ピラミッドストラクチャーは、論理構造をツリー上に整理するロジカルシンキング・フレームワークです。主張を頂点に置き、ピラミッド状に根拠が配置されることが特徴で、主張と根拠を構造化できます。
ロジカルシンキングとMECEを意識することで、物事を論理づけて考え、明確な根拠を導き出すためのフレームワークです。有名なフレームワークですが、実際にビジネスの現場で日常的に使いこなしている人は多くないでしょう。ピラミッドストラクチャーの使い方をマスターすれば、さまざまな場面で活用できます。
ピラミッドストラクチャーを作成することで、頭の整理や矛盾点の確認ができ、資料作成やプレゼンテーション、議論の場においても、自分の主張に説得力を持たせることが可能です。この記事では、ピラミッドストラクチャーの概要から活用事例、具体的な作り方まで詳しく解説します。
目次
ピラミッドストラクチャーとは
ピラミッドストラクチャーとは、主張や結論とその根拠を、ピラミッド状に図式化するフレームワークです。「ピラミッド構造」と呼ばれることもあります。
主張や結論を三角形のピラミッドの頂点に置き、その正しさを示すための根拠が下位に配置されます。三角形を横方向に分割したような形となるため、ピラミッドのように見えることから名付けられています。
自分が伝えたい主張と、その根拠となる事実を図式化して整理することができます。頂点の結論から始め、下に移りながら説明することで、なぜその結論に至るのか、主張と根拠の関係性を伝えやすくなります。
ちなみにフレームワークは、物事を論理的に考えるための枠組みという意味で使われています。今回のピラミッドストラクチャーのように、用意された枠に当てはめて考えることで情報を分析し、課題を論理的に解決する糸口となるものです。
ピラミッドストラクチャーは、アメリカの大手コンサルタント会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニーで開発されました。コンサルタントの育成や、資料作成、報告能力の向上を目的としています。
その後、世界中のコンサルティングファームや企業、大学などでも広く使われるようになりました。現在では、ビジネスにおけるさまざまな場面で活用されています。
社内で新規事業の提案を行う際のプレゼン資料では、事業内容を頂点として、なぜその事業に参入すべきか、その理由はなぜか、という構造のピラミッドストラクチャーが使われます。
あるいはマーケティングツールを導入すべきという主張のためにも、根拠を構造化して説明するのに有効です。または、自分の考えを整理し、どのように報告すべきかを組み立てるなど、個人的にも使えます。
ロジックツリーとの違い
ピラミッドストラクチャーと似た形式のフレームワークに、ロジックツリーがあります。ピラミッドストラクチャーが上を頂点にして、下に広がる三角形になっています。それに対して、ロジックツリーは左に頂点を置き、右に行くほど広がる三角形になっています。
この2つのフレームワークは形は似ていますが、目的と役割は根本的に異なります。
ピラミッドストラクチャーは主張や結論を説明したいときに、その正しさを説明するための根拠を並べて組み立てます。頂点にある結論から、なぜならば、という関係で下位の要素に移っていく構造です。
それに対してロジックツリーは、解決すべき問題や課題を左に置き、それを構成する要素に分けていくことで、原因や解決策を導き出すために使われます。左にある物事をこのように分解できると、右側の要素に移っていく構造になっています。
つまり、ピラミッドストラクチャーは主張と根拠を説明するためのフレームワークです。そのため、主張を説明して相手を説得する際に多く使われます。
一方のロジックツリーは、物事と構成要素の関係を説明するものです。問題を分解することで対象を小さくし、それぞれの解決策を見つけるといった考えや議論を深める際に、多く使われます。
ピラミッドストラクチャーの必要性
ピラミッドストラクチャーは、主張の正しさを示し、相手を説得することを目的として多く使われます。つまり、自分の主張の正しさを分かりやすく説明するために、ピラミッドストラクチャーが必要とも言えます。
プレゼンテーションや会議の場で自分の考えを述べた際には、「その根拠は?」「エビデンスはあるの?」と質問されることがほとんどでしょう。ピラミッドストラクチャーを使えば、あらかじめその答えを用意し、資料に盛り込んでおくことも可能です。
新規事業として、「ECサイトを展開すべきである」という主張をするだけでなく、以下のような理由を加えておきます。
- 商品や在庫管理は既存の社内リソースで賄える
- 新型コロナウィルスの拡大以来、ECを利用する消費者が急増している
- 自社WEBサイトの制作を委託している会社が、ECサイト制作も素早く行える
さらにその下で、すぐにECに転用できる商品数、過去2年での国内EC市場の伸び率、ECサイト制作費と収支計画といった、エビデンスとなる数値を挙げて説明します。
上記の主張を説明していく論理展開は、ピラミッドストラクチャーが元になっています。実際にピラミッド構造状に図示するだけでなく、文章や説明の流れにも使用できます。分かりやすく自分の主張を噛み砕いて説明し、相手を説得するためにピラミッドストラクチャーが必要と言えるのです。
ピラミッドストラクチャーを使う5つのメリット
ここまでピラミッドストラクチャーの概要を説明してきました。では、実際にピラミッドストラクチャーを使うことで、どのような効果が期待できるのでしょうか。ここでは、得られる主なメリットを5つ紹介します。
コミュニケーションツールとして活用できる
ピラミッドストラクチャーには、主張や結論、それに至る理論、根拠となるエビデンスがすべて盛り込まれ、図式化されています。そのため、文章の形にしなくとも相手に論理展開を伝えることが可能です。プレゼンテーションが苦手な人でも相手にわかりやすく伝えられて、説明の途中で質問されても話の筋が途切れることがありません。
また、ピラミッドストラクチャーを土台にすることで、その主張や根拠などについての議論もスムーズに進められます。つまり、コミュニケーションを取るためのツールとして活用できるのです。議論を深めることでさらに説得力を増したり、より多くの根拠を集めたりすることも可能です。
自分が伝えたい内容や頭の中を整理できる
ピラミッドストラクチャーを作成するためには、主張から根拠までを漏れなく盛り込む必要があります。自分が伝えたい内容を設定し、根拠を示し、データを集め、それらを分類して配置することで、各要素のつながりを整理して論理立てることが可能です。
その過程で、根拠から結論までの要素を集められます。ピラミッドストラクチャーは、頂点に主張、中間部分にデータから導き出される根拠、そして底辺部分にはデータを配置します。そのため、ピラミッド型の図の穴埋めをしていくことで、必要なものが自然と揃うのです。その結果、あやふやだった結論が明確になり、論拠に乏しい主張のエビデンスを見つけることが可能です。
また同時に、主張や結論に至る部分が作成できなければ、その考えには足りない要素や矛盾点があることがわかります。ピラミッドストラクチャーは、結論がどのように導き出されるかを図示するので、論理展開に矛盾があれば一目瞭然となるためです。
自分の主張に説得力が増す
自分の主張をピラミッドストラクチャーに落とし込めれば、まず結論を示し、論理、根拠、データ、と順序立てて相手に説明することが可能です。
ピラミッドストラクチャーは自分の主張がどのようなもので、どのような根拠に基づいているか、一目で理解できるためです。図示されたうえでは、結論と根拠が帰納法的な論理展開で明確につながっていて、自分の主張が体系的に整理されています。
そのため、ロジックが明確な自分の主張が、強い説得力を持つようになります。また、相手が自分の主張をスムーズに理解しやすくなる点もメリットです。
会議が円滑に進む
会議は往々にして議論が行き詰まったり、表面的な主張だけをぶつけ合ったりと、円滑に進行しなくなってしまうものです。多くの場合、会議に参加しているメンバーが十分に情報を共有していないことや、結論や主張の根拠を互いに示せないことが原因です。
ピラミッドストラクチャーの頂点にある主張や、結論だけをメンバーが持ち寄ってぶつけ合っても、それ以上議論が深まることはないでしょう。各メンバーが自分の主張の根拠を明確にしていないことや、客観的なエビデンスとなるデータが不足しているためです。
各メンバーの思い込みや好き嫌い、勘や経験だけに頼っては議論は進みません。時には誤った結論に至ってしまいます。ピラミッドストラクチャーを作成することで、論理展開に矛盾はないか、根拠となるデータは十分かといった、より実質的な議論ができるようになります。
本質的に物事を考えられるようになる
ピラミッドストラクチャーを作成し、作成方法を身に付けることの最大のメリットは、本質的に物事を考えられるようになることです。ピラミッドストラクチャーを使いこなせるようになれば、自分の主張や結論を整理し、その根拠を論理立てて説明し、正しいと客観的に言えるだけのデータを探す手法がわかります。
論点を掘り下げて思考することで、本質的な論点に集中する方法が身に付くのです。ピラミッドストラクチャーというフレームワークを使いこなす、単なるテクニックではありません。議論、プレゼンテーション、資料作り、報告、提案といった多くのことに活用可能なスキルを磨けます。
ピラミッドストラクチャーの具体的な活用事例
次に、ピラミッドストラクチャーのビジネスシーンでの、具体的な活用例を見てみましょう。ピラミッドストラクチャーは、頂点に主張、結論、意見、目標、課題などを置き、下位に展開していきます。頂点に置くものは幅広く設定できますので、活用範囲も多様です。
プレゼンテーションをする時
ピラミッドストラクチャーが最も頻繁に使われる事例のひとつが、プレゼンテーションです。最も効果的に使える分野でもあります。
プレゼンテーションはそもそも、自分の主張や考えなどの伝えたいことを聞いている人たちにわかりやすく届けるのが目的です。そのため伝えたいことを論理的に展開させ、同時に説得力ある根拠を示せるピラミッドストラクチャーは、プレゼンテーションとの相性が非常に良いのです。
プレゼンテーションの資料作りでは、まず自分の主張を伝えるための簡潔なメッセージを設定しましょう。それを頂点に、矛盾なく隙のない論理的なピラミッドストラクチャーを作成します。
メッセージや論理を図示できるピラミッドストラクチャーがあれば、根拠やロジックは明確に伝えられます。その資料を元にプレゼンターが自らの言葉や、身振り手振りで熱量を伝えることで、主張にさらなる説得力を持たせられます。
ビジネス上の問題や課題を解決する時
ピラミッドストラクチャーは、ビジネスシーンにおける問題を理解し、解決方法を探し出すためにも幅広く使われています。ビジネス上で発生する問題や課題の多くは、意思決定に伴って現れます。「〇〇をすべきかどうか」「〇個ある選択肢の中でどれを選ぶべきか」という問題です。
その問題に対する結論や、自分が選びたい選択肢をピラミッドストラクチャーの頂点に置けば、根拠やデータを収集・整理していけます。そのため、非常に有効に機能するのです。
まず、自分の主張を図にしながら整理できるので、考えやデータが足りない点、論理展開の矛盾に気づけます。その不足点を満たしたときには、相手に対して強い説得力を持った解決策として、提示できるものが完成します。
また、複数の主張があった場合にも、それぞれの主張についてピラミッドストラクチャーを作成することが有効です。より深く主張を理解し合い、効果的な議論が可能となるためです。
上司や顧客などに交渉をする時
ビジネスでは交渉が頻繁に発生します。自分が商品を販売する営業担当で、顧客を新規開拓している際に値引きして売りたい場合には、上司の承認を得る必要があるでしょう。そこでは上司が交渉相手になります。
また同時に、自分の商品を販売したい相手に対しても、購入の決定や価格を交渉することとなります。これらの交渉に先立って、ピラミッドストラクチャーを活用して自分の考えや、主張をまとめておくことが有効です。
- 上司に対しては、値引きをしたいという主張を頂点にした、ピラミッドストラクチャーを作成します。値引きすれば競合に勝てること、その根拠としての競合の提示価格
- 値引きしても利益が出せること、その根拠となる商品の原価
これらを示すことで、自分の主張を伝えやすくなります。顧客に対しては、自社の商品を購入して欲しいという主張を頂点に、ピラミッドストラクチャーを作成します。
- 自社の商品が顧客の問題を解決できること、その根拠となる機能性
- 競合の商品よりも優れていること、その根拠となる性能比較や価格比較
- 自社のサービスが誠実なこと、その根拠となるアフターサービスや顧客満足度
これらが交渉時に有効な論理展開となります。自分の主張の根拠を示し、相手の疑問に先回りして答えを用意するために、交渉時にはピラミッドストラクチャーが活用できるのです。
ピラミッドストラクチャーの作り方5ステップ
ピラミッドストラクチャーには、フレームワークが用意されています。とはいえ、ただ穴埋めをするだけでは完成させられません。基本となる手順を知ることで、より素早く効果的に、ロジカルなものを作ることができます。ピラミッドストラクチャーの具体的な作り方を、5ステップに分けて見ていきましょう。
論点から主張を考える
ピラミッドストラクチャーには必ず、結論を出すべき論点があります。この論点がすべての出発点なので、正確に理解して設定しなければなりません。
例えば、飲食店を複数店舗経営している会社が、「フランチャイズ制を導入して店舗展開すべきか」という議論をする場合を考えてみましょう。その論点は、「フランチャイズ制を導入すべきか」となります。
次に、この論点に対して、ピラミッドストラクチャーの頂点となる主張や結論を考えます。上の例では、「フランチャイズ制を導入すべき」あるいは「フランチャイズ制を導入すべきではない」の、どちらかになります。
どちらかを主張として、ピラミッドを組み立てることになります。この主張は「キーメッセージ」あるいは「メインメッセージ」と呼ばれることもあります。
ここで、資金調達をして直営店舗を増やすべき、という主張を設定してしまうと、論点と主張がずれることになります。それでは議論が噛み合いませんので、論点を把握してそれに直結する答えを主張として、設定する必要があります。
フレームワークを考える
ピラミッドの頂点に置く主張が決まったら、どのような論理展開になるかのフレームワークを考えます。荒いストーリーを設定して仮説を立てる、とも表現できます。頂点の主張のためには、どのような根拠があれば良いのか、主張を導くために効果的な要素を組み立てます。
フランチャイズ制を導入すべきという主張を設定した場合には、次のようなフレームワークが想定されます。
- 会社の利益は増えるのか
- 各店舗は黒字化できるのか
- フランチャイズ化のノウハウは得られるのか
ここでのフレームワークは、MECEである必要があります。MECEとは、ミーシー、あるいはミッシーなどと発音されます。漏れなく重複がないという意味の英語表現「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字をとったものです。
物事を分解して整理する際にMECEになっていれば、漏れもないのですべてが網羅されていて、重複もないので無駄がありません。
ピラミッドストラクチャーにおいては、主張の根拠はMECEであるべきです。自分の主張に対して、想定していない疑問や反論がくる余地が残っていると、説得力が低くなってしまうためです。
もちろん仮説は後から追加されたり統合されたり、あるいは間違いなら削除されたり、完成までに修正されます。しかし、この段階で可能な限り多くの仮説を出しておきましょう。
複数の情報をグルーピングをする
フレームワークを決めたら、関連する情報を洗い出しましょう。ピラミッドストラクチャーの頂点にある主張に関する、さまざまなデータが見つかるはずです。どのような内容でもジャンルでも良いので、まずは可能な限りたくさん収集すべきです。
今回の例で言えば、以下のような情報を思いつく限り調べることから始めます。
- 自社内の店舗の経営情報
- 同業他社でフランチャイズ展開している会社の情報
- 一般的なフランチャイズ制度に関する研究
- フランチャイズ権の販売による売上額予測
- 消費者のフランチャイズ制度に関する意識
- 自社の店舗が新規出店した場合のシミュレーション
できるだけ多くのデータを収集したら、次にそれらのデータを共通する内容ごとにグループ分けします。前段階で作成したフレームワークのうち、どの根拠やデータとして使える情報かによって分類していくと良いでしょう。先程のフレームワークの例でグループ化すると、このようになります。
会社の利益は増えるのか
- 自社の店舗が新規出店した場合のシミュレーション
- フランチャイズ権の販売による売上額予測
各店舗は黒字化できるのか
- 自社内の店舗の経営情報
- 消費者のフランチャイズ制度に関する意識
フランチャイズ化のノウハウは得られるのか
- 同業他社でフランチャイズ展開している会社の情報
- 一般的なフランチャイズ制度に関する研究
これらの情報が、ピラミッドストラクチャーの底辺部分のデータとなります。
メッセージの抽出を行う
情報をグルーピングしたら、それらの情報を根拠として主張できるメッセージを抽出します。情報を要約するだけではなく、解釈してメッセージを導くことが大切です。それが自分の主張につながるためです。
いわば、情報が何を示しているかを解釈する工程です。情報をグループ化し、「So what?(だから何?)」をキーワードにまとめます。
ただし、情報を強引に主張に結びつけてはいけません。客観的にロジカルであることが必要です。ここでのメッセージの抽出は、ロジカルシンキングの基本である演算法と帰納法に基づいているか意識してください。
演繹法とは、一般論やルールに観察事項を加えて、必然的な結論を導く思考方法を指します。帰納法とは、観察されたいくつかの事項から、一般論を導く思考方法のことです。
例えば、自社の店舗が新規出店した場合のシミュレーション、フランチャイズ権の販売による売上額予測、この2つの情報は観察された事例と言えます。これらから、新店舗がどの程度の確率で成功しそうかを、帰納的に計算して主張できます。結果として、以下のようなメッセージが導き出せます。
- 自社の店舗が新規出店した場合、すべて黒字で経営できている
- フランチャイズ権の販売では、出店時に収入が生まれる
So what?
→ フランチャイズ制度は自社の利益に貢献する
また、一般的なフランチャイズ制度に関する研究に、同業他社の情報という具体的な観察事項を加えて解釈することで、自社がフランチャイズ制度を導入した場合を演算的に予測ができます。それにより、以下のメッセージが抽出できます。
- 一般的なフランチャイズ制度の研究で概要を理解できる
- 同業他社のフランチャイズ展開の情報を、自社の場合に応用できる
So what?
→ 自社はフランチャイズ展開ノウハウを取得可能である
全体のロジックに問題がないか確認する
グループごとにメッセージの抽出ができても、独りよがりの強引な解釈になってしまっているかもしれません。情報からメッセージを抽出したのとは逆に、情報がメッセージの根拠となっているかを確認しましょう。
ここでのキーワードは「Why so?(なぜ、そう言えるの?)」です。メッセージ「フランチャイズ制度は自社の利益に貢献する」
Why so?
→自社の店舗が新規出店した場合すべて黒字で経営できている。また、フランチャイズ権の販売では、出店時に収入が生まれるため。
メッセージ
「自社はフランチャイズ展開ノウハウを取得可能である」
Why so?
→一般的なフランチャイズ制度の研究で概要を理解できる。また、同業他社のフランチャイズ展開の情報を、自社の場合に応用できるため。
そして、ピラミッドストラクチャーの頂点にある主張へと、結論づけることとなります。
- 会社の利益は増える
- 各店舗は黒字化できる
- フランチャイズ化のノウハウは得られる
So what?
→ フランチャイズ制を導入すべき
ピラミッドストラクチャーを使うときのポイントやコツ
ピラミッドストラクチャーを仕事で使う際には、押さえておくべきポイントやコツがいくつかあります。ピラミッドストラクチャーが本来のポテンシャルを発揮できるよう、以下の点を意識しましょう。
論点に対してダイレクトに答えが出ているか
最初に特定すべき論点は、ピラミッドストラクチャー上には書かれません。そのため、論点と主張がずれてしまうことがあります。それでは相手に主張を伝えても、答えになっていないと言われてしまうだけです。
ピラミッドの3層は正しく構成されているか
ピラミッドの構造は、頂点に主張、その下に根拠、最下部にデータの3層になっています。上部の層は、自分の主張したいことを示し、なぜならば根拠は……と説明する、という論理展開になります。そして、3層目には根拠を導き出すデータが置かれます。
結論と根拠だけで論旨が伝わる形になっていて、データは添付資料と考えるとわかりやすいでしょう。主張を説明する際に3層目のデータに言及する必要がある場合には、論理が飛躍している可能性が高いと言えます。
伝えたい相手や反論者を想定しているか
ビジネスにおいて自分の主張を伝えても、すぐに納得されることは少ないでしょう。議論においても、反対の立場を取る人が現れることがほとんどとも言えます。ピラミッドストラクチャーを作成する際には、それらの反論にも備えておくことで、より説得力が増します。
そのために役立つのが、仮説を立てて情報を集める方法です。前出の論点では、主な結論として「フランチャイズ制度を導入するべき」「フランチャイズ制度の導入は見送るべき」という2つが想定されます。
この2つを仮説としておき、両方について考えてみるのです。集められるデータはほぼ同じなので、そのデータから矛盾のない根拠や結論として導かれるのは、どちらなのかがわかります。また、自分の主張とは逆の意見についても、その考えの理由や矛盾点を理解することができます。
ピラミッドストラクチャーのまとめ
ピラミッドストラクチャーは、自分が伝えたい主張とその根拠、根拠のエビデンスとなるデータをピラミッド状に図式化するフレームワークです。プレゼンテーション資料の作成時や、議論を進めるツールとして、自分の主張を説明し、相手を説得する際に有効です。何より課題や物事を本質的に捉え、考えを整理してまとめることを可能にします。
自分の話が相手に伝わりにくい場合、情報や根拠をロジカルに並べて話せていないことがほとんどです。まず主張や結論を示し、その根拠を論理的に展開し説明するのが理想です。ピラミッドストラクチャーを使いこなすことで、その手法を身に付けることができます。
しかし、ピラミッドストラクチャーはまだまだ広く浸透しているフレームワークとは言えません。習得するには訓練も必要です。
ニュートラルワークスでは、ビジネスの課題を解決するため、あるいはマーケティング施策を決めるための数多くの事例とともに、ピラミッドストラクチャーの活用方法もお伝えできます。オンラインビジネスでお困りのこと、お悩みがありましたら、無料相談も受け付けていますので、ぜひご相談ください。