この記事のポイント
この記事でおさえておきたいポイントは以下です。
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2023年のSEO対策の振り返り
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2023年は過去最多のコアアップデートが行われました。アルゴリズムの変化により、E-E-A-Tの対象範囲拡大や、ドメインパワーの変化、体験(Experience)の最重要性上昇、本業とコンテンツテーマの親和性が重要になるなどの変化がありました。
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Chat GPT(AI)の登場で起こったこと
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Chat GPT(AI)によるコンテンツ生成により誤った情報を提供する問題に対処するため、Googleは不正確なコンテンツを検出し、排除する対策を行っています。AIによるコンテンツ生成は慎重に扱い、人間がコンテンツをチェックし、正確性を確認するなど適切な使用法を選択し、AIと人間が協力してコンテンツを生み出すことで、信頼性の高い情報提供を実現するようにしましょう。
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2024年のSEO対策のポイント
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将来的にAIが自動的に検索結果を変えていくことが予想されるため、それに対応するキーワードを考える必要があります。また、基本的なインフォメーションに関するクエリは影響を受ける可能性があり、トランザクションに関連するキーワードはドメインの強化と被リンク獲得を通じてトラフィックを増やす必要があるとされています。
株式会社ニュートラルワークスでは、WebマーケティングやSEOに関するさまざまな知見をセミナー(ウェビナー)で発信しています。
今回は、2023年のの振り返りと2024年のSEO対策のポイントをニュートラルワークスCMOの石田、SEOコンサルタントの山田が解説いたします。
※本記事は、2023年12月26日に行われた「SEO対策 2024年動向予想!今年の振り返りと、来年のポイントを解説」のウェビナー講演内容から、本題となる部分を抽出・編集して記事化しています。
【登壇者】
石田 哲也(@te2319)
株式会社ニュートラルワークス 取締役 CMO
1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。
山田 一平
株式会社ニュートラルワークス SEOコンサルタント
1975年生まれ。東京育ちで現在は埼玉在住。システム会社などでプログラマー・Web制作の経験を積んだのち、アイレップでSEOディレクターとして8年間コンサルティング業務を行う。EC系SEOからBtoBのSEOやコンテンツマーケまで幅広く経験し、50社以上ものクライアント様に対しSEOを提案。その後、株式会社ぐるなびでサービス横断のSEOに従事。Googleナレッジパネルの影響でグルメサイトの順位大幅下降に伴い、Googleビジネスプロフィール運用サービスの立ち上げに入る。そしてグループ全社のWeb責任者に任命され、SEOの枠を超えてSNS運用まで多方面にわたり活躍。ニュートラルワークスでは、これまでの経験を活かしてお客様の成果に向き合っていきます。
※以下、株式会社・敬称略
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目次
2023年のSEO対策の振り返り
2023年のSEOを振り返る上で重要なトピックを4つ用意しました。
- 多数のコアアップデートのおさらい
- アルゴリズムの変化により起きたこと
- Chat GPT(AI)の登場で起こったことと注意する点
- ドメインの専門性
一つずつ解説します。
多数のコアアップデートのおさらい
2023年は過去最多のコアアップデートが行われました。特に3月、8月、10月に起きたアップデート後の変化を解説します。
2023年3月のコアアップデート:信頼性や専門性
石田:3月のアップデートでは、コンテンツの信頼性や専門性が重視され、関連性の高い外部リンクも重要視されました。
特に、IT企業の強力なドメインパワーを持つ美容メディアでは、コンテンツに対するドメインが持つ専門性が不足しており、順位が急落しました。
その後、新規ドメインへの移行を試みましたが、トラフィックの回復は見られず、元のトラフィックの約10分の1にまで減少しました。
2023年8月のコアアップデート:個人体験を重視するクエリ
石田:8月のアップデートというかその少し前には、Q&Aサイトの個人の体験を重視する検索クエリの順位が急上昇しました。
また、別の例では、マルウェア感染による大量の低評価コンテンツが生成され、サイト全体の評価が落ちました。しかし、削除ツールを使って回復した事例も報告されています。
2023年10月のコアアップデート:より細かい専門性評価
石田:10月のアップデートでは、一部の大手メディアが順位を下げました。
これは、アルゴリズム調整の影響で特定の専門性に関する評価がより細かくなり、従来ではドメインに関連性のあるコンテンツと認識されていたページが、アルゴリズム調整によりドメインの専門性とコンテンツテーマの不一致が影響している可能性があります。
アルゴリズムの変化により起きたこと
アルゴリズムの変化により起きたことは次の7つです。
1.E-E-A-Tの対象範囲拡大
2.ドメインパワーとコンテンツの力関係
3.ドメインパワーの変化(専門性)
4.ドメイン貸し問題
5.長尺コンテンツの評価
6.体験(Experience)の最重要性上昇
7.本業とコンテンツテーマの親和性
一つずつ解説します。
1.E-E-A-Tの対象範囲拡大
石田:2023年に限らず継続的にE-E-A-Tの対象範囲が拡大しています。従来は主に保険・金融や医療などの重要なテーマに焦点を当てていましたが、AIの発展に伴い、実行者やサイトの信頼性が重視されるようになりました。
AIが作成できないコンテンツや専門性の重要性が高まることで、より広い領域でE-E-A-Tが重要になっていると考えられます。
2.ドメインパワーとコンテンツの力関係
石田:アルゴリズムの更新に伴い、コンテンツ重視からドメインパワーへの比重が高まりました。ただし、ドメインパワーの中でも重要な要素が従来とは変化しているため、それらの要素を意識して対策する必要があります。
3.ドメインパワーの変化(専門性)
石田:ドメインパワーの変化に関しては、Googleは専門性を重視しておりその捉え方が変化しています。
例えば、美容クリニックのサイトに脱毛サロンのコンテンツがある場合、従来は同じ美容関連コンテンツとして評価されていました。しかし現在は、美容クリニックであっても脱毛が事業として提供されていなければドメインの専門性は評価されません。
これにより、SEOの難易度が上がっている印象があります。
4.ドメイン貸し問題
石田:近年問題になっているドメイン貸しですが、ここで問題になるのはドメイン所有者が運営に関与していないコンテンツのことです。
評価の高いドメインにコンテンツを追加すると上位表示されやすくなりますが、これはドメイン所有者に対しての評価が影響しています。
一方で、ドメイン貸しはドメイン所有者が関与せずに運営を行うため、情報の信頼性が担保されません。Googleは情報の信頼性を重視しているため、情報の信頼性を担保できないドメイン貸しはGoogleから評価を下げられる可能性があります。
実際に、ドメイン貸しはGoogleが対策中でドメイン貸しのサイトがサイト単位で順位を下げるなどアルゴリズムでの対策と個別での対策が行われているようです。
過去のGoogleの歴史から、このような対策は長期的には有効ではなく、ユーザーに有益な方法での運営が重要です。短期的な手法は徐々に淘汰されると見込まれます。
5.長尺コンテンツの評価
山田:上位ランキングのサイトの多くでコンテンツの評価が落ちており、ページの情報量が長くなりすぎて結果的に情報がすぐに伝わりにくくなっていることが問題視されています。
AIによる代替が将来的にも考えられるため、検索ユーザーの意図に沿わないコンテンツの付け足しは避け、キーワードに対してニーズを満たす回答を重視すべきと考えられています。
6.体験(Experience)の最重要性上昇
石田:AIによるコンテンツの自動生成が加速しているため、個人の体験が重要視されています。
体験に基づく独自の情報はAIでは提供しにくいため、独自の情報が重要視されていると考えられます。最近のアップデートでも個人の体験が重視され、今後も継続して重要視されると考えられるでしょう。
7.本業とコンテンツテーマの親和性
石田:信頼できる専門知識はトピックやキーワードによって異なり、一般人の実際の体験や専門家の意見が重視されます。
例えば、掃除機のレビューでは一般人の意見も重要ですが、SEOのような専門的な分野では専門家の意見が重要になります。
Googleはコンテンツの作成者がそのテーマの専門家であるかどうかを評価し、それに基づいてランキングを決定するため、本業とコンテンツテーマの親和性が重要です。
Chat GPT(AI)の登場で起こったことと注意する点
石田:Chat GPT(AI)によるコンテンツ生成は効率的であり、時間の節約に寄与します。しかし、誤った情報を提供すると、信頼性が低下し、読者や利用者に悪影響を及ぼす可能性があります。
Googleはこれらの問題に対処するために、不正確なコンテンツを検出し、排除する対策を行っているため、AIによるコンテンツ生成は慎重に扱う必要があるのです。完全にAIに任せるのではなく、人間がコンテンツをチェックし、正確性を確認することが重要です。
AIはツールとして活用されるべきであり、人間の判断や知識と組み合わせて最適な結果を得ることが求められます。適切な使用法を選択し、AIと人間が協力してコンテンツを生み出すことで、信頼性の高い情報提供が実現されるでしょう。
ドメインの専門性
山田:ドメインの専門性は単にドメインの強さだけでなく、その事業領域における専門知識の重要性が評価されます。特定のテーマに関する専門知識が正しく分類され、細かく評価されることが重要であると指摘されています。
このような観点から、ドメインの評価には事業側の専門的な知識の考慮が必要とされます。
2024年のSEO対策のポイント
2024年のSEO対策のポイントを語る上で注目したいトピックは次の通りです。
- トレンドに左右されない普遍的なSEO対策とは?
- 2024年の予想と、押さえておきたいポイント
一つずつ解説します。
トレンドに左右されない普遍的なSEO対策とは?
山田:キュレーションメディアの発展に伴い、コンテンツの使用が重要視されるようになりました。大手サイトではカテゴリーを整えて記事を作成し、内部リンクの施策を行うことが重要であり、これらの王道的なアプローチは今後も変わらないと考えられます。
キーワードの適切な割り当てと内部リンクの設定を行うことが重要です。
2024年の予想と、押さえて起きたいポイント
石田:個人の体験や独自の情報、そして一次情報などが非常に重要です。これらをしっかりとサイトに組み込むことが重要であり、記事やサイトで提供することが必要です。
一方で、AIや検索エンジンが情報を補完する場合もあるため、サイトや会社が提供できる固有の価値ある情報を重視することが大切です。
山田:将来的にAIが自動的に検索結果を変えていくことが予想されるため、それに対応するキーワードを考える必要があります。
また、基本的なインフォメーションに関するクエリは影響を受ける可能性があり、一方でトランザクションに関連するキーワードでは、ドメインの強化と被リンク獲得を通じてトラフィックを増やす必要があるとされています。
これらの対策が今後のSEOにおいて重要になると考えられます。
SEO対策に関する質疑応答
最後に、ウェビナーに寄せられた質問をいくつかピックアップしてご紹介します。
低評価判断されたページの確認方法は?
石田:Googleサーチコンソールに「ページ」という項目があり「ソフト404エラー」が出るようになっています。
通常の404エラーと異なり、Googleはそのページを認識しているがインデックスする価値が低いと判断している状態です。Googleサーチコンソールでこの「ソフト404エラー」を確認し、対処する必要があります。
ドメイン貸しの検知はどのように行われているのか?
山田:厳密に検知することは難しいですし、Googleもすべてを把握できているわけではないと考えます。明らかにドメイン内でのテーマ性が異なるコンテンツやLPを立ち上げることで、ドメインのテーマ性という観点で評価が落ちる要因は出てくる可能性もあります。
いずれにせよ、こういったビジネスですり抜けていくことへの対策は、今後もイタチごっこなのかと考えられます。
石田:「ルートドメインへの内部リンクが張られていない」「運営者情報が関係ない会社のもの」などの要素が検知に影響する可能性があります。これらの要素はサイトの信頼性や運営の透明性に関わる重要なポイントであり、適切な運営元の関係や情報を示すことが自然な形でのサイト運営にとって重要だと考えています。
複数事業を運営している会社のドメイン評価はどうなるのか?
石田:複数のテーマを持つサイトでは、ディレクトリを分けてそれぞれの専門性を明確にすることが重要です。
特定のテーマの順位が下がった場合、そのテーマを別のディレクトリに移動して専用のオウンドメディアを作ることで、順位の回復が見られるケースもあります。
サイト構造によるパフォーマンスの違いはあるか?
山田:キーワードの割り当てや内部リンクの配置をしていれば問題はないと思います。ただし、その割り当てや配置方法によっては、サイトのテーマ性や専門性が薄まる可能性があります。
そのため、内部リンクを張るページ同士の集合体を意識し、キーワードのカバーリングを考えながら構造化していく必要があります。また、キーワードに対して割り当てられるページ数が少ない場合、市場としての競争力も低下するのではないかと考えています。
E-E-A-Tは具体的に何を対策すればいいか?
石田:オンライン上での専門性を示すためには、オフラインでの活動をオンライン上に発信することが重要です。
具体的には、ウェビナーや本の執筆、メディアへの寄稿、協会への加盟、学会での発表や論文の執筆などの活動をオンラインで積極的に発信することで、自身の専門性を名前や経歴とともに示しましょう。
山田:専門分野でのブランディングと信頼性の構築について、権威ある人物との関わりが重要です。特に、小規模企業ではブランディングが難しいため、専門分野で知名度のある人物との提携やパートナーシップが重要になります。
これによって、企業の信頼性と権威性を高めることができると考えています。そして、このような戦略を記事などのコンテンツを通じて発信していくことが、企業の成長を促す要素にもなります。
石田:弊社の事例としては、マーケティング分野で著名な方々との協力関係を結んでいます。マーケティングアドバイザーの飯髙悠太さん、SEO顧問の住太陽さんや西山悠太朗さんなど著名な人物に参画をしていただき、その協力関係を積極的に発信しています。これによって、企業のE-E-A-T(体験、専門性、信頼性、権威性)を高めることも意識しています。
関連性の高い外部リンクとは何か?
石田:専門性が高く関連性のある外部リンクとは、自社と同じ業界や同じトピックを扱う専門団体などになります。具体的には、自社がマーケティング支援を行っている場合、マーケティング関連の企業や協会が関連性の高い外部リンクとなるでしょう。
山田:関連性の高い外部リンクは重要です。ドメインの強さが特定の専門分野に向かうと、その分野と関連性の高いサイトからの外部リンクが受けやすくなります。専門性の高いコンテンツや研究に焦点を当てることが重要です。
官公庁サイトからの発リンク効果はあるか?
石田:効果はあります。ソースの開示という意味で、E-E-A-T(体験、専門性、信頼性、権威性)の信頼性を確保するために重要であり、コンテンツの正確性と信頼性を高めるための取り組みです。
この取り組みは、サイトのドメインパワーを向上させることではなく、情報の品質を重視するものになります。
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