現代のデジタルマーケティングにおいて、SEO(検索エンジン最適化)は欠かせない施策の一つです。しかし、対策をしているにもかかわらず、思うような結果が得られないとお悩みの方が少なくありません。
こうした問題を放置すると、検索結果の上位に表示されないばかりか、競合他社にユーザーを奪われてしまうリスクも高まります。そこで注目すべきが「データベース型SEO」です。
この記事では、データベース型SEOの概要と意識すべきポイントを詳しく解説します。
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目次
データベース型SEOとは
データベース型SEOとは、膨大なデータベースを活用してWebサイトを構築し、SEOを行う手法のことです。通常のSEOでは、個々のページ(コンテンツ)を最適化することが中心ですが、データベース型SEOでは、サイト全体の構造や内部リンクの最適化に重点を置きます。
データベース型サイトでは、同じテンプレートを使用して多くのページを生成するため、個別のページの質よりも全体の構造や内部リンクの最適化が重要となるからです。
データベース型サイトの構造
データベース型サイトとは、データベースに蓄積された情報をもとに、自動生成されるページ群で構成されるWebサイトのことを指します。一つのテンプレートをもとに多くのページが作成されるため、大量の情報を効率良く管理・提供することが可能です。
例えば、レシピサイトや求人サイトなどが典型的なデータベース型サイトとして挙げられます。これらのサイトでは、各レシピや求人情報がデータベースに格納され、ユーザーの検索や閲覧に応じて動的にページが生成される仕組みです。
また、データベース型サイトの構造は主に「データベース」「テンプレートエンジン」「フロントエンド」の3つの要素で構成されます。
データベースには、商品情報やユーザー情報などが格納されており、テンプレートエンジンがこれらのデータをもとにページを動的に生成します。フロントエンドはユーザーが実際に目にする部分で、視覚的にデータを表示するのが特徴です。
例えば、求人サイトでは求人情報がデータベースに蓄積され、検索結果ページや詳細ページはテンプレートエンジンを使って生成されます。
データベース型サイトの種類
種類 | 例 | 特徴 |
---|---|---|
レシピサイト | クックパッド | 料理レシピをデータベースに登録し、ユーザーが検索やフィルタリングでレシピを見つけられるように構成されている |
求人サイト | リクナビ、マイナビ | 求人情報をデータベースに格納し、ユーザーが職種や勤務地などで検索できるようになっている |
ECサイト | Amazon、楽天 | 商品情報をデータベースに登録し、ユーザーが商品を検索・購入できるように構成されている |
これらのサイトはデータベースを活用することで、ユーザーに対して豊富かつ関連性の高い情報を提供できます。SEOとしても効果的であり、多くのトラフィックを集めやすいのが特徴です。
データベース型サイトがSEOに強い理由
データベース型サイトがSEOに強い理由として、主に以下の点が挙げられます。次項で詳しく見ていきましょう。
- 情報の網羅性や関連性が高い
- ロングテールキーワードにも対応しやすい
- 検索エンジンに受け入れられやすい
情報の網羅性や関連性が高い
データベース型サイトは、膨大な情報をデータベースに一元管理しており、各ページにリンクする構造になっているのが特徴です。ユーザーが求める情報を一つのサイトで完結できるため、情報の網羅性と関連性の高さにおいて検索エンジンから高く評価されやすい傾向にあります。
さらに、複数の情報を得られることで、サイトに訪れたユーザーの滞在時間が増すことも、SEO評価を高める一因となるのです(検索エンジンはユーザーの滞在時間も重視するため)
ロングテールキーワードにも対応しやすい
ロングテールキーワードとは、検索ボリュームは少ないものの、特定のニーズに対応した具体的なキーワードのことです。
例えば、求人サイトでは「エンジニア 求人 東京」や「未経験 エンジニア 大阪」などの具体的な検索クエリに対し、それぞれの求人情報ページが生成されます。これにより、特定のニーズを持つユーザーを効率良くページに誘導できるのです。
検索エンジンに受け入れられやすい
データベース型サイトが検索エンジンに受け入れられやすい理由は、データベースをもとに自動生成されるページが一貫性と規則性を持つためです。
検索エンジンは、サイトの構造がシンプルで一貫しているほどクロールしやすくなります。データベース型サイトでは、同じテンプレートを使用してページが生成されるので、検索エンジンは効率的にクロールし、インデックスしやすくなるのです。
例えば、地域情報のポータルサイトでは、各地域の情報が同じフォーマットで提供されるケースが多く、これにより検索エンジンはスムーズに情報を収集できます。
データベース型SEOで欠かせないポイント
続いて、データベース型SEOで欠かせないポイントについて順番に解説します。
キーワード選定
キーワード選定はSEOにおける基礎中の基礎であり、データベース型SEOにおいても重要です。
例えば、「ランニングシューズ」を主要キーワードとした場合「ランニングシューズ 初心者」や「ランニングシューズ おすすめ」などのロングテールキーワードを追加していくことで、より多くの検索クエリに対応できます。全体で一貫性のあるキーワード戦略を構築することが、SEO効果を最大化するために不可欠なのです。
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最適なディレクトリ構造を作成する
ディレクトリ構造が整理されていれば、検索エンジンはサイトの全体像を把握しやすくなり、クロール効率が向上します。
まず、ディレクトリ構造は階層的に設計することが大切です。トップページから各カテゴリ、サブカテゴリ、そして個別のページへと階層を明確に分けることで、検索エンジンが各ページの位置関係を理解しやすくなります。
例えば、ECサイトの場合「トップページ > メンズ > シューズ > ランニングシューズ」というように階層を設計します。ユーザーにも検索エンジンにも理解しやすいURL構造を心がけ、不要なパラメータや冗長なディレクトリは避けるようにしてください。
サイトマップ最適化と内部リンクの導線を設計する
サイトマップは、サイト内の全てのページをリスト化したもので、検索エンジンに対してページの構造を示す役割を担います。
XMLサイトマップを作成し、Google Search Consoleに送信することで、検索エンジンはサイト内の全てのページを迅速にクロールできるようになります。同時に、HTMLサイトマップを設置すると、ユーザーがサイト内を簡単にナビゲートできるようになり、ユーザビリティの向上にもつながります。
加えて、内部リンクの導線設計も重要です。内部リンクは、サイト内の各ページを関連付ける役割を果たし(検索エンジンに対してもページの関連性を示すシグナルとなる)、ユーザーの回遊性を高めます。例えば、商品ページから関連するカテゴリページへのリンクを設置し、ユーザーが求める情報にスムーズにアクセスできるようにします。
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Webサイト運営者なら誰でも知っているサイトマップですが、何のために必要なのでしょうか?また、XMLサイトマップとHTMLサイトマップのどちらかがあればいいのでしょうか?サイトマップについて基本的なところから解説します。
正規URLのルールを決める
正規URLとは、同じような内容のページ(重複するページ)の中で、どのURLを検索エンジンに評価してもらうのかを示す施策のことです。
例えば、ECサイトの場合「メンズシューズ」に対して「価格順」「カラー別」「おすすめ順」など複数の並び替えが発生するため、どのページに評価を集中させるのかを決めておくと、目的のページの評価を高めやすくなります。
URLの正規化とは?SEOにおける必要性と3つの設定方法を解説
PLPを一致させる
PLP(Preferred Landing Page)は、検索エンジンにおいてユーザーが最初に訪れるページであり、このページの品質がサイト全体の評価に大きく影響します。
PLPを一致させる理由は、ユーザーが検索結果から訪問した際に求める情報をすぐに提供できるようにするためです。関連するコンテンツや内部リンクを配置し、ユーザーが求める情報に迅速にアクセスできるようにします。
例えば、ECサイトの場合、人気商品や特集ページをPLPに設定し、ユーザーがすぐに商品情報を確認できるようにすることが効果的です。
低品質コンテンツの扱いを決めておく
低品質コンテンツとは、ユーザーにとって価値が低く、情報が薄いページなどを指します。これらのページは、検索エンジンからの評価を下げ、結果としてサイト全体のランキングに悪影響を及ぼす可能性があります。
低品質コンテンツの対策として、まずサイト全体のコンテンツを定期的に見直し、低品質なページを特定することが効果的です。その後、それらのページを削除するか、noindexタグを設定してインデックスから除外します。低品質なページをリライトして、情報を充実させることも有用です。
例えば、ECサイトにおいて、在庫切れ商品や廃盤商品のページが多数存在する場合、これらのページをnoindexに設定し、関連する代替商品ページへのリンクを設けるなどが挙げられます。
インデックスを制御するページを決めておく
インデックス制御とは、検索エンジンに対して特定のページをインデックスさせるかどうかを指示することです。重要なページのみを検索エンジンに認識させ、不要なページや低品質なページのインデックスを防ぐようにします。
例えば、プライバシーポリシーや利用規約のページはSEO上の価値が低いため、noindexタグを設定してインデックスから除外することが推奨されます。ユーザーが直接アクセスしない内部検索結果ページやフィルタリングページも、インデックスさせる必要はありません。
noindexとは?SEO対策を正しく理解してインデックスをコントロール
SEO対策の施策の1つとしてnoindexという言葉を聞いたことはありませんか?検索結果に特定のページを表示させないために設定するのがnoindexですが、なぜSEO対策になるのでしょうか?基本的なところから解説します。
不要ページの対策とnoindexの確認
不要ページとは、ユーザーにとって価値の低いページや、重複する内容のページを指します。これらのページが多いと、サイト全体の評価が下がり、SEO効果が低減するデメリットがあるのです。
不要ページの対策として、それらのページを削除するか、noindexタグを設定して検索エンジンのインデックスから除外する方法があります。
ドメインパワーを強くする
ドメインパワーとは、検索エンジンにおけるドメインの信頼性や権威性を指します。ドメインパワーを強化するためには、質の高いコンテンツを提供するとともに、信頼性の高い外部のサイトからの被リンクを獲得することも欠かせません。
ドメインパワーとは?SEOでのドメイン評価の重要性と上げ方を解説
データベース型SEOは初期設計が重要!
データベース型SEOは、大規模なサイト運営や多くの情報を扱う場面で、その効果を発揮します。
ただし、データベース型サイトの構築や最適化は、一般的なサイトとは異なり、専門的なスキルが求められます。サイト設計、ページ構成の最適化、データ分析、プログラミングの知識など多岐にわたります。
このため、データベース型サイトの運営・SEO施策においては、専任のコンサルタントやエンジニアなどの協力が欠かせません。
ニュートラルワークスでは、さまざまな業界のデータベース型SEOを支援しています。「データベース型SEOで成果を出したい」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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