Googleのアルゴリズムが、検索結果の順位を決めていることは知っていても、具体的にどのようなものか理解できていない方も多いでしょう。SEO対策においても非常に重要なので、Googleアルゴリズムを理解することはSEO施策作りの第一歩でもあります。
そこでこの記事では、Googleアルゴリズムとは何か、重要な要素、過去のアップデートについて詳しく解説します。この記事を読めば、Googleアルゴリズムの概要を理解でき、今後のWebサイト運営に役立てられます。
目次
そもそも「アルゴリズム」とは、プログラミング用語のこと。コンピューターで計算を行う際の計算方法を言います。そのためGoogleアルゴリズムとは、Googleが検索順位を決めるための計算方法のことを指します。ユーザーが検索したキーワードに最も適したWebサイトの情報を表示するために、Googleが独自の基準で作成した手順やルールです。
Google検索はインターネット上に存在する膨大な数のWebサイトから、検索キーワードに最適な情報を含むものをピックアップし、順位づけを行います。そのためのアルゴリズムは必然的に複雑なものとなり、200以上とも言われる非常に多くの要素によって構築されています。
Googleはアルゴリズムの内容を公開していません。そのため、どのような計算式で検索順位が決定されているか、具体的な仕組みは不明です。
検索されたキーワードとの関連性、Webサイトの専門性、ユーザーの属性から判断されるニーズなど、さまざまな要素が関わっています。それらの要素を一連のアルゴリズムによって判断し、ユーザーにとって最も役立つと推測された情報が提供されているのです。
また、GoogleはSEOスターターガイドにて、GoogleがWebサイトのコンテンツを理解するために使用している項目を公開しています。代表的なものは以下の通りです。
ただし、これはあくまでもGoogleアルゴリズムが利用する項目です。具体的にどのように使われて検索順位に影響を及ぼすか、詳細はわかりません。
Googleは検索アルゴリズムについて、その検索順位を決める要素を公開しています。これらの要素が実際にどのように利用されているかは不明ですが、Googleアルゴリズムを理解する大きなヒントと言えます。
出典:検索アルゴリズムの仕組み
Googleは、ユーザーがあるキーワードで検索した際に、そのユーザーが知りたい情報を提示することを目指しています。そのため、Webコンテンツを制作する際には、ユーザーがどのような意図を持って検索したかを、正確に把握することが大切です。
そこでGoogleが行なっているのが、検索キーワードの意味の分析です。自然言語理解に関する最新の研究結果を応用することで、複数の定義がある語句でもユーザーの検索意図を高い確率で推測します。あるいはスペルミスの解釈や、類義語の中からより検索意図に適した語句を探す手がかりにも、自然言語理解が応用されています。
また、Googleはユーザーが求めている情報の種類や形式についても理解しようとします。例えば、キーワードの示す一般的な意味に関する検索なのか、そのキーワードの中で特定の情報を探しているのかといったことです。特に、「口コミ」「開店時間」「画像」など、具体的な情報を求めていることがわかるキーワードが含まれている検索では重視されます。
あるいは、検索したタイミングで、そのキーワードの検索頻度が急上昇している場合には、情報の鮮度を重視します。スポーツの試合結果など即時性の高い情報や、現在話題になっていることが優先して検索順位に反映されるのです。
検索意図とは?種類や調べ方、SEOでの重要性を解説
効果的なSEO施策を行うためには、ユーザーニーズに応えられるサイトやコンテンツの作成が求められます。本記事では、そのために重要となるユーザーの検索意図を理解し、活用するために必要な基礎的な知識と、調べ方や応用方法について解説しています。
ユーザーの検索意図を理解したら、そのユーザーが求めている情報が含まれるWebページを見つけ出し、表示します。その際に重視されるのが検索キーワードとWebページの内容の関連性です。
情報の関連性を評価する基本的な方法は、検索キーワードと同じキーワードがWebページに含まれているかどうかです。特に、タイトル、見出し、本文などに含まれているWebページは関連性が高い可能性があると評価されます。
また、実際に同じキーワードで検索したユーザーの、そのWebページでの行動も関連性を判断する材料になります。データを関連性要因に変換して機械学習することで、関連性を判断する補助とし、アルゴリズムの精度を高めているのです。
さらにアルゴリズムは、そのWebページが、ユーザーの探している情報に答えているかを判断基準にしています。ユーザーが検索したキーワードを大量に繰り返しているだけでなく、検索意図に対する答えになっていなければ、ユーザーの役には立たないためです。
一般的な検索キーワードでは、関連する情報を含むWebサイトだけでも膨大な数があります。GoogleアルゴリズムがそれらのWebサイトに順位をつけるために、コンテンツの品質が重視されます。ここでは、コンテンツの新しさ、検索キーワードが出現する回数、ページのユーザー満足度などが要因として分析されます。
また、Webサイトの内容に信頼性や権威があるかも評価されています。特に情報の質が高いと判断されるのは、検索内容に関連する領域において、他のWebサイトがそのページにリンクしている場合です。
質が低く価値がないWebサイトの特定も、Googleアルゴリズムによって行われています。キーワードを何度も繰り返す、他サイトからのリンクを購入したり自作自演するなどの行為は、ペナルティの対象となります。このようなサイトはユーザーにとっても害となるため、スパムサイトと判定され、検索結果から削除されることもあります。
Googleアルゴリズムが評価するのはコンテンツの内容だけではありません。ユーザーにとって使いやすく、見やすい設計になっているかも同時に判断しています。これをユーザビリティと言います。ユーザビリティを評価する際に使われるWebサイトの要素には、以下のものがあります。
ユーザーがGoogleの検索結果からWebサイトに遷移した際に、ストレスなく使用できるかを基準に評価されています。
Googleアルゴリズムは、ユーザーの属性や行動履歴も利用しています。可能な限りユーザーそれぞれの特性に合わせた検索結果を表示した方が、そのユーザーにとって役立つ情報を提供できるためです。使われる要素は、ユーザーの現在地、過去の検索履歴、検索設定などです。
例えば同じ「football」と検索した場合でも、そのユーザーがアメリカにいればアメリカンフットボール、イングランドにいればサッカーを意味していると判断できます。同様に位置情報により、飲食店のおすすめを検索した場合にも、近くのお店を優先的に表示するようになります。
過去の検索履歴は、ユーザーの興味関心を持っている分野を判断するために使われます。例えば「楽天」や「ソフトバンク」と検索した場合、当然ながらECモールの楽天や、携帯電話サービスのソフトバンクのWebサイトが最上位表示されます。
それに続いて関連するWebサイトも表示されますが、そのユーザーがプロ野球に関する検索を頻繁におこなっていた場合には、楽天イーグルスやソフトバンクホークスといった野球チームの情報が優先されるといった調整が行われます。
Googleアルゴリズムがどのような考え方で評価を行なっているかを見てきました。いわば抽象的な理念とも言えるでしょう。そして、Googleはさらに具体的にアルゴリズムの一部を公表しています。基本的なGoogleアルゴリズムをここで理解しておきましょう。
Mobile First Indexは、Webサイトを評価する基準をモバイル用ページとするアルゴリズムを指します。GoogleがインデックスするすべてのWebサイトに影響するアルゴリズムです。そのため、現在最も重要なGoogleアルゴリズムのひとつと言えます。
2010年頃までは、インターネットにアクセスするデバイスはパソコンが主流でした。そのため、GoogleもPCに最適化した検索結果を構築して表示していたのです。しかしその後スマートフォンが普及し、ユーザーの利用デバイスも変化します。そして2015年、ついにモバイルデバイスでの検索数が、PCデバイスの検索数を越えたのです。
そこでGoogleは、ユーザーの利用形態に適応するために、従来のPC用ページではなくスマホ用ページを評価の基準とすることとしました。この方針は2016年に発表され、段階的に適用を開始。そして、2019年以降の新規サイトすべて、さらに2021年にはすべてのサイトの評価基準がMFI(モバイルファーストインデックス)へ移行されました。
そのWebページの内容、使いやすさ、ユーザー満足度といったすべての指標が、モバイルサイトを対象に評価されます。
そのため、PC用サイトでは豊富なコンテンツを持つWebサイトであっても、そのコンテンツがスマホからは見られなかったり、スマホでもPC用のレイアウトがそのまま表示されるような場合には、SEOの評価は下がってしまうのです。結果として検索順位も向上しません。このためMFIは、Webサイトの運営に関わるならば必ず意識しなければならないアルゴリズムなのです。
Query Deserves Freshnessは、Googleの検索において情報の新鮮さを重視するためのアルゴリズムです。時事性の高いトピックや、注目度が急上昇しているキーワードの検索結果に、より新しい情報を上位表示する役割を担っています。
例えば、人気のある芸能人が犯罪を犯して逮捕されたり、スキャンダルが発覚した場合を考えてみましょう。テレビなどのニュースでも取り上げられ、多くの人が話題にします。すると、その芸能人に関する検索も急増することになるでしょう。
このようなホットトピックやトレンド情報と呼ばれる検索キーワードでは、ユーザーは最新情報を求めています。その芸能人の履歴や公式サイトよりも、ニュース記事の方を見たいユーザーが多いはずです。そのため、Googleはページが更新された時間を重視するのです。ニュースやトレンド情報を配信するWebサイトでは特に重要なGoogleアルゴリズムです。
Query Deserves Diversityは、Googleが検索結果に多様性を持たせることの価値を重視していることを示すアルゴリズムです。同じキーワードで多くのユーザーが検索しているため、それぞれのユーザーの検索意図は同じではありません。例えば「サッカー」というキーワードで検索したユーザーであっても、知りたい情報は以下のように様々でしょう。
これらの幅広いユーザーのニーズに応えるために、Googleは検索結果が同じような内容の情報ばかりにならないように、多様な情報を含むWebサイトを並べて表示させるのです。またQDDは、単純に異なる情報を含むWebサイトをピックアップするだけではありません。検索したユーザーの趣向から検索意図を推測して、検索順位を入れ替えています。
その際に利用されるのが、ユーザーの検索履歴や属性などです。サッカーの例で言えば、毎週Jリーグの試合結果を検索しているユーザーならば試合結果の情報や、住んでいる地域を本拠地とするチームの情報も優先されます。
このアルゴリズムに対応するためには、複数の方針が考えられるでしょう。幅広いユーザーの検索結果にできるだけ上位表示されるためには、網羅性を持った多くの情報をコンテンツ化する必要があります。もしくはターゲットを明確にして検索意図にぴったりの情報を提供することで、そのユーザーの検索結果での最上位表示を目指す方針もあります。
Googleは常にユーザーにとって最善の検索結果を表示できるよう、アルゴリズムも日々改善しています。毎日のように細かい調整も行われていますが、時には大幅なアップデートも行われ、その検索順位は大きく変化します。代表的なものを見てみましょう。
パンダ・アップデートとは、低品質なコンテンツを検索上位に表示しないように調整するためのアルゴリズムのアップデートです。コンテンツの「品質」を評価するための判定方法がアップデートされるもので、不定期ですが継続して行われています。2011年に最初に行われ、現在はバージョン4.2となっています。
大まかに言うと、他のサイトからコピーしたコンテンツや、少しだけ書き換えたり組み合わせたりしただけの、オリジナリティーがないWebページの評価が下がります。具体的には、以下のようなコンテンツを発見し、評価を下げるアルゴリズムです。
かつて、検索キーワードを多く含む文章をプログラムによって自動で生成し、Webページを量産する手法が使われていたことがありました。そのキーワードに関連したページへリンクを貼り、SEO効果を得ようとするのが主な目的です。
しかし、文章はでたらめで意味をなしていないことも多く、ユーザーにとって役に立たないページも多くありました。そのためパンダアップデートにより、Googleはスパムページとして扱っています。
自動生成ほどデタラメな文章ではないものの、特定のキーワードやフレーズを使うことだけが目的のコンテンツも、ユーザーにとって役立ちません。品質の低いページの集まりと判断されます。
他のWebサイトのコンテンツを無断で流用して作られたWebページです。あるいはコピーした上で少しだけ情報を入れ替えて作られたものも同様に扱われます。
商品のアフィリエイトリンクを含むページのうち、商品の説明やレビューなどを元の商品のページから流用しただけのものなどを指します。独自のコンテンツや付加価値がなく、ユーザー本来の目的である商品ページへの到達を阻害しているため、無駄なページとされます。
アフィリエイトサイトであっても、商品のより詳しい説明や使用したレポート、あるいは同ジャンル内での比較といったオリジナリティがあれば、質が低いとは判断されません。
ペンギンアップデートは、いわゆるブラックハットSEOを用いたWebサイトを取り締まるためのアルゴリズムを導入したアップデートです。
ブラックハットSEOとは、Googleのクローラーやアルゴリズムを騙して検索順位を上げようとする手法を言います。例えば順位を上げたいWebページに対して、大量に制作した品質の低いWebページからのリンクを集めるような方法が見られます。
SEO対策は広く行われるようになりました。本来のSEO対策では、Webページの使いやすさやコンテンツの質を上げることが大切です。しかし、SEO的に効果がある方法が見つかると、それを悪用する人たちもいます。そのような小手先のテクニックに対するGoogleの対応がペンギンアップデートです。
ペンギンアップデートもパンダアップデートと同じく随時行われており、現在ではバージョン4.0となっています。新しいブラックハットの手法が発見されれば、それに対応する必要があるためです。
ハミングバードアップデートは、ユーザーが検索したキーワードから、その意図を汲み取るためのアルゴリズムを導入したアップデートです。検索キーワードの文脈を理解することで、ユーザーの検索意図を推測し、従来より関連性の高い検索結果が表示されるようになりました。
ハミングバードアップデート以前は、キーワードそれぞれを検索の対象としていました。例えば「大阪」「プロ野球」「球場」と検索された場合に、それらのキーワードと関連性の高いページが検索結果に反映されるといった形です。それがハミングバードアップデートによって改善されました。「大阪にあるプロ野球の球場はどこか」という文脈が理解されるようになったのです。
このアップデートにより、ユーザーの知りたい情報がさらに的確に検索結果に表示されるようになりました。
ベニスアップデートでは、ユーザーの位置情報を使って検索結果を表示するアルゴリズムが導入されました。2012年頃から始まり、日本での反映は2014年末頃でした。導入の理由は、スマートフォンを使うユーザーが増えたため、移動中でもインターネットが使えるようになったことです。そのため、検索時にその場ですぐに役立つ情報を探すことが増えました。
また、位置情報を加味した検索結果の方が、ユーザーの満足度も向上するようにもなったため、ベニスアップデートが行われたのです。
ユーザーの位置情報によるパーソナライズが行われたため、検索結果も大きく変動しました。例えば、同じ「ハンバーガー おすすめ」というキーワードで検索しても、そのユーザーの検索位置に応じて近くのお店が優先して表示されるようになったのです。
クオリティアップデートは、パンダアップデートと同じく、Webサイトのコンテンツの品質を評価するためのアルゴリズムがアップデートされたものです。
2015年に行われたアップデートでパンダアップデートとの違いは、パンダアップデートではページごとに評価されるのに対して、クオリティアップデートはWebサイト全体が評価されることです。もし質の低いページが存在すると、そのページを含むWebサイト全体に低評価の影響が及ぶ可能性があります。
Googleはクオリティアップデートについては詳しい内容を公開していません。2015年に検索順位が大きく変動したことから、SEO情報を発信するWebメディアである「Search Engine Land」がGoogleに質問し、新しいアルゴリズムアップデートが行われたことがわかりました。
評価の基準について詳細は不明ですが、概ねパンダアップデートと同じく低品質なWebサイトや、ユーザーの満足度の低いコンテンツが順位を下げられたと考えられています。
RankBrain(ランクブレイン)は、Googleが開発した言語解析のための人工知能システムです。このAIをアルゴリズムに加えたアップデートが2015年に行われました。RankBrainによって、ユーザーが検索した語句の意味をより深く理解できるようになったため、検索結果にもユーザーの検索意図にあったWebサイトが多く表示されるようになりました。
検索されたキーワードが直接入っていないWebページであっても、コンテンツの内容によってはユーザーによって役立つこともあります。「大谷翔平」と検索した場合、大谷翔平選手についての情報や最近のニュースが上位表示されます。
しかし、過去の成績や、所属しているチームの成績を知りたいという検索意図もあるでしょう。そこで、コンテンツが直接「大谷翔平」についてのものでなくても、検索キーワードとの関連性が高いコンテンツを探し出すアルゴリズムが開発されたのです。
モバイルフレンドリーアップデートとは、スマートフォンでの表示や操作に適していないWebサイトの評価を下げるアルゴリズムが導入されたアップデートです。スマホユーザーが急激に増えていった2015年に実施されました。Googleがスマホ対応していないWebサイトの評価を落としたことで、インターネットサービス全体でスマホ対応が一気に進むことになりました。
主な評価基準となるのは、モバイル端末でのユーザーエクスペリエンスです。スマホの画面で表示された際にも見やすいように調整されたレイアウトや文字のサイズ、マウスではなく指で操作する際にもタップやスクロールがしやすい操作性などが評価されます。
また、ページの表示速度も大切です。スマホ環境は、デスクトップPCに比べて回線が不安定なこともあるので、このようなページの表示速度を重視する傾向にあるようです。
インタースティシャルアップデートは、Webページにアクセスした際に全画面広告が表示されるサイトの評価を下げるアルゴリズムです。
ユーザーが知りたいことを検索して、その検索結果から詳しい情報を得るためにWebページに遷移したところ、最初に無関係な広告が画面いっぱいに表示されたら、すぐにコンテンツを見ることができません。広告がユーザーの邪魔をして、ユーザービリティを下げているとも言えます。
そこでGoogleは、アクセス時にすぐにコンテンツを見ることができないWebサイトは「評価をしない」という方針を取り入れたのです。
アウルアップデートは、フェイクニュースなどのユーザーや社会にとって著しく有害なコンテンツの順位を落とすためのアルゴリズムが導入されたアップデートです。フェイクニュースとは、社会を混乱させたり、ユーザーを騙して利益誘導したりすることを目的に発信される、真実を装った虚偽の情報のことを言います。
根拠のないデマであっても、SNSで拡散されるうちに事実だと信じる人が増えてしまうことが多発し、問題となりました。特に2016年のアメリカ大統領選挙の際に問題となり、それに対応する形で2017年にこのアルゴリズムが実装されました。
アップデートで実際に行われたのは、コンテンツの品質評価のガイドラインの更新です。ただ、従来のパンダアップデートやクオリティアップデートと異なり、攻撃的な内容やデマを含むコンテンツの評価が下げられました。
また、Googleによって表示されるサジェストの内容がおかしいと感じた場合、ユーザーからフィードバックを行えるようになりました。このアップデートが行われてからは、正確性や専門性、信頼性などの要素がさらに重要になっています。
ヘルスケアアップデートは、医療や健康に関する情報を精査するためのアップデートです。医療や健康分野の情報は、間違った内容が含まれているとユーザーに大きな不利益を与えてしまいます。そのため、他の分野よりも専門性や信頼性の高い情報が重視され、上位表示されるアルゴリズムが導入されました。
日本においても2016年に、Webメディアの信頼性が問題となる事件がありました。専門家による監修が行われておらず、誤った情報が多数含まれていたのです。他にも同様の信頼性の低いWebサイトが見つかったこともあり、Googleが対応する形で2017年に導入したとも言えます。
ヘルスケアアップデート以降、Googleはこの分野では医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高い情報が上位に表示されやすくなったとしています。また、このアップデート以降、医療や健康以外の分野でも、情報の信頼性が重視される範囲が広げられています。
スピードアップデートでは、Webページの表示速度をランキングの要素に組み込むためのアルゴリズムが実装されました。もともと、ページの表示速度は2010年から検索順位を決める要素になっていました。それに加えてスマートフォンの普及に伴い、モバイル版Webサイトの表示速度もランキング要素となったものです。
注意すべきなのは、表示速度が著しく遅い場合に評価が下げられるというアルゴリズムだという点です。つまり、ページの表示速度が速いからといって、検索順位が上がることはありません。そのため、このアップデートが行われた際の順位変動はそれほど大きくありませんでした。
ただし、ページの表示速度はユーザー体験に直結します。ユーザーの満足度や直帰率に大きな影響がありますので、可能な限り最適化を目指しましょう。
BERTアップデートとは、検索クエリの文脈を理解し、関連の高い検索結果を返すGoogleアルゴリズムのアップデートを指します。BERTとは、Bidirectional Encoder Representations from Transformersの略で、AIを活用した自然言語処理の手法を指します。
通常の自然言語処理は、コンピューターに対して人が使う言語を理解される技術であり、単語の分析だけでなくその繋がりも分析し、文脈や文章としての意味を理解するものです。一方でBERTは、こ事前学習機能も備えています。これにより、定式化された単語パターンだけでなく、ネット上に存在する膨大なデータを事前分析し、検索クエリの解析に役立てています。
BERTアップデートにより、文面が長く、複雑なクエリは影響を受けやすくなります。ユーザーニーズに応えられる情報コンテンツを用意しておくことが大切となります。
コアアルゴリズムアップデートとは、Googleが行うアルゴリズムのアップデートの中で、文字通りコア(中核)に関わるものです。比較的大きく検索順位が変動する傾向があるため、Webサイト運営者やSEO施策に関わる担当者の間で注視されています。
Googleがアップデートされるアルゴリズムの内容を詳しく発表することはありません。ただ、Googleの基本指針は常に変わらず、ユーザーにとってさらに使いやすい検索結果を表示することを目指すというものです。したがって、Googleが発表している通り、コアアルゴリズムアップデートは「より良いコンテンツを更新し続けることが唯一の対処法」となります。
コアアルゴリズムアップデートは、不定期ではありますが年に数回行われています。事前にGoogle公式のウェブマスター向け公式ブログや、TwitterのGoogle公式アカウントで告知されるケースがほとんどです。また、Web担当者向けのメディアでも拡散されますので、日頃から情報収集を怠らないようにしておきましょう。
事前に告知されるとは言え、それはアップデートが実施される直前です。また、変更されるアルゴリズムの内容もほとんどわかりません。そのため、告知されてからアップデート実施までに対策できることはないと考えたほうがいいでしょう。
日常的に、コンテンツの追加や更新を積み重ねるのが基本です。ただし、コアアルゴリズムアップデートが行われた直後は検索順位が大きく変わることがありますので、注意して確認してください。
アルゴリズムアップデートの内容と過去の事例を見て、意外と頻繁に行われていると感じた方も多いでしょう。とはいえ、アルゴリズムアップデートを過剰に意識する必要はありません。大切なのは基本的な運用方針です。
Googleアップデートが行われると、評価方法がどう変わったのか、新しい対策は何をすれば良いのか気になるでしょう。実際に多くのWebメディアにSEO専門家の意見が並びます。
しかし、Googleの意図は一貫して「ユーザーにとって最適で有益なページを上位に表示させたい」というものです。そのためにアルゴリズムが更新され、最新のユーザーニーズに対応したり、発生した問題に対処したりされています。「Google が掲げる 10 の事実」という行動指針において、「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」というものがあります。
常にユーザーを最優先に考えて、ユーザーのニーズと検索意図にあったコンテンツを作成しましょう。ユーザーにとって役立つWebページであれば、アルゴリズムアップデートがあっても悪い影響を受けることは少ないはずです。
大規模なアルゴリズムアップデートが行われると、自社のWebサイトでも一部のページの検索順位が落ちることがあります。その結果、トラフィックが減少することもあるでしょうが、それで一喜一憂する必要はありません。
あるページの検索順位が下がっても、他のページは上がっている場合が多いためです。ペナルティを受けてWebサイト全体の評価が落ちることはほとんどありません。また、自社サイトへの流入数が減ったとしても、Webサイト内でのクリック数は変わらないこともあります。
それは、これまでWebサイトを訪れたもののニーズに合わずに離脱していたユーザーが減っただけかもしれません。アルゴリズムの変更により、自社サイトと相性の良いユーザーだけがアクセスしてくるようになったとすれば、Googleによる効率化が成功したとも言えるでしょう。
トラフィックが減ったことを悪い影響と決めつけることなく、アクセス解析などによって正確な情報を把握してください。そして、ユーザーファーストを念頭に置いてWebページを改善し続ければ、結果は自然と後からついてきます。
Googleアルゴリズムは常に進化を続けています。そのため、かつてのようにテクニックによるSEO対策には効果がなくなりました。では、今後のSEO対策では何を重視すればいいのでしょうか。
SEO対策において大切なのは、Googleが考える良いコンテンツを作り公開することです。そしてGoogleは、ユーザーにとって役立つコンテンツを良いものとして評価しています。ユーザーによって欲しい情報や検索意図は異なるため、絶対的に良いコンテンツという正解はありません。しかし、Googleは「品質評価ガイドライン」を公表しているので、これを参考にできます。
Googleのガイドラインで重視されている、高品質なコンテンツの概念に「E-A-T」があります。
「E-A-T」とは、「Expertise(専門性)」「Authoritativeness (権威性)」「TrustWorthiness (信頼性)」の頭文字を取ったものです。
それぞれ以下のような意味を持っているので、コンテンツ作成の際に念頭に置いてください。
E-E-A-T(旧E-A-T)とは?SEOで重要なGoogleの評価基準を解説
Webサイトやコンテンツの作成者が、その分野において専門的な知識を持っているかが評価されます。ただし専門性とは、作成者の地位や資格などで判断されるのではなく、コンテンツがその分野について詳しく言及されているかという点で評価されます。
Webサイトやコンテンツの作成者が、その分野において権威を持っているか、多くの人に認められている存在なのかを評価します。
コンテンツの内容が信頼できるかどうかが判断されます。フェイクニュースや、検証されておらず根拠のない情報を含んだ信頼できないコンテンツは評価されません。
E-A-Tが重視される傾向はすべての分野で高まっていますが、特にYMYL領域において特に重要だと考えられています。
YMYLとは、「Your Money Your Life」の頭文字を取った略称です。ユーザーの財産や健康に影響する可能性のある分野を指します。ユーザーの人生を左右することもある領域なので、この分野では特にコンテンツの品質が厳しく評価されるとGoogleが明言しています。
YMYL領域では、信頼性の高い、高度な専門性と権威に基づいて作成されたコンテンツが求められます。そのため、研究機関や公的機関が検索上位に表示されやすい傾向があります。もしくは民間のWebサイトであっても、情報量が多く専門家により監修が行われていれば、信頼性が評価されやすくなるようです。
YMYLとは?対象ジャンル、SEOにおける対策のポイントを解説
人々の生活に影響を与える政治やお金、健康などの情報を扱うYMYLについて重要視される理由や対策方法についてまとめています。Google やユーザーからの評価を高めるためにも、ガイドラインを守った高品質なサイト運営を目指しましょう。
GoogleアルゴリズムはSEO対策を行う担当者ならば誰でも気になるものです。また、日々改良されている上、詳細は非公開なので、対応が難しいものでもあります。しかしながら、ユーザーファーストという大前提を守れば、SEO対策の方針に迷うことはないでしょう。くわえてGoogleアルゴリズムの方針を知っておけば、SEOの理解をより深められます。
この記事を参考に、アップデート内容から逸脱しないWebサイト・ページ作成を心がけていきましょう。