調査レポートは、製品やサービス、そして企業の将来性を高める内容であることが理想です。同時に、シンプルで誰もが見やすい調査レポートであることも要求されます。
そこでこの記事では、効果的な調査レポートを作成するために必要な基本項目と、成功のためのコツを詳しく紹介します。
調査レポートの書き方でお悩みの方は、ぜひ本記事をご一読いただき、作成の際の参考にしてください。
<無料>資料ダウンロード
【プロにお任せ】プレスリリース作成代行
拡散力の高い「調査リリース」で見込み顧客への認知を最大化!
目次
調査レポート(調査報告書)とは
参考:【調査レポート】最も苦手なWebマーケティング領域 1位はSEO外部対策!Webマーケティング活動に対する意識調査結果
調査レポート(調査報告書)とは、製品・サービスの訴求や顧客満足度の向上に生かす目的において市場調査を行い、調査結果をまとめたレポートのことをいいます。
調査レポートは、課題や問題解決を目的として作成するもので、単に報告するだけではないため、整合性の取れたデータを記載することが重要です。
例えば、企業が新たなサービスを展開する際には、そのサービスが課題に対し有益な解決策となるのか否かの根拠となるデータが用意されている必要があります。
調査レポートの例
調査レポートの種類には、アンケートや市場調査などの実態調査、企業の信用調査などさまざまなものがあります。
- 市場調査報告書
- アンケート調査結果報告書
- 信用調査報告書
- トラブル報告書
- クレーム報告書
- 研究開発報告書
調査レポートの基本構成
調査レポートの基本構成は、以下のようになります。
1.目次
2.調査の目的
3.調査方法
4.調査対象
5.調査機関
6.調査結果
7.分析
8.今後の対策
9.添付書類
1.目次
調査レポートを作成する際は、まず目次の構成から入ることが基本です。具体的な調査の内容にかかわらず、目次があることにより、レポートのどこに何が記載されているのか、すぐに判断できます。
2.調査の目的
調査の目的には、調査の目的や方向性が分かるよう、以下のような内容を明確に記載しましょう。
- 何のために調査を行うのか
- 何を明らかにして、何を読み手に伝えたいのか
- 調査を行ってどうしたいのか
- 現状はどうなっているのか
3.調査方法
調査方法では、どのように調査を行うのかに関する内容を記載します。この調査方法には、以下のように複数の調査法があるため、BtoBやBtoCなどの事業形態によって使い分けることが重要です。
- 覆面調査
- アンケート調査
- インタビュー調査
- 行動観察調査
- ソーシャルリスニング
- デスクトップリサーチ
また、調査方法を記載する際は、なぜその方法を選択したのか理由も記載しておくと説得力が増します。
4.調査対象
誰をターゲットにするのか、調査の対象を記載します。例えば、アンケート調査であれば、「30代〜50代の男性」というように、誰を対象にアンケートを依頼するのか具体的に明記します。
また、調査の対象がどのくらいの規模になるのかについても、記載しておくようにしましょう。例えば、20人を対象とした調査より、200人を対象とした調査結果のほうが説得力が増すからです。
5.調査期間
調査期間は、調査に要する時間ではなく、調査を行う時期のことを指します。そのため、「調査期間2カ月」という記載ではなく、「2023年6月1日〜9月30日」など、具体的な日時を記載しましょう。
6.調査結果
調査に対し、どのような回答や数値を得られたのか、調査の項目ごとに記載します。調査結果は、調査レポートの中でも最重要項目になり得る箇所のため、文頭で結論を語り、同時にその証拠となる表やグラフを記載しながら、結論を強調できるようにしましょう。
7.分析
分析では、どのような分析を行ったかを記載します。主観だけでなく、客観的な視点で分析し、調査内容をもとに考察を述べることも重要です。さらに、今後の市場動向などについての記載もあると良いでしょう。
8.今後の対策
分析結果から、今後の展開について記載します。例えば、「〜という分析結果から、自社では〇〇という戦略を実行できる」というように、今後の方向性を具体的に提案することが必要です。
9.添付書類
添付書類には、添付する書類名や資料名を記載します。第三者目線から根拠となり得る資料は、全てまとめて揃えて添付するようにしましょう。
調査レポートの書き方
効果的な調査レポートを作成するためには、さまざまなポイントに留意する必要があります。ここでは、以下6つのコツについて、みていきましょう。
- 5W1Hを心がける
- レポートの冒頭に要約を書く
- 客観的事実と考察を区別する
- グラフや表を活用する
書き方1.5W1Hを心がける
調査レポートを作成する際は、5W1Hを心がけてください。
- Who(誰が)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
市場調査レポートでは、多くの情報を記載することになります。そのため、余計な文章や情報が増えると、読み手の混乱を招きかねません。作成時の思考を整理するためにも、5W1Hを意識しましょう。
書き方2.レポートの冒頭に要約を書く
参考:【調査レポート】最も苦手なWebマーケティング領域 1位はSEO外部対策!Webマーケティング活動に対する意識調査結果
調査レポートの冒頭に要約を記載することで、読み手はレポートの全体像を掴みやすくなります。また、読み進めるうえで、内容を理解しやすくなるというメリットもあります。
書き方3.客観的事実と考察を区別する
調査レポートは、客観的事実と考察を区別して記載することが大切です。
二つの要素が混在した文章では、読み手がどちらなのかを判断しにくく、場合によっては捉え方が変わってしまうおそれもあります。そのため、レポート内では事実なのか考察なのかが明確に分かるよう、区別して記載しましょう。
書き方4.グラフや表を活用する
調査レポートは、グラフや表を積極的に活用していきましょう。データや統計を視覚的に表すことで、読み手は情報を把握しやすくなります。
ビジュアル要素をうまく生かし、分かりやすい調査レポートを心がけましょう。
調査レポートの例文
ここでは、「新製品の売り上げ」「テイクアウト(飲食店)に関する調査結果」をテーマにした二つの例文を紹介します。
【例文1】新製品の売り上げに関して
2023年4月1日(仮)提出先の部署および役職名〇〇様
提出者部署名〇〇
新製品「〇〇」の売り上げ状況に関する調査報告書
以下の通り調査を実施致しました。その調査結果をご報告します。
調査の目的:新製品〇〇の市場での浸透度のチェック
調査機関:2023年3月1日~28日(火)
調査方法:実際の購買データによるPOS分析
調査対象者:新製品を購入した顧客
調査結果の要約
新たに販売した〇〇が、どの程度ユーザーに受け入れられているのか、競合他社の製品や自社の他製品との比較も含め、現状を知るために調査を行いました。売り上げが上がっている店舗のある一方で、伸び悩んでいる店舗もあります。そのため、具体的な対策を検討する必要があります。
1.新製品の販売状況
どの時間帯に売れていて、リピーターが増加しているかどうかということの調査結果
2.シェアの比較
(新製品を販売し、一定期間を経た時点で他社の競合製品や自社の他製品と比較を行い、どれほど認知されていて売り上げを上げているかどうかということの調査結果
3.店舗ごとの売り上げ
(店舗ごとの売り上げを数字で示すとともに、店舗での新製品販売における取り組みを調査した結果)
所感
売り上げをスムーズに伸ばす店舗のある一方で、競合他社の製品売り上げに追いついていないケースや、自社の他製品との間にカニバリズゼーションを生じているケースもあった。売り上げを伸ばしている店舗の取り組みなどをさらに分析し、今後の対策に役立てることが必要。
【例文2】テイクアウト(飲食店)に関する調査結果について
2023年4月1日(仮)提出先および役職名〇〇様
提出者部署名〇〇
テイクアウト(飲食店)に関する調査報告書
以下の通りご報告を致します。
調査の趣旨
新型コロナウイルスの感染蔓延により、特別措置法にもとづく緊急事態宣言が出されました。この影響によって、飲食店の営業に影響が及んでいます。このような状況下において消費者側の行動に影響が出たのかどうかを調べるため、テイクアウトに関する調査を実施しました。テイクアウトは、ここでは主に飲食店でのテイクアウトとしています。
調査方法
期間:2023年3月1日~3月28日(火)
対象:20代~60代の当社会員500人
方法:インターネットによるアンケート
調査結果概要
60%を超える方が直近1カ月間でテイクアウトを行ったと回答し、そのニーズは拡大傾向にある。また外食の減少した分、テイクアウトに要する費用もアップしたことが判明した。行きつけの店舗の他にも、これまで訪れたことのなかった飲食店へのテイクアウトにも期待を寄せる声も出ている。
調査詳細
1.直近1カ月間のテイクアウトを利用した回数
(テイクアウトの利用回数・回数の増減・今後の利用についてといった質問を設定。子どもがいる家庭やもともと外食の多い家庭など、背景を分類した集計を行ってもOK)
2.テイクアウトを利用する際に重視するポイント
(費用や店舗の立地・ネット注文対応か否か・行きつけの店舗かどうか・自分では作ることの不可能な料理か否か等)
3.テイクアウトに要する費用
(テイクアウトに要する費用の変化や1度あたりの費用価格等)
所感
今回のアンケートの結果では、外出の自粛を受けてテイクアウトの利用が増加し、今後も増加する可能性を含んでいます。テイクアウトの良さを再発見したり、これまで口にしたことのなかった料理を味わってみたりといった、飲食店のテイクアウト事業の拡大が期待できる結果となっています。
調査レポートの書き方まとめ
調査レポートの作成は、基本項目と書き方を押さえ、客観的な視点で簡潔に記載することが重要です。
グラフや表などの視覚情報、5W1Hといったフレームワークに当てはめて作成することで、読み手が見やすい報告書の作成につながります。
正確かつ分かりやすい調査レポートを作成し、それ以降のマーケティング施策に役立てていきましょう。
<無料>資料ダウンロード
【プロにお任せ】プレスリリース作成代行
拡散力の高い「調査リリース」で見込み顧客への認知を最大化!