補助金・助成金

最終更新日: 2021.05.10 (公開: 2021.02.07)

【事業再構築補助金】ECサイト・Web事業も補助対象【21年最新】

【事業再構築補助金】ECサイト・Web事業も補助対象【21年最新】

第3次補正予算で1兆1485億円もの予算を持つ「事業再構築補助金」が2021年4月15日(木)から申請です。応募締切は2021年4月30日(金)18:00となります。この事業再構築補助金はコロナウイルスの感染拡大に伴い事業転換・新規事業・事業再編のための補助金です。

ECサイトやWebサイトのリニューアル、新規制作などオンライン事業でも活用可能な「事業再構築補助金」について、現時点での情報を纏めてみました。

事業再構築補助金とは?

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響を受ける小規模事業者・中小・中堅企業を支援するために新しく設立された制度です。

事業再構築補助金は返済不要の補助金で、補助率は費用の1/2~2/3。補助額の上限は100万円~最大1億円(会社の規模等によって異なる)となります。

この記事では、事業再構築補助金の種類や補助率、申請の適用条件、補助対象となる具体例などを詳しく解説します。

事業再構築補助金がスタートする背景

事業再構築補助金がスタートする背景

これまで、経済産業省の中小企業を対象にした補助金には「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」がありました。国の狙いとしては、これらの補助金を活用して中小企業に生産性を上げてもらい、企業の競争力を高めたり従業員の給与に反映させたりといった結果を期待していたものと推測されます。

ところが、中小企業庁が発表した「2020年版 小規模企業白書」の分析によると、補助事業終了後3年目までは事業化率が大きく伸びる一方で4年目以降は伸びが鈍化することや、生産性向上の成果が賃上げに必ずしも繋げられていない点などを問題視し、2019年度より事業の効果測定におけるKPIの見直しが計られました。つまり、補助金を利用したものの、継続して生産性を挙げられるような効果が出ていない企業が多いということです。

これをふまえて、2020年12月8日の閣議決定では「ポストコロナに向け、中小企業の事業継続、業態転換や新たな分野への展開等の経営転換を強力に後押しすること等を通じて、生産性の向上、賃金の継続的な上昇につなげる」と表明されました。

新たに設けられる「事業再構築補助金」は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う事業モデルの転換や、新規事業分野への進出、M&Aなどの事業再編、海外展開によるグローバル市場開拓など、企業に対してよりスケールの大きな成長を目指す支援を目的としています

事業再構築補助金の種類は?いくら支援してもらえるの?

補助金額 補助率
中小企業(通常枠) 100万円以上6,000万円以下 2/3
中小企業(卒業枠) 6,000万円超~1億円以下 2/3 400社限定
中堅企業(通常枠) 100万円以上8,000万円以下 1/2(4,000万円超は1/3(※))
中堅企業(グローバルV字回復枠) 8,000万円超~1億円以下 1/2 100社限定

(※)補助対象経費が8,000万円以下の場合は、補助率1/2を摘用。補助金額の上限は4,000万円となる。補助対象経費が8,000万円を超える場合は、8,000万円を超える部分の経費は補助率1/3を摘用。補助金額の上限は8,000万円となる。

事業再構築補助金は、上記表のように事業規模などに応じて補助金額と補助率に4つの枠があります。それぞれの枠について詳しく解説します。

1、中小企業(通常枠)

すべての中小企業を対象にした申請枠です。費用の補助金額は100万円以上6,000万円以下で、費用に占める補助率は3分の2です。

2、中小企業(卒業枠)

条件付きの申請枠で、全ての公募回の合計で400社限定になります。費用の補助金額は6,000万円超~1億円以下で、費用に占める補助率は3分の2です。計画期間内に、以下のいずれかのために資本金または従業員を増やし、中小企業から中堅企業等へと成長する事業者向けの特別枠です。

1.組織再編
2.新規設備投資
3.グローバル展開

3、中堅企業(通常枠)

すべての中小企業を対象にした申請枠です。費用の補助金額は100万円以上8000万円以下、費用に占める補助率は2分の1です。(補助額が4000万円超の場合、補助率は3分の1)

4、中堅企業(グローバルV字回復枠)

条件付きの申請枠で、全ての公募回の合計で100社限定になります。費用の補助金額は8000万円超~1億円以下で、費用に占める補助率は2分の1です。以下の3つの要件をすべて満たす中堅企業向けの特別枠です。
1.直前6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同3カ月の合計売上高と比較して、15%以上減少していること
2.補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均5.0%以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること
3.グローバル展開を果たす事業であること

一般的な企業が申請するのは「中小企業(通常枠)」か「中堅企業(通常枠)」

一般的な企業が事業再構築補助金を申請する場合、採択数が決まっていて適用要件が厳しい「中小企業(卒業枠)」および「中堅企業(グローバルV字回復枠)」を狙うよりも、すべての企業が対象になる「中小企業(通常枠)」か「中堅企業(通常枠)」で補助金申請を行う方が手続きはスムーズです。

事業再構築補助金を活用して事業を行う際の注意点

経済産業省の補助金は、原則として補助金採択後に発生した費用しか認められません。補助金申請が採択され「交付決定通知書」が送られてくる前に事業に関する発注契約を行うと、その発注分は補助対象経費から外れてしまいます。(※)
※事務局から事前着手の承認を受けた場合には、令和3年2月15日以降に発生した経費についても補助対象とすることが可能です。

また、補助金は原則「後払い」です。補助事業期間終了後に領収証などの証拠書類を提出して初めて、補助金の支払いが認められる方式になっています。そのため、大きな事業を計画している場合は借り入れなどの資金繰りを検討する必要があるでしょう。

これらの手続きは非常に面倒なものですが、補助金の財源は私たちの税金であるため、適正な使われ方をしたのか細かく確認する必要があるのです。

どのような会社が事業再構築補助金をもらえるのか?

どんな会社が事業再構築補助金をもらえる?条件はある?

事業再構築補助金の補助対象となる企業の要件は、以下の通りです。

1.申請前の直近6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同3カ月の合計売上高と比べて10%以上減少している中小企業など
2.自社の強みや経営資源(ヒト、モノなど)を活かしつつ、経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関と作成した中小企業など

また、事業再構築補助金では以下の成果目標が挙げられています。申請内容の審査において、この成果目標を達成する可能性の高い事業計画から、順に採択が決まると考えられます。

  • 事業終了後3~5年で、付加価値額の年率平均3.0%(グローバルV字回復枠は5.0%)以上増加
  • 従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(グローバルV字回復枠は5.0%)以上の増加
    ※付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいいます。

数字で目に見える生産性向上が求められるため、支援機関や専門家とともに実現可能性のある事業計画を策定しましょう。

事業再構築補助金の対象経費例

事業再構築補助金の対象経費例

事業再構築補助金には、新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中で、ポストコロナ・ウィズコロナの時代に対応するために中小企業等の事業再構築を支援する狙いがあります。事業再構築補助金で補助対象となる事業の具体例の一部を紹介します。

・飲食業 喫茶店経営
└飲食スペースを縮小し、新たにコーヒー豆や焼き菓子のテイクアウト販売を実施。
・飲食業 居酒屋経営
└オンライン専用の注文サービスを新たに開始し、宅配や持ち帰りの需要に対応。
・飲食業 レストラン経営
└店舗の一部を改修し、新たにドライブイン形式での食事のテイクアウト販売を実施。
・飲食業 弁当販売
└新規に高齢者向けの食事宅配事業を開始。地域の高齢化へのニーズに対応。
・飲食業 衣服販売業
└衣料品のネット販売やサブスクリプション形式のサービス事業に業態を転換。
・小売業 ガソリン販売
└新規にフィットネスジムの運営を開始。地域の健康増進ニーズに対応。
・小売業 ヨガ教室
└室内での密を回避するため、新たにオンライン形式でのヨガ教室の運営を開始。
・サービス業 高齢者向けデイサービス
└一部事業を他社に譲渡。病院向けの給食、事務等の受託サービスを新規に開始。
・サービス業 半導体製造装置部品製造
└半導体製造装置の技術を応用した洋上風力設備の部品製造を新たに開始。
・製造業 タクシー事業
└新たに一般貨物自動車運送事業の許可を取得し、食料等の宅配サービスを開始。
・運輸業 航空機部品製造
└ロボット関連部品・医療機器部品製造の事業を新規に立上げ。
・製造業 伝統工芸品製造
└百貨店などでの売上が激減。ECサイト(オンライン上)での販売を開始。
・製造業 和菓子製造・販売
└和菓子の製造過程で生成される成分を活用し、新たに化粧品の製造・販売を開始。
・食品製造業 土木造成・造園
└自社所有の土地を活用してオートキャンプ場を整備し、観光事業に新規参入。
・建設業 画像処理サービス
└映像編集向けの画像処理技術を活用し、新たに医療向けの診断サービスを開始。
引用:経済産業省

ECサイト、EコマースのWeb事業は事業再構築補助金の対象?

ECサイト、EコマースなどのWeb事業は事業再構築補助金の対象?

事業再構築補助金は、ECサイトやEコマースなどのWeb事業にも利用できます。経済産業省の予算資料には、中小企業等事業再構築促進事業の説明には「新規事業分野への進出等の新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援します」と書かれています。これらの内容に該当するのであれば、ECサイトやEコマースなどのWeb事業を始めることも事業再構築補助金の対象になると考えられます。

事業再構築補助金の申請に必要な準備、資料は?

事業再構築補助金は、申請書類とは別に複数の書類が必要になります。今から準備しておくべきものを解説します。

GビズIDの取得

GビズIDとは、補助金申請をはじめ企業の様々な電子申請手続きが行える企業IDのことです。マイナンバーの企業版と考えてください。事業再構築補助金の申請には「gBizIDプライムアカウント」が必要になります。通常、GビズIDの発行は手続きからIDの発行までに2週間ほどかかります。補助金申請などで電子申請が増加する時期はそれ以上の期間が必要になる場合もあるでしょう。早めにGビズID取得の手続きを行っておくのがおすすめです。

事業計画書

事業再構築補助金の申請時に提出するものです。この事業計画書を審査したうえで、事業再構築補助金の対象企業になれるかどうかが決まります。事業計画書の作成にはかなりの時間がかかると思います。事業者が単独で事業計画書を作成するより、支援機関や行政書士といった専門家の支援を受けて進めた方がスムーズに作成できるでしょう。

経理関係書類

事業再構築補助金の交付決定以後に必要になる書類です。事業に関係する費用の見積書、契約書(注文書・注文請書)、仕様書、納品書、請求書、銀行の振込控えなど、補助金を使って購入した物品の書類はすべて保管しておきましょう。

経費区分別実施内容がわかる資料

事業再構築補助金の事業終了後、実績報告を行う段階で必要になる資料です。購入した備品等の現物写真、プログラムのソースコード、画面キャプチャ、チラシ・パンフレットといった資料で、申請どおりに経費が使われたかどうかを確認するために必要になります。

事業再構築補助金の申請はいつから可能?

事業再構築補助金の申請はいつから可能?

2021年4月時点で、事業再構築補助金の締切日以降の流れは未定です。予スケジュールとしては、以下の流れになると予想されます。

2021年4月15日:事業再構築補助金の申請受付
2021年4月30日 18時:事業再構築補助金の応募締切
2021年5月ごろ:事業再構築補助金の審査
2021年6月ごろ:事業再構築補助金の採択結果公表
2021年7月ごろ:事業再構築補助金の交付決定

仮にこのスケジュールで事業再構築補助金に採択された場合、補助事業の実施期間は原則交付決定日~12カ月以内(ただし、採択発表日から14カ月後の日まで)となります。その場合、2022年8月ごろに実績報告、2022年9月ごろに補助金の支給を受けることになると見込まれます。

事業再構築補助金の申請方法は?受け付けは電子申請のみ?

事業再構築補助金の申請方法は?受け付けは電子申請のみ?

事業再構築補助金は、経済産業省の補正予算案の事業概要に「※本事業では電子申請のみを受け付けます。」と明記されているため、申請は経済産業省の電子申請システムjGrantsから行う必要があります。jGrantsからの申請には、GビズIDのgBizIDプライムが必要です。

事業再構築補助金の採択率は?申請は必ず通る?

事業再構築補助金は1兆1,485億円の予算案を計上しています。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業を支援するという事業目的からも、採択率は高めになると予想されます。

種類は異なりますが、過去の補助金の初回申請時採択率は70~90%程度です。ただし、審査では成果目標を達成できると見込まれる事業から順に採択されますので、補助金申請時に提出する事業計画書の完成度が重要になります。

まとめ

ポストコロナ・ウィズコロナ時代に対応するため、企業では様々な計画を考えていることでしょう。ECサイト、EコマースなどWeb領域で計画していることが事業再構築補助金の対象になれば、安定した事業が行えます。

また、国家資格である行政書士や中小企業診断士と提携しているので、事業再構築補助金の手続きも安心してお任せください。

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著者紹介

井浪 竜馬

井浪 竜馬

サポート行政書士法人

保有資格:行政書士、宅地建物取引士。補助金申請は法人全体で年間2,000件以上の実績。IT導入補助金に関しては2018年度から取組んでおり、採択率は約80%。新宿、秋葉原、名古屋、大阪に拠点を構える日本最大級の行政書士法人に所属。各種許認可、ビザ、補助金等幅広く手掛ける。