Webサイトの制作やリニューアルでいろいろなサイトを見ていると、参考にしたいカッコいいサイトがたくさん見つかります。そういったサイトの一部はパララックスデザインを採用しているかもしれません。パララックスデザインのメリット、デメリット、導入事例をご紹介します。
▼目次
パララックスデザインとは、Webサイトに立体感や遠近感、高いデザイン性を持たせるデザイン表現です。Parallax(パララックス)とは日本語で「視差」という意味になります。Webデザインでは、画面をスクロールするのに併せて、各要素のスピード感を変えたり、配置を変化させたりすることが可能です。
立体的で奥行きのあるデザインを実現することができるため、Webサイトがより洗練された印象になります。結果として企業のイメージアップにつながったり、動的な印象を与えることができたりします。
パララックスデザインを導入すると、どのようなメリットがあるでしょうか。導入するメリットを詳しく掘り下げてみましょう。
パララックスデザインの最も大きなメリットは、やはりデザイン性の高さです。おしゃれで洗練されたイメージ、先進的であるという印象を与えることができます。企業のWebサイトは今や、必要な情報が載っていればよいというわけではありません。競合他社との差別化を図ることや、時代に合わせて前進しているという「先進的な企業イメージ」を与えることも重要です。
また、パララックスデザインを上手く活用することで「アピールしたい情報」や「コンセプト」など、重要なワードやメッセージを強く印象付けることもできます。文字情報だけでなく写真やイラスト、フォントなどを組み合わせ、視差効果をつけることで視覚的な訴求力も高まります。
パララックスデザインは、単純におしゃれで先進的な印象を与えるだけではありません。ページの内容にストーリーを持たせ、それをよりわかりやすく、伝わりやすくする効果もあります。
どんな企業の商品やサービスにも、開発や提供に至るまでのストーリーがあります。それらを視差効果を加えながら表現、演出することによって、ユーザーに響きやすくなるのです。伝えるときに順序が重要になる情報を、効果的に伝えることにも役立ちます。
パララックスによって、ユーザーは能動的にスクロールしてくれるようになります。ページの情報を読み込む前に、単純な「動き」に興味をもってくれるのです。スクロールするたびに「どんな風に動くのだろう?」「次は何が出てくるのだろう?」っという視覚的な興味を引き出すことができるのです。自然とWebサイト自体への興味関心が高まり、滞在時間も長くなりやすいでしょう。
おしゃれで素敵なサイトに仕上がるパララックスデザインですが、一方でデメリットになってしまうこともあるので留意してきましょう。デザイン性を高めることで起こる、別の側面について解説します。
パララックスデザインを導入するには、JavaScriptとよばれるプログラミング言語を使用します。ページを表示させるとき、JavaScriptを処理するのに時間がかかるため、パララックスデザインを取り入れない場合と比べて、サイトの表示速度が遅くなる場合があります。
表示速度対策として、ページの表示速度が重くなるほどの効果を入れないように調整することや、ページを読み込み中であることを知らせるローディング画面を入れるなどの施策が考えられます。ページの読み込み速度が遅いと、ユーザーはサイトを離れてしまいます。できるだけ離脱リスクを減らす対策をとっていけば、パララックスデザインを有効活用できるでしょう。
ユーザーによっては、パララックスデザインが好まれないこともあります。理由としては、コンテンツやメニューなどがどこにあるか見つけにくかったり、ページのどこを見ればよいかがわかりにくかったりするためです。Webサイトに知見のないユーザー層や、年齢層などによっては、パララックスデザインは使いにくく、わかりにくいサイトと嫌煙されてしまう場合もあります。
パララックスデザインを導入する場合、スマホとPCでのデザインを変える必要があります。一般的な従来のWebサイトであれば、レスポンシブデザインの技術を使えばスマホでもPCでもタブレットでも、どの端末にも対しても同じHTMLやCSSを使用できます。しかし、パララックスデザインの場合は表示させる端末ごとにアニメーションを変えることが必須です。その分時間や手間がかかることを念頭に置いておきましょう。
パララックス効果を用いたWEBサイトを作るには、いくつかの方法があります。もっとも簡単な方法は、プラグインを実装する方法です。プラグインの種類も比較的豊富なので、自由度や個々の知識レベルに合わせて選んでみてください。
ただし、プラグインを導入すると、細かい部分のカスタマイズが必要になるため、面倒に感じるかもしれません。また、HTMLマークアップによってパララックスを入れ、CSSに基本のスタイルを適用させることでもパララックスサイトを作ることが可能です。
実際にパララックスデザインを取り入れている企業サイトを見てみましょう。
ドイツの高級車メーカー「ポルシェ」のWebサイトでは、画面をスクロールすると車種が入れ替わり、それに伴って流れる音楽も変化する画期的なWebサイトになっています。各年代ごとの歴代車、当時ブームとなっていたサウンドを同時に流すことでポルシェの長い歴史とストーリーを伝えています。
外部リンク:ポルシェ
経営やマーケティング、デザインに関するコンサルティング事業を行う企業のWebサイトです。非常に個性的な絵画を使っていますが、基本的にはシンプルなメッセージがふわっと浮かび上がってくる構造です。複雑すぎない、しかし印象に残りやすいWebサイトに仕上がっています。
外部リンク:DONGURI
鹿児島県の離島にある、観光客向け宿のWebサイトです。スクロールすると、現地の風景や宿のイメージ写真が降りてくるようなアニメーション。こちらも非常にシンプルですが、文字や写真のセンスとイメージ写真の動かし方で、とても個性的なサイトになっています。ホテルや旅館などの観光業は、ユーザーにイメージを沸かせることが重要ですので、パララックスデザインサイトでのPRと相性がよいです。
外部リンク:KOSHIKI stay
東京都内にあるWeb制作会社のサイトです。スクロールすると人物が移動したよう見えたり、思わぬところからテキストが出現してくるという美術性と意外性を兼ね備えたデザインです。イメージアイテムがとても印象的なのに、テキストを邪魔しないという計算されつくしたアニメーションになっています。
外部リンク:Anton & Irene
洗練されたパララックスデザインは、専門知識のあるWebデザイナーに依頼できるのがベストでしょう。外部のデザイナーやWeb制作会社に依頼するときに注意しておきたいことを3つまとめました。
自社サイトをどのような印象のパララックスサイトにしたいか、具体的に伝える必要があります。そのためには、イメージに近いサイトをいくつかピックアプし、実際の動きやレイアウト、操作性などについて細かく要望を出すことが必要です。要件を具体的に伝えないと、サイト全体のイメージが大きく変わってしまったり、自社の伝えたいメッセージがわかりにくくなってしまうこともあるので注意してください。
視差効果のアニメーションは、複雑にし過ぎないことも大切になります。デザイン性や印象ばかりを重視するのではなく、ユーザーの見やすさや使いやすさを考慮したデザインにしていきましょう。外部に依頼する際には、デザインのプロに「本当にアニメーションを入れる必要があるか?」という点や、自社のイメージにパララックスデザインが必要か?という点から相談してみることも必要です。
パララックスデザインを実装した場合、リリースする前にテストを行ってください。テスト時にチェックしておきたいポイントは次の3つです。
アニメーション自体が正常に作動しているかどうかを確認してください。また、本来表示させるべきものが表示されていない、ということもあるので要チェックです。動作だけでなく、このデザインで伝えたい情報がユーザーに届くかどうか?という視点からも最終チェックをしてみましょう。
パララックスデザインを取り入れるサイトは年々増えています。日々たくさんのWebサイトが開設されており、人の記憶に残るサイトを作ることが求められる時代です。視覚的なPRで自社の印象を強く残すこと、またサイトへの興味関心を引き出すためにも、パララックスデザインは有効です。
ただし、デザイン性だけに飛びつくのは少々危険です。デメリットや注意点をしっかり把握したうえで、どのようなデザインにするか念入りに検討し、制作する必要があるでしょう。ニュートラルワークスではパララックスデザインを取り入れたWeb制作のご依頼も承っています。どんなサイトにしたいのか、曖昧なイメージで結構ですのでご相談ください。ふわっとしたイメージを具体的なデザインに落とし込むお手伝いをさせていただきます。
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