住太陽氏に聞く!SEOのあれこれ

住太陽氏に聞く!SEOのあれこれ

この記事のポイント

この記事でおさえておきたいポイントは以下です。

SEOコンサルタントが運用時に意識すべきポイント

目標設定・ゴールを明確に定めること、実装の優先度を必ず出すこと、成果の出しやすいところから順番に提案を行い、担当査のやる気を出させることが重要です。

社内担当者がSEOを行う上で事前に把握すべきポイント

SEOは費用対効果は出しにくいこと、目の前にある課題が、SEOなのかを事前に把握しておくこと、SEO改善を行う上でシステム・コンテンツ運用まわりの体制を整えておくことなどを行った上で話を進めていくとスムーズにことが進みます。

弊社ニュートラルワークスのSEO顧問 住太陽氏に、SEOのあれこれをインタビュー形式で深掘り。
を支援する担当者へ向け、基本的な考え方や課題との向き合い方について疑問に答えてもらいました。

<住太陽氏 プロフィール>
1999年、ウェブデザイナーとして独立。2002年、国内初の
SEO解説書を出版。以来、執筆、講演活動を続け、日本国内におけるSEOの第一人者として知られる。
主業務とするSEOでは、文章の品質を特に重視するほか、アクセシビリティへの配慮を重視し、あわせてコンテンツの拡散経路としてソーシャルメディアを活用する。
これらの経験を元に執筆した小説「他人の垢」で第19回堺自由都市文学賞を受賞。
現在は自身が代表を務めるボーディー有限会社にて、中小企業を対象にSEOコンサルティングサービスを提供し、高い実績と評価を有しています。


住さんにとってSEOとは

Q:山田
いつもニュートラルワークスをサポートいただきありがとうございます。
今回インタビュアーを務めます、SEOコンサルタントの山田です。よろしくお願いいたします!
さて、まず最初にいきなり超ザックリな質問となってしまうのですが…
『住さんにとって「SEOとは」』どんなものでしょうか?

A:住太陽氏
「自動車の安全運転のようなもの」ですね。
スピードを出せば目的地に早く着けることも何度かはあるかもしれませんが、速度超過を繰り返していれば事故の確率も上がります。
でも制限速度を守って安全運転を心がけていれば、何度でも安定的に目的地にたどり着けます。

何が言いたいかというと、その時点でのサイトの実力以上のランキングを無理に得ようとするのではなく、リンクポピュラリティや評判などサイトの実力そのものを引き上げていくことで、安定的に露出を増やしていくことが大切、っていうことなんです。無理をして不安定になったり、最悪ペナルティを受けたりするのは避けたいんです。

Q:山田
さすが、非常にわかりやすいです!
SEOそのものが概念が広くてわかりにくいですから、普段の生活レベルに置き換えることはSEOコンサルティングを行う上で非常に重要でした。
やはり、住さんのお言葉から学ぶことが多く感じております!続いて、基礎的な質問が続きますがお付き合いください。

A:住太陽氏
どうぞ!どんどん質問してください!

顧客の課題は社内SEO担当者の育成

Q:山田
住さんに相談されるお客様はどういった業界が多いでしょうか。

A:住太陽氏
とくにECサイト系のお客様が多いですね。
そのほか、不動産やクリニックなどがほどほどにあるって感じです。

Q:山田
BtoC向けの相談が多いんですね!
サイトの規模感はどのような企業さんが多いでしょうか?

A:住太陽氏
私が受けるお客様は中小がほとんどです。
売上規模で言うと月商1,000万以下くらいがボリュームゾーンです。

Q:山田
なるほど!では、お客様のSEO理解度の傾向は如何でしょうか。
お客様の理解度によって実装スピードなどは異なるとは思いますが、お客様と対峙していて困ったことなどはありましたでしょうか。

A:住太陽氏
理解度はよっぽど低くても僕は問題にしませんのでいいんですが、実装スピードでいうと、SEOよりも優先度の高い課題を数多く抱えていて、僕もそちらを手伝う感じになってSEOが遅れ遅れになる、っていうところが課題です。

Q:山田
やっぱり普通にありますよね。なるほど。
ちなみに、最初に相談を受けるとき、課題は明確になっている場合が多いでしょうか?
それともざっくり、「トラフィックを増やしたい」というお客様が多いのでしょうか?

A:住太陽氏
まちまちです。ただ、トラフィック量が少なくて困ってるケースは案外少なくて、どちらかというとトラフィックは集めているもののCVが少ないとか、社内のSEO担当者の育成みたいな課題が多いです。

Q:山田
それは関連性の低いコンテンツでトラフィックを集めているということが問題だったりするのでしょうか?どのように育成をしているのかもう少し突っ込んでお聞きしたいです。

A:住太陽氏
関連性の低いトラフィックを集めていることは多いですね。
たとえば、修理方法やメンテナンス方法、上手な使い方、といったコンテンツはトラフィックを集めやすいですが、それらはすでに製品を所有している人の困りごとなので、新たな購入につながる率が低いんです。こういったケースでは、もう少し購買に近いコンテンツのアイデアを出すようなことが必要になりますね。
社内の担当者の育成は、具体的なアドバイスを別にすると、担当者の意欲を高めてあげるコーチング的なことを重視しています。
担当者さんが何か施策のアイデアを出してきたときには、それをうまくやり遂げられるように褒めまくりながらアドバイスをするほか、必要に応じて経営陣を説得する手伝いもします。

Q:山田
さすがです!SEO改善提案は、ほぼサイトのダメ出しに近いので、できていないですよっていうのが続くとそれだけで担当者的には気持ちが滅入ってしまうんですよね…。
私もできる限り褒めて伸ばしていくように、お客様と接するように心がけます!

A:住太陽氏
そうなんですよ!是非褒めて伸ばして上げてください(笑)

SEOの疑問に即答して前に進める事が一番の仕事

Q:山田
続いて、具体的に住さんが対峙しているお客様には、どのようなアウトプットまでをご提案したりするのでしょうか。最も多いケースでお答えいただけますでしょうか。

A:住太陽氏
最も多いのは「細かい疑問や質問に答える」です。
ちょっとした懸念(「ほんとにこれで結果が出ますか?」的な)だったり、ちょっとした確認(「このやり方で合ってますか?」的な)だったり、そういうのに即答して前に進めてあげるのが一番の仕事です。

Q:山田
そもそも判断できない担当者や、「本当にそれやっても大丈夫?」的なセカンドオピニオンは重要な役割ですかね!?

A:住太陽氏
はい。SEOのことをネットで調べると、上位のページでもかなりいい加減なことが書いてあることが多くて、担当者さんが迷っちゃうことが多いんですね。
SEOは情報が錯綜してて玉石混淆なうえに、自社のケースに適応できるかどうかは個別に判断する必要があります。そうしたとき、僕も一緒に考えて、判断してあげるようなことをしています。

短期決戦ではなく長期施策に目を向けること

Q:山田
対策キーワードでなかなか順位や成果が上がりきらないケースもあったりするのでしょうか?また、仮にあったとした時の経験をお聞かせいただけないでしょうか。

A:住太陽氏
上がらないことはありますが、そんなときのためにキーワードはロングテールを含めて複数用意しますので、全敗するようなことはまずありません。
サイト全体の評価が不自然に下がっている(ペナルティを受けているみたいに見える)ケースでは、焦っていろいろやりたがる担当者に「そのうちどこかのコアアップデートのタイミングで戻ってくるから余計なことはしないで」となだめるのに苦労しました。

Q:山田
順位が上がりきらないと、どうしても焦ってしまうことがありますよね。
一番の苦労は、どのように説得して、相手に納得してもらうかですね。

実はSEO以外に課題があるんじゃないか?

Q:山田
住さんはお客様の課題を確認する際、最初に意識するポイントはどういった点だったりするのでしょうか。

A:住太陽氏
ほんとにSEOが課題なのかどうかですね。
問い合わせ時点では皆さんSEOに課題があると考えて僕に相談してこられますが、売れゆきが頭打ちになる理由、問い合わせが増えない理由は別にあったりしますので、まずはそこを片付けてからSEOに進む、っていうふうにしています。

Q:山田
本当にあるあるですよね。最もゴール(売り上げや問い合わせ)に遠い部分にあると思うし、オーガニック検索1回ですぐにコンバージョンするのってレアケースですからね。
各順位のサイトも横断して比較したり商品の魅力だったりUIUXにも影響はありますからね。

中には、SEOの改善がうまく進むお客様とうまく進まないお客様がいると思いますがが、そこにはどういった差があるとお考えでしょうか。

A:住太陽氏
競争の激しさとかの外部環境を別にすれば、SEO以外の業務の忙しさとか、SEOよりも優先度の高い課題があるかどうかがどうしても差になりますね。

現実的なシミュレーションで目標設定を

Q:山田
SEOの指標について、費用対効果を求められるケースがあったりますがそういった場合、シミュレーションなどは出すのでしょうか。

A:住太陽氏
費用対効果を求められるケースはそう多くない(費用の大半は経営者兼作業者の手間なので)んですが、簡単なシミュレーションで現実的な目標設定をすることはあります。
「これくらいはいけますよ」っていう具合です。現実的にこれくらい儲かりそう、みたいな目標があると意欲が出ますからね。

Q:山田
そうですよね。費用対効果は難しいので現実的にすり合わせをして目標設定するのが一番ですね!
ちなみに、SEOの運用が長期間(5年以上)続いているお客様などいらっしゃいますか?
そういったケースは毎月どういったご提案をされていたりするのでしょうか。

A:住太陽氏
こちらから提案するのはアルゴリズムの大きな変化など新しい動きがあったときだけで、長く続いているクライアントは基本的には僕が提案を受けている(「こんなことやってみたいんだけどどう思う?」的な)感じです。

Q:山田
日々のGoogle検索トレンドはどのようにして情報収集してますか?

A:住太陽氏
実はあんまトレンドは追ってなくて、基本的には検索セントラルブログ(日本語と英語)と、あとは検索品質評価ガイドラインくらいしか見てません。

Q:山田
最後に、いままで最も印象的だったSEOのお仕事など、エピソードがありましたらお答えいただけますでしょうか。

A:住太陽氏
特定のキーワード(業態に合わないビッグワード)に強いこだわりを持っていて、いくら「それはおかしい」と説得しても納得しないクライアントがいて苦労しました。
最終的には物別れで、僕のほうから契約を解除したんですが、セッション数を20倍くらいに伸長させたのに満足もされず、苦々しい思い出です。

面白かったのは、低品質コンテンツを削除しただけとか、XMLサイトマップを削除しただけとか、そういう簡単なことで流入を何倍も増やした案件はみんな面白かったです。

Q:山田
いろんなお客様と対峙するとどうしても苦い思い出ってありますよね…。
すごく勉強になりました。ありがとうございました。

【まとめ】SEOで意識すべきポイント

本インタビューではSEOコンサルタントとSEO担当者のそれぞれの立場で意識・把握すべきポイントが明らかとなりました。
本記事のまとめとして、以下でおさらいをして参ります。

SEOコンサルタントが運用時に意識すべきポイント

以下の3点は意識しながら進める要素だと考えられます。

  • 目標設定・ゴールを明確に定めること
  • 実装の優先度を必ず出すこと
  • 成果の出しやすいところから順番に提案を行い、担当査のやる気を出させること

社内担当者がSEOを行う上で事前に把握すべきポイント

  • ①SEOは費用対効果は出しにくいこと
  • ②目の前にある課題が、SEOなのかを事前に把握しておくこと
  • ③SEO改善を行う上でシステム・コンテンツ運用まわりの体制を整えておくこと

ビジネス課題やゴール設定で悩み、SEOの提案に飛びつくお客様が非常に多いです。
しかしながら、まずはお客様ご自身の課題整理をした上で、本当にSEOが重要なのか?など
目標設定や環境整備を整えてから話を進めていくとスムーズにことが進みます。

ただ『そんなに簡単に整理が可視化できない!』という企業担当者様のお気持ちも理解しております!
「そもそも何から手を付ければ良いのかわからない」
「解析データの何をみたら課題が見えてくるのかよくかわからない」
「流入数がまったく上がらないけど、そもそもこの業界の市場感がつかめない」
などの声も多い状況ではございます。

そもそものWEB集客における課題や悩みがありましたら、まずはニュートラルワークスへお気軽にご相談ください!!


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監修者紹介

住 太陽

SEO Adviser

Twitter:@motoharusumi
SEOコンサルタント。2002年に国内初となるSEO解説書など多数の著書を執筆。以来、多数の執筆や講演を務めるなど、SEOの国内の第一人者として知られている。

ボーディー有限会社の代表取締役であり、中小企業を対象に定額制SEOコンサルティングを提供を提供しているほか、株式会社ニュートラルワークスでSEO顧問を務めている。

■経歴
1999年 個人事業として創立
2002年 商号を「SEOソリューションズ」と改定。
2004年 法人化。法人名「SEOソリューションズ有限会社」
2005年 社名変更。新社名「ボーディー有限会社」

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