マーケティング

最終更新日: 2024.02.01

TikTokマーケティングとは?戦略と注意点、成功事例を解説

TikTokマーケティングとは?戦略と注意点、成功事例を解説

TikTokは、主に若年層が利用しているアプリで、最近では多くの企業がマーケティングに活用しています。しかし、「TikTokの運用における注意点が分からない」「TikTokを使って自社の商品やサービスの認知度を高める方法を知りたい」と、疑問や悩みを抱く方は少なくありません。

そこで本記事では、TikTokマーケティングのメリットや具体的な施策について詳しく解説します。加えて、KGIやKPIの設定、成功事例もまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。

石田 哲也

監修者

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格

QUERYY(クエリー)編集部

執筆者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

目次

TikTokの特性とユーザー属性

TikTokの特性とユーザー属性

TikTokは、動画配信サービスという点では「YouTube」と共通しています。しかし、細かい特性やユーザー属性が異なるため、ここではまず、TikTokの特性とユーザー属性についてみていきましょう。

TikTokとはスマホ向けのショートムービーSNS

TikTokは、スマホで動画を作成し投稿できるショートムービーSNSです。アプリ内で動画の撮影や編集が簡単にできるため、近年人気を集めています。TikTokには、多くの人が「面白い」「共有したい」と感じるショートムービーが数多く投稿され、現在では全世界で10億人以上のユーザーが利用しています。

ここまでの規模なら、もはや世界中で利用者が伸びているSNSの一つと言っても過言ではありません。こうしたユーザー数の増加に伴い、日本における動画マーケティング手法に変化が現れ始めました。TikTokがリリースされたばかりの頃は、若年層のユーザーが多かったものの、近年ではユーザーの年齢層に変化が生じ、TikTokに参入する企業が増えています。

ユーザーの平均年齢は34歳

TikTokが流行り始めた当初は、「リップシンク動画やダンス動画を投稿するアプリ」として認知されていたため、10〜20代の若者が主なユーザーでした。

ところが、コンテンツビジネスラボ(博報堂DYメディアパートナーズと博報堂の共同研究プロジェクト)の「コンテンツファン消費行動調査」によると、昨今の平均年齢は34歳であると明らかになりました。

年齢層が変化した要因としては、「さまざまなコンテンツが登場したため」と考えられています。エンタメ要素の投稿だけではなく、ライフハックのようなお役立ち動画も増えたことで、幅広い層のユーザーを取り込めるようになったため、ユーザーの年齢層が上がってきているのです。

ユーザーの男女比は日本も海外も女性比率が高い

ユーザーの男女比は日本も海外も女性比率が高い

次に、TikTokユーザーの男女比をみてみましょう。国内と国外では上記のように比率が異なります。総務省の「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、日本でのTikTok利用者の男女比は、女性55.9%・男性44.1%です。

DataReportalが発表した「TIKTOK STATISTICS AND TRENDS」によると、TikTokのグローバルユーザーの男女比は、女性54.1%、男性45.9%となっています(2023年1月時点)。

世界のユーザー属性

世界のユーザー属性

出典:DataReportal「TIKTOK STATISTICS AND TRENDS

まず、TikTokユーザー(18歳以上のアクティブユーザー)が最も多い国はどこでしょうか?DataReportalの「TIKTOK STATISTICS AND TRENDS」によると、上記のような結果になっています(2023年1月時点)。

最も多いのはアメリカで1億1,330万人、次いでインドネシアの1億990万人、ブラジルの8,220万人と続きます。次に、TikTokの各年齢層におけるユーザー数です(2023年1月時点)。

世界のユーザー属性

出典:DataReportal「TIKTOK STATISTICS AND TRENDS

18〜24歳が最も多く4億910万人(38.9%)、次いで25〜34歳が3億4,030万人(32.4%)となっています。この2つの年齢層で、全体のおよそ7割を占めています。最後に、2023年1月時点の年代別広告視聴者の男女比をみてみましょう。やはり、各年代で女性の比率が上回っていることが分かります。

世界のユーザー属性

出典:DataReportal「TIKTOK STATISTICS AND TRENDS

TikTokのビジネスモデル(収益構造)

TikTokのビジネスモデル(収益構造)

TikTokのビジネスモデルは大きく分けて、「広告収益」と「投げ銭」の2つがあり、広告収益については以下の5つに分類されます。

  • インフィード
  • トップビュー
  • 起動画面
  • ブランドハッシュタグチェンレジ
  • ブランドエフェクト
  • インフルエンサーコラボレーション

投げ銭は基本的に、7割がTikTokの利益になります。例えば、全部で100万円の投げ銭があった場合、TikTokの利益は70万円、配信者の利益は30万円といった具合です。また、投げ銭はわずか数円のものから数万円のものと幅広い種類があり、人気の配信者となると、1週間で数千万円の投げ銭を獲得します。

TikTokを活用したマーケティングが重要な理由と背景

TikTokを活用したマーケティングが重要な理由や背景

TikTokマーケティングが重要視されている理由として、インフルエンサーの影響力の高さにあります。ショート動画は、YouTubeのような一般的な動画に比べて尺が短いため、手軽に投稿できます。たとえ1分未満の短い動画でも、人気のインフルエンサーが登場していれば、一躍注目を浴びます。

さらに、アプリそのものが登場して間もないため、TikTokに参入している企業が比較的少ないところも理由の一つです。TwitterやInstagramなどのSNSは、登場から時間が経っているため、競合他社が多数存在しています。「インフルエンサーの高い影響力」と「競合他社の少なさ」から、マーケティングにTikTokを活用するケースが増えているのです。

TikTokマーケティングのメリット

TikTokマーケティングのメリット

TikTokをマーケティング戦略に活用するメリットとして、次の5つがあげられます。

  • 情報拡散力がある
  • ユーザーからの反応を得やすい
  • フォロワー以外にもリーチができる
  • 国内だけでなく海外ユーザーにもリーチできる
  • 消費金額が他のSNSよりも高い

1.情報拡散力がある

まず、TikTokには情報拡散力があり、その理由はTikTokのアルゴリズムが大きく関係しています。TwitterやInstagramなどのSNSは、「いいね」の数や「フォロワー」の数が多いほどユーザーに表示される回数が増えます。

一方、TikTokはアカウントの評価ではなく、動画単位で評価するシステムを採用しています。そのため、TikTokでは「アカウントの評価」や「フォロワー数」が表示回数に影響しないため、フォロワーが少なくても不利になりません

2.ユーザーからの反応を得やすい

前述のとおり、TikTokは情報拡散力があるため、ユーザーからの反応を得やすいというメリットもあります。TikTokでは、「いいね」の数や「フォロワー」の数に加えて、シェアやハッシュタグなど、ユーザー行動履歴の分析に基づく優れたレコメンド機能があり、フォロワー数に限らず、さまざまなユーザーに視聴してもらえるチャンスが多いです。

そのため、他のSNSよりもユーザーからの反応が必然的に多くなります。これにより、投稿者やクリエイターのモチベーションにつながりやすい傾向にあります。

3.フォロワー以外にもリーチができる

広告の種類 特徴 目的
起動画面広告 全ユーザーの起動時に表示される ブランディング
インフィード広告 おすすめに表示される 商品・サービスの認知拡大
チャレンジ広告 #(ハッシュタグ)を利用してユーザーに参加してもらえる 認知拡大・ファンの獲得
運用型広告 一般投稿に合わせて配信 コンバージョン獲得

TikTokには、4種類の広告機能があることをご存じでしょうか。TikTokには、フォロワー以外のユーザーにも、閲覧してもらえるチャンスがあります。広告機能をうまく活用することで、フォロワー以外のユーザーへアプローチしやすくなるのです。

4.国内だけでなく海外ユーザーにもリーチできる

TikTokは、海外ユーザーも多いため、うまく活用することで国内ユーザーだけでなく海外ユーザーにも発信できます。特に、海外展開している企業の場合、国内に留まらず、海外のユーザーにもコンテンツを届けやすいです。

さらに、ショート動画の特徴も関係します。「Twitter」を代表とするテキストを中心とした投稿は、言語を理解できない限り情報は届かないものの、ショート動画であれば、言葉を使わずとも理解できるコンテンツを作成できます。

5.消費金額が他のSNSよりも高い

TikTokは、他のSNSと比較して、消費金額が高いというメリットもあります。

博報堂の調査によると、TikTokは他のSNSに比べ消費される金額が最も多く、金額は約8万5862円にもなるといいます。これは、他SNSを含めた全体平均(4万2538円)の約2倍を超えています。ユーザーには若年層が多いため、「TikTok経由で商品を購入するユーザーは少ない」と思われがちですが、実は商品やサービスを購入する可能性が高いのです。

また、動画制作・映像制作を行っているkey MOVIEでは、『動画マーケティングとは?実施ポイントを目的から解説』という記事にて、動画マーケティングのメリットや、目的別・媒体別のポイントについて詳しく解説しています。宜しければこちらも併せてご覧ください。

TikTokマーケティングの注意点

TikTokマーケティングの注意点

TikTokを活用したマーケティング戦略には、さまざまなメリットがある半面、次のような注意点もあります。

  • 売り上げに直結するとは限らない
  • 著作権侵害に注意して施策を行う必要がある
  • やり方を間違えると炎上のリスクがある

注意点を知らないまま運用すると、リスクを負ってしまうかもしれません。これらを回避するためにも、注意点について事前にしっかり確認しておきましょう。

1.売り上げに直結するとは限らない

TikTokは、拡散力があるものの、全てが売り上げに直結するとは限りません。TikTok広告は、ユーザーに嫌悪感を抱かれにくいよう、広告感が薄くなる工夫がされます。これにより、ユーザーからは「普通の投稿」だと認識されてしまい、広告の存在を認知してもらえない可能性があるのです。

機会損失を防ぐためには、間接的に商品やサービスを訴求できる宣伝を行いましょう。ユーザーに嫌悪感を与えずに、商品やサービスを認知してもらう、顧客ロイヤリティーを獲得する、という工夫が必要です。こうした工夫により、TikTokを通してユーザーとのつながりを獲得できます。

2.著作権侵害に注意して施策を行う必要がある

TikTokで動画を作成する際は、著作権侵害に注意しましょう。楽曲などを無断で使用した場合、著作権侵害にあたるおそれがあります。例えば、ユーザーの間で流行している楽曲を使用すれば、注目度が高まります。しかし、楽曲の無断使用がみられた場合「著作権侵害」となるため、損害賠償を求められる可能性があります。

3.やり方を間違えると炎上のリスクがある

TikTokは、宣伝方法や提供するコンテンツを間違えると炎上する可能性もあります。例えば、特定の人や企業を批判するようなコンテンツは不適切です。また、私信的な情報を含んだコンテンツを誤って投稿してしまうと、スクリーンショットなどで拡散されてしまうおそれもあります。

さらに、炎上はTikTok内に留まらず、他のSNSでも拡散されて、収拾がつかないほど大きな規模となるケースもあります。当然ですが、炎上してしまうとユーザーからの信用がなくなります。

炎上リスクを回避するためには、複数人による運用など、工夫が重要です。複数の担当者でチェックし、「内容に問題はないか」「情報は間違っていないか」「アカウントは正しいか」などといった細かな観点から確認できます。

TikTokマーケティングにおけるKGIとKPI

TikTokマーケティングにおけるKGIとKPI

TikTokによるマーケティング戦略を行い、確実な結果を出すには、KGIとKPIが必須です。ここからは、TikTokマーケティングにおけるKGIとKPIについてそれぞれ解説します。

1.最終目標であるKGIを設定する

TikTokマーケティングを行ううえで大切なのは、最終目標であるKGIの設定です。特に、KGI設定では、具体的な数値に落とし込めるかどうかが重要となります。具体性がないと、どこを目標にマーケティングを進めればいいのか分かりません。目標を決める場合は「売り上げ40%拡大」のように、数字を含めて設定しましょう。

2.目標達成のためのKPIを考える

KGIを設定したら、それを達成するためのKPIを考えましょう。KPIを設定するうえで、以下の3つがポイントとなります。

  • 目標を明確化する
  • 目標を達成するために何が必要か考える
  • やるべき課題を設定する
  • TikTokによってユーザーにどのような貢献ができるのかを考える

例えば、「売り上げ40%拡大」というKGIに対して、「サイトの流入数を2倍にする」「メインの商品の売り上げを1.5倍にする」といったKPIが考えられます。そして、このKPIを達成するために、TikTokマーケティングでやるべき課題やタスクを考えます。

この場合、「サイトの流入数を2倍にする」をKPIとするならば、認知拡大するために、TikTokから自社サイトへ誘導できるコンテンツを作成する必要があります。また、「メインの商品の売り上げを1.5倍にする」場合は、商品の認知拡大、ブランディングが必要です。すると商品の内容にフォーカスしたコンテンツが求められます。

このように、KGI達成のためにKPIを立て、TikTokマーケティングに落とし込む作業が必要です。

参考: TikTokマーケティング戦略のメリット/注意点/始め方徹底解説【TikTok集客】 | Growth Seed

TikTokマーケティングでできる具体的な戦略

TikTokマーケティングでできる具体的な戦略

TikTokを活用したマーケティングとして、以下のような施策があります。

  • TikTok公式アカウント運用する
  • TikTok広告を活用する
  • インフルエンサーを活用する

それぞれの施策について詳しく解説します。

1.TikTok公式アカウント運用する

TikTokで認知度を上げたいと考えている企業は、公式アカウントの開設がおすすめです。公式アカウントであれば、ユーザーからの信頼を獲得しやすいだけでなく、知名度が高い企業であれば、話題性もあがります。また、ビジネスアカウントで運用すると「投稿動画の分析」や「インサイト分析」ができるので、以下のようなさまざまな観点から分析が可能です。

  • 合計再生時間
  • 合計視聴回数
  • 平均視聴時間
  • トラフィックソースの種類
  • 視聴者の所在地(国別)

詳しい設定方法や分析内容などは、TikTok for Businessにも掲載されていますので、併せてご確認ください。

2.TikTok広告を活用する

TikTok広告を活用するという方法もあります。広告を用いると、企業について知らないユーザーにも閲覧してもらえる機会が増えます。TikTok広告を活用する際のポイントは、「広告の種類について理解しているかどうか」です。

前述のとおり、TikTok広告は「起動画面広告」「インフィード広告」「チャレンジ広告」「運用型広告」の4種類があります。各広告によって特徴やメリットが大きく異なるため、KPIを達成できるように違いを理解して、自社に合った広告を活用しましょう。

3.インフルエンサーを活用する

インフルエンサーを起用したマーケティングも効果的です。その場合、インフルエンサーの選定を慎重に行いましょう。ターゲットが、どんな有名人に興味があるのかを事前にリサーチし、最適なインフルエンサーを選んでください。

自社の商品やサービスのブランディングを行う際には、「憧れ」や「尊敬」「親しみ」など、ターゲットがインフルエンサーに抱いている印象について理解しておいたほうが良いでしょう。

インフルエンサーマーケティングの費用とは?費用対効果を高めるコツも解説 インフルエンサーマーケティングの費用とは?費用対効果を高めるコツも解説

TikTokマーケティングを成功させるコツ

TikTokマーケティングを成功させるコツ

TikTokマーケティングを成功させるには、以下のポイントを押さえてください。

  • TikTokのアルゴリズムを理解する
  • 早期に地位を確立させる
  • ターゲットを明確にしてユーザー目線で動画を作る
  • ユーザー特性を理解してキャンペーン景品を用意する

それぞれのコツについて詳しく解説します。

1.TikTokのアルゴリズムを理解する

まずは、TikTokのアルゴリズムを理解することが重要です。アルゴリズムを理解すれば、どんな動画がどんなユーザーに届くのか、どんな動画が伸びるのかが予測できるようになります。そして、アルゴリズムの種類には、「加算式アルゴリズム」と「減算式アルゴリズム」の2つがあります。

「加算式アルゴリズム」は基本的に、大きな反応があった動画が長期的に再生回数を伸ばしていくシステムになっています。具体的な指標は公開されていませんが、以下の要素が関係していると考えられます。

  • いいねの数
  • コメントの数
  • シェア数
  • 視聴時間
  • 視聴完了数
  • 複数回再生数
  • 同アカウントの動画視聴数

一方、「減算式アルゴリズム」は、動画が上位に表示されなくなるシステムです。以下が、その要因といわれています。

  • 視聴維持率が低い
  • ほかのSNSへの誘導
  • 「興味ありません」ボタンが押されている

TikTokは、これらに気をつけてコンテンツを作っていくことが重要です。

2.早期に地位を確立させる

TikTokを活用するマーケティング施策では、早期に地位を確立させる必要があります。多くのユーザーにフォローしてもらうためには、定期的に動画を投稿する、ユーザー参加型のキャンペーンを行うこともポイントです。

3.ターゲットを明確にしてユーザー目線で動画を作る

TikTokでコンテンツを作るうえで大切なのは、ターゲットを明確にすること、そしてユーザーへの理解です。ターゲットを明確にしたうえで施策を実行しないと、思うような成果が得られない可能性があります。

例えば、有名人やインフルエンサーを利用すれば、注目は集まりやすくなります。しかし、有名人やインフルエンサーと、紹介する商品・サービスの相性が悪いと、ターゲットの心には響きません。

その結果、動画の再生数が伸びなかったり、再生回数の割に話題にならなかったりするなど、失敗する可能性が高いです。ターゲットを明確にするとともに、ターゲットの心に響きやすいコンテンツ作りをしましょう。

4.ユーザー特性を理解してキャンペーン景品を用意する

ユーザー特性を理解したうえで、キャンペーン景品を用意する方法も効果的です。多くの企業は、TikTokでキャンペーンを行っていますが、そのほとんどでキャンペーン景品が用意されています。

過去には、抽選でクオカードをもらえたり、CMに出演できたりするキャンペーンがTikTokで行われていました。これらのキャンペーンは、多くのユーザーが魅力を感じて参加し、大きな反響を呼んでいます。

<過去のキャンペーンの特典>

特典
ローソン 抽選でQUOカードが当たる特典付き
コカ•コーラ QUOカードやCoke Onのドリンクチケットの特典
ゲーム「荒野行動」 ゲームで使うアイテムをもらえる
ワイモバイル ワイモバイルのCMに出演できる
野外音楽フェス
「ウルトラジャパン」
抽選でイベント参加チケットやTシャツが当たる

このように、TikTokキャンペーンではユーザー特性を理解した景品を用意する方法も施策に活用できます。ただし、キャンペーン景品を通して、ユーザーの心情を満たせるかがポイントとなるため注意しましょう。

TikTokマーケティングにおける企業の成功事例5選

TikTokマーケティングにおける企業の成功事例5選

ここでは、TikTokマーケティングで成功した企業の事例を紹介します。成功事例を参考にしながら、効果的なマーケティング施策を計画しましょう。

1.コカ・コーラ

コカ・コーラ

引用:TikTok

コカ・コーラでは、2018年に「リボンでありがとうチャレンジ」というキャンペーンがTikTokで実施されました。これは「#リボンでありがとう」とハッシュタグをつけて、誰かにありがとうを伝える動画を投稿するという内容です。

このキャンペーンにより、ハッシュタグをつけた動画が合計で4,500万回も再生されました。さらに、公式ツイッターでは、応募から8名のユーザーが選ばれ、クリスマスイブに渋谷の屋外ビジョンで放映されるなどして、キャンペーンが広く知られるようになりました。

2.KIREIMO(キレイモ)

KIREIMO(キレイモ)

引用:TikTok

KIREIMOは、若い女性をターゲットにしている女性専用の脱毛サロンです。TikTokにおいても、美容に関するさまざまな情報を発信しています。KIREIMOは2020年に、「#キレイモいいね割チャレンジ」というTikTokのキャンペーンを実施しました。これはハッシュタグをつけて動画を投稿し、「いいね」の数に合わせた割引を実施するという内容です。

その結果、キャンペーンには8万人以上のユーザーが参加し、さらに動画は2億4,000万回以上も再生されたといいます。認知拡大やブランディングにつながった成功事例です。

3.ワイモバイル

ワイモバイルは、2018年に「と思いきやダンスCM出演チャレンジ」というTikTokキャンペーンを実施しました。ハッシュタグをつけて動画を投稿すると、実際にワイモバイルのCMとして採用され、テレビなどで放映されるという内容のキャンペーンです。

CMには、吉岡里帆さんや芦田愛菜さん、出川哲郎さんなど、知名度が高く中高生に人気の芸能人が出演し、瞬く間に話題となりました。

4.ユニクロ

ユニクロ

引用:TikTok

ユニクロのTikTok成功事例としては、2019年6月25日〜2019年7月11日に実施された「UTPlayYourWorld」というキャンペーンがあります。こちらは、日本・中国・アメリカ・フランス・台湾から、それぞれ1名のインフルエンサーを選ぶというオーディションのような内容です。

Twitterの公式アカウントでも拡散され、モデルやモデル志望のユーザーが参加するようになりました。その結果、動画投稿数は約20万件にも及んだと報じられています。キャンペーン開始からわずか2週間ほどで、累計でおよそ3.3億回も視聴されるという結果になりました。

5.AbemaTV

AbemaTV

引用:TikTok

AbemaTVは、無料動画や話題の作品を視聴できるインターネットテレビサービスです。YouTubeで動画の一部を公開している一方で、TikTokでは出演者によるダンス動画や撮影オフショットなど、TikTokでしか見られないコンテンツを配信しています。

中でも「今日、好きになりました。」というコンテンツは、中高生から人気を集め、このコンテンツに関連して「今日好きダンス」という動画を投稿しました。すると、中高生の間で一気に拡散され、「#今日好き」というハッシュタグをつけてダンスをする動画が投稿され、人気になりました。

さらに、番組自体を知らなかったユーザーにも広まり、「踊ってみた」動画がTikTok内で流行し、ブームの火付け役となったのです。

なお、株式会社VIDWEB(ビッドウェブ)が運営している「VIDWEBコラム」では、『TikTokマーケティングとは?集客戦略に効果的な3つの手法と企業の活用事例を解説』という記事にて、TikTok動画マーケティングの基礎知識や集客戦略に効果的な手法、企業の活用事例を詳しく解説していますので、こちらも併せてご覧ください。

TikTokのユーザーに対するインターネット調査

TikTokのユーザーに対するインターネット調査

最後に、株式会社ニュートラルワークスが実施した、TikTokの利用に関する実態調査の一部を紹介します。

【調査概要】

調査対象 :TikTokを日常的に使用しているユーザー

調査方法 :インターネット調査

調査期間 :2022年11月9日〜11月22日

サンプル数:395名

Q.TikTokをきっかけに企業のサービスや商品に興味を持ったことがありますか?

TikTokをきっかけに企業のサービスや商品に興味を持ったことがありますか?

引用:QUERRY「TikTokユーザーの42.5%が動画をきっかけに商品に興味、その内4割が購入にまで至るという結果に

「ある」と答えたのは42.5%です。その理由は、TikTokは過去の操作履歴や視聴履歴を基に分析し、興味をもちそうなユーザーにおすすめ動画の提案を行っているからだと考えられます。

TikTokが提案するおすすめ動画から、今までの視聴カテゴリーを越えた別のジャンルの動画に自然と触れる機会ができるため、今まで検索すらしていなかったサービスや商品を目にし、新しい出会いや発見・興味につながっていきます。

Q.前問で興味をもったことが「ある」と答えた方、TikTokをきっかけに実際に商品を購入したことがありますか?

TikTokをきっかけに実際に商品を購入したことがありますか?

引用:QUERRY「TikTokユーザーの42.5%が動画をきっかけに商品に興味、その内4割が購入にまで至るという結果に

TikTokをきっかけに企業のサービスや商品に興味をもったことが「ある」と答えた方の内、実際に商品を購入したことがあるのは41.6%でした。

TikTokは、お菓子や飲料など低単価の商品から、高級車や不動産までありとあらゆる商品に興味をもたせる場になっており、動画で消費を動かすことができるプラットフォームだと評価されています。

TikTokマーケティングとは?のまとめ

TikTokマーケティングのまとめ

TikTokマーケティングでは、具体性を持った緻密なターゲティングがポイントとなります。また、インフルエンサーを起用する際は、自社の商品やサービスと相性が良く、ターゲットから好感度を得られやすい人を選びましょう。SNSマーケティングに関する不明点やお悩みがある方は、ぜひニュートラルワークスにご相談ください。

ニュートラルワークスでは、WebマーケティングやSEO対策、オウンドメディア運営など、Webサイトに関するさまざまなサービスをトータルで解決できるよう提案しております。無料相談も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

監修者紹介

石田 哲也

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格