック投稿を、広告として活用する方法 |
準備作業を全て終えたら、インスタグラム広告を入稿する段階に入ります。 広告の最終設定に入るため、選択ミスや入力ミスがないように注意して作業を進めましょう。
キャンペーンの作成をするには、まず「ビジネスマネージャー」の中にある「広告マネージャー」を開いてください。
すると、キャンペーンの設定画面に入るので、「キャンペーンの作成」を選ぶとキャンペーンの作成が始まります。
キャンペーンは広告を出稿した結果、どのような成果を得たいのか配信目的を決める重要ポイントなので、慎重に作成するようにしましょう。
目的 | 設定項目 |
---|---|
認知 |
|
検討 |
|
コンバージョン (CV) |
|
広告セットでは、キャンペーンの目的となる「認知」「検討」「コンバージョン」の3つのグループから選びます。以上の中から、広告で達成したい目的を設定しましょう。
広告セットの設定をした次は、予算の設定を行います。予算は「1日の予算」と「通常予算」 の2つから選択可能です。
「1日の予算」では設定金額に到達したタイミングで、広告の掲載がストップするので、少額予算から始める場合におすすめの支払い方法といえるでしょう。
一方「通常予算」は、掲載期間を決めて支払う形です。自社でどれほどの予算を立てられるのか検討してから、適切な予算の設定を行ってください。
オーディエンスの設定 | 設定内容 |
---|---|
地域 | 地域や県、国を広キロ単位までの設定ができ、タグ付けされた住所または、Facebookに登録されている情報から絞り込める |
年齢 | 13~65歳以上の設定できるが、Facebookアカウントのないユーザーは、フォローを行っているアカウント情報から予測された年齢になる |
性別 | すべて、男性、女性の3つから設定できる |
詳細ターゲット設定 | 設定内容 |
利用者層 |
以下のカテゴリーから設定可能
|
興味・関心 |
以下のカテゴリから設定可能
|
行動 |
ユーザーの行動に関する以下のカテゴリーから設定可能
|
つづいて、広告をどこに配置するのか決める、配信面の設定を行います。インスタグラム広告の配信を行う場合は、「手動配置」の中から、「Instagram」を選びましょう。同時にFacebookを選べば、双方での広告掲載も可能です。
もう一つの「自動配置」では、Facebookの配信システムが最も成果の出る配置を予測し、広告セットの予算を割り当てます。自動配置ではインスタグラム広告が選ばれないケースもあるので、インスタグラムを重要視するのであれば、「手動配置」が無難でしょう。
広告クリエイティブの設定が終わったら、いよいよ広告クリエイティブの入稿をします。入稿に必要となるのは、写真(静止画)や動画などの「メディア」と、広告の説明文となる「テキスト」の2つです。
入稿状態の確認は画面右側にある「プレビュー表示」から、メディアの中に20%以上のテキストがあるか確認を行ってください。テキストが20%以上ないと広告掲載が認められないので、広告画像を用いる場合はチェックを忘れないようにしましょう。
広告の入稿が終わったら、最後に広告の出稿を行います。出稿方法は単純で、画面の一番下にある「公開する」を選ぶのみです。下書きを選べば保存もできます。会社での再チェックや後日配信をする際などに活用してみてください。
出稿後に内容を変更したり修正したりするのも可能なので、何か変更点などがあれば、一度公開を取り下げて修正できます。
インスタグラム広告を出稿し、成果を最大化させるポイントを紹介します。ユーザーに興味を持ってもらえるよう、以下のポイントに注意して広告を作成してみてください。
インスタグラム広告に限りませんが、広告を出稿する目的やペルソナを明確にしておかなければなりません。
目的には、「Webサイトへの集客数の向上」「ブランドやサービスの認知度向上」「アクセスの向上」などがあるでしょう。
また、ペルソナでは年齢や性別、所在地、見込み顧客や潜在顧客などの属性まで具体的に設定し、ターゲット像を明確にします。誰に何をしてほしいのか決まっていなければ、適切な施策を実行できないため、目的やペルソナは必ず決めるようにしましょう。
インスタグラム広告では、表示場所に合ったクリエイティブを制作しなければなりません。
また、ユーザーに適さない広告を出稿してしまうと、反対に印象を悪くしてしまう恐れがあります。
「広告はどれも同じ」と考えていると、痛い目に遭う場合もあるため、配信面の違いを把握し、適切な広告を作るようにしましょう。
インスタグラム広告は、広告出稿後も変更を加えられるため、状況に応じて柔軟な施策を実行していくのも重要です。
例えば、成果に合わせて出稿予算を変更したり、改善点をブラッシュアップして再配信したりすると、より高い成果を目指せます。
広告を出稿したから終わりではなく、相手の状況やユーザーの反応に応じて調整できる長所を逃す手はありません。
インスタグラムでは、頻繁に広告施策効率化を目指したアップデートや広告メニューの拡充などが行われるため、最新情報をキャッチするのも大切です。
また、ユーザーのトレンドも日々変化していくため、ユーザーの動きにも対応できるように常に最新情報をキャッチアップしておきましょう。
最新と思っていたものが、たった数日、数週間で変わってしまう場合もあるため、社会に取り残されないようにしていかなければなりません。
インスタグラム広告は、住んでいる地域や男女を問わず、商品やサービスをアピールできます。最初の設定さえ終えてしまえば、後は簡単な操作で広告を出稿できます。
そして、広告の配信をスタートした後は、仮説検証をしたり、分析をすることで、事業拡大につながるチャンスが広がります。
インスタグラム広告を利用する目的は、認知度アップやCV獲得などさまざまですが、まずは広告を出稿する目的を明確にしたうえで、この記事を参考にスタートしてみてはいかがでしょうか。